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オタルナイ湖(朝里ダム)朝里川~朝里天狗岳より~

オタルナイ湖(朝里ダム)朝里川~朝里天狗岳より~

前回のエントリーの魚留の滝から道道1号線を挟んだ反対側の山、朝里天狗岳から眺めるに敷設された朝里ダムと朝里の街並とその背後に広がる日本海。

なかなかの美景を望めるので人気の山なのだろうか、ここに登ったときスライドしたのはかなりの人数でした。ひっきりになしに登山客が入れ替わり立ち代りやってきます。

紅葉も落ち、標高の高めの山には雪も積もり始めるこの時期、ほどよい低山に皆さんがやってきているのでしょうか。

ところで、今回の写真テーマの朝里ダムのダム湖は朝里ダム完成時に公募にて「オタルナイ湖」と名づけられたとのこと。

この「オタルナイ」という名称、実はこの公募によった命名以前はややしばらく小樽市からは失われていた名前なのです。

朝里峠を越えて札幌方には道道1号線に沿って、そして定山渓ダムによって形成された「さっぽろ湖」を形作っているが流れていますが、そこは札幌市の市域ですし、この朝里ダムに流れる川は朝里川です。

オタルナイ

その語感から小樽の名所の由来となったアイヌ語であることは想像に易いでしょうし、実際その通りです。

しかし、現在の小樽市にはオタルナイの名前を冠しているのは、ここ以外はの河口付近にある廃橋の小樽内橋くらいではないでしょうか。

ただし、この小樽内橋付近が小樽の名前の由来である、「オタ・オル・ナイ」(砂浜の中の川)そのものなのです。

では、新川がそのオタ・オル・ナイかというとそうではなく、が星置扇状地の終りから砂丘域になる地点(現在の星観緑地付近)から現在の新川河口付近まで徐々に砂浜の中を北上していく流路をオタルナイ川として呼称されており、この地域に松前藩によるオタルナイ場所が開かれたのでした。その後小樽の中心地は西進し現在の小樽市中心部にうつしオタルナイの呼称もそれについて周り、オタルと変遷し現在の小樽市の市名の由来となったのでした。

オタルナイ川と呼ばれた星置川下流域は、河川切り替えににより、銭函方面の現在のへと流路を変え、残された旧流路はと名前を変えられ、残された小樽内集落は昭和60年代ころには人が離れ、それ以降はオタルナイの名称は小樽から一時期失われることとなったのでした。(ただし、現在の新川右岸域はオタネ浜と名称されており、その名残をわずかながら残されているが。)

そんな変遷のある小樽市中のオタルナイという呼称が、海も砂浜もない山間部のダム湖に名づけられ復活を遂げたのでした。

このダム湖を含めた景観をみるためのルートは以下の通りとなります。(魚留の滝へのGPSトラックも併記されています。)


