サクシュ琴似川をあるく。
晩秋、札幌でも雪が数度にわたって降りました。そんな時期に丁度見ごろを迎えるのが、
北大いちょう並木 posted by (C)ジプシー
北大のイチョウ並木です。
そのイチョウ並木をバウといっしょに見に行こうと出かけたわけですが、もちろんそれだけでは終らせるはずがありません。
北大構内には、サクシュ琴似川がその流域の全部をあずけているのです。
これは、川沿いにあるくしかありませんね。
と、いうわけで、以下のルートであるいてきました。
まずは、中央ローンのサクシュ琴似川の起点から。
これは湧水池ではなく、 藻岩浄水場の放流水を廃止された水道管を利用してここまで導水しているとのこと。
札幌市の水と緑のネットワークでは、サクシュ琴似川ルートとして区分されています。
その流れは、北大の構内南部の中央ローンあたりでは、
導水直後なので、流量の調整もたやすいのでしょう。このように低い護岸で綺麗に整備され芝生の中をながれていきます。
この綺麗な芝生を流れた後は北9条通りの橋をくぐり、百年記念館をへて、弓道場の脇あたりまで流れてくると、
その姿は段々野趣をましてきます。
北大クラーク会館に通じる西8丁目の道路を短い暗渠でくぐった後、TOPの写真を撮影した大野池に飛び出ます。
この日はなにやらどこぞの写真倶楽部の人たちが大挙しておしよせていて池にレンズをむけていました。別段鳥がいたわけではないので、きっと紅葉なんかをとりにきていたのでしょうね。実際、綺麗な紅葉具合でしたしね。
さて、ここまでが、北大構内を流れる小さな川として、学生さんやここを訪れる観光客の人たちに認識されているサクシュ琴似川の姿ではないでしょうか。実際に川沿いに遊歩道がつくられていて、川に親しみながらお気楽に歩くことができます。
では、これ以降はというと、サクシュ琴似川の姿は、
大野池を出るあたりから原始河川のそれとなります。
再生された河川とはいえ、その流路は昔のものを使っているとのことですし、自然林をその構内に抱える北大です。中央ローンから、大野池までの整備された区間とはちがった姿をここにもたせたのでしょうか。
その姿は、札幌扇状地の端のメムから流れ出た水が