魚留の滝のバス停跡から数百メートル朝里峠側に進んだあたりにある駐車スペースに車を止め、

朝里天狗岳登山口

朝里天狗岳登山口

魚留の滝への入り口と反対側に朝里天狗岳の登山口があります。

ここから送電線下の管理道を急斜面に驚きながら登っていきます。

送電線下管理道の様子

送電線下管理道の様子

所によっては濃い根まがり竹の笹薮が道の横に生い茂る場所なんかもあり、あぁ、深い山の中なんだなという気分にさせてくれます。

DSC_0283管理道はいったん沢形におりてゆき、ご覧のような優美な沢を見ることになります。

根まがり竹の笹薮の中の刈りわけ道を進んだ割には、抜けのいい程よい水量と川幅の渓流をみることができ、うれしい誤算でした。

ここからまだまだ管理道をすすみ送電線の鉄塔を3本ほどくぐったあたりで、

天狗岳への登山路入り口

天狗岳への登山路入り口

木に赤ペンキでかかれた天狗岳の文字。

これに従い若干藪っぽい道を進んでいきます。この時期は草草の勢いもなく見通しの良い道となりますが、繁茂期だとかなり草がうるさい感じの道なのではないでしょうか。

ここからはそれほどきゅうな傾斜はありませんでしたが、2つ目の大きな沢を

二つ目の沢

二つ目の沢

わたったあたりから、道の脇の潅木の感覚も狭くなり、傾斜も付いてきます。

頂上への取り付き

頂上への取り付き

これまた繁茂期は先ほどより草がうるさそうです。

そうこうしているうちに、

頂上直下

頂上直下

頂上直下の岩稜基部にたどりつきます。あまり難しくない岩場をペンキでかかれた指示マークにそっていくと、

朝里天狗岳山頂

朝里天狗岳山頂

山頂へと飛び出します。

ここからは、朝里峠方面がよく見え、

朝里岳

朝里岳

雪をたたえた朝里岳が冬の到来を感じさせてくれます。

この朝里天狗岳、ここがクライマックスではありません。頂上から北方にピンクテープと踏み跡。その先から登山者たちの歓談の声。それに従い私も踏み分けに突入します。

展望台への道

展望台への道

先ほどよりももっと狭く低くなった道?を進むと冒頭の絶景ポイントへと到着するのでした。

そこで何枚も何枚も写真をとり、さらに昼食をとり、一服をつけ、山頂儀式をたのしみました。

この日は山頂付近でとどまっていると標高683mの山です。肌寒くなったので、セーターを着込んだのはいうまでもありませんでした。

そういえば、今回の山行、、妙に足がふらついていました。いつもとちがった点は靴をキャラバンスタンダード、ザックには魚留の滝を取るために底面にくくりつけた三脚くらいだったのですが、どうやらこの三脚が腰下重量を増大させ、あるくたびにぶらぶらと揺れたのが原因だったのでしょう。

帰りは三脚をザック下にくくるのではなく、ザック背面の紐に三脚をくくりつけてあるいてみると、若干の不安定さはあったものの、かなりいい感じで歩行することができました。

腰下への気遣いが非常に重要であることと知った山行なのでした。

撮影場所  小樽市 朝里天狗岳より
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★★☆
撮影機材 NIKON D3000

朝里川河口

朝里川河口
2014年最後の夏の日、河口へいってまいりました。

ご覧の通り撮り鉄かねてです(笑)

銭函から小樽築港間のJRの鉄路は殆どを海沿いを走ります。当然その間の河川は河口であり、そこを跨ぐために橋梁がかけられています。そんな中でもアクセスが容易でかつロケーションがばっちりなのが、ここ朝里川の河口を跨ぐ橋だと思います。今回は、8月9月に運行される臨時特急ヌプリ号を狙いにいきました。
手前が上り路線(小樽方面行き)なので、午前中は逆光となるのがカメラの設定的には難しく残念なポイントではあるのですが、後追いで撮影をすれば光源もばっちりなのではないでしょうか。ちなみに後追いだと、

朝里川河口からヌプリを後追いで。

朝里川河口からヌプリを後追いで。

こんな感じの光線具合になります。
今回は、ヌプリ号と朝里川の河口部の流れと海を一緒にとらえたかったので逆光上等でとりましたけど、構図をもっとつめれば後追いのほうがいい写真になったかもしれませんね。

鉄語りではじまりましたが、話を朝里川に戻します。

名前の通り朝里岳を源にここまで流れてきます。その流路は朝里~定山渓を結ぶ道道1号線(朝里峠線)とほぼ並走していますが、道中朝里川の川面を見る場面は峠を下りきった朝里ダムあたりからで、朝里峠を走るドライバーは道路のそばに川が流れているなんておもってもいないでしょう。川が作った谷間の少し上に道路を作ったのでしょうね。朝里峠は結構な峠道の割には路面が綺麗でその昔はバイクや車の走り屋さん達でにぎわっていたような記憶があります。

川の流路にそって道を作ることは定石なのですが、この川と朝里岳を分水嶺として札幌側に流れる小樽内川沿いによくもまぁ道をつくったものだなと朝里峠を通行するたびによくおもいました。 道道1号というくらいなので、それなりの需要があったのかなと調べてみると、なんと元は地崎工業の手による観光目的の有料道路として整備されていったとのことです。 道路が完成したのが戦前の1932年のこととのこと。このころからこのあたりの地域は観光資源として着目されていたのですね。戦後になって小樽市・豊平町(現・札幌市豊平区)・中央バスによって地崎から払い下げ小樽市道・豊平町道として一般開放され、そののち道道3号となり平成6年に道道1号となったとのことです。道道の順番って古い順ってわけじゃないんですね。 道路もなかなか興味深い歴史をもつものなんですね。

てなことをつらつら思いながら、この河口の写真を列車とともに撮ったりして

朝里川河口とキハ201系気動車

朝里川河口とキハ201系気動車
733系電車にもにていますが、れっきとした気道車です。
高性能ゆえに製造コストが高く運用されているのは3編成とのこと。

かえりには、バウとともに朝里海水浴場でまったりしてきました。

朝里海水浴場とバウ

朝里海水浴場とバウ

この海水浴場は石浜ゆえに水の透明度か非常に高くみているだけでも爽快な気分になります。

朝里海水浴場

透明度が高いですね。

ちなみにグーグルマップだと、朝里駅から小樽川が海水浴場として表記されていますが、朝里駅から札幌側に海水浴場がありますので、お間違えのないように。小樽側の海岸にいこうとすると踏み切りのない線路を渡るという暴挙が必要になりますよ。おとなしく朝里駅から札幌側にむかっていきましょう。道中細い道なので心細くなりますがそんなことは気にせず進めますからね。

 

撮影場所 小樽市朝里1丁目
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★★★☆
撮影機材 CANON EOS KISS X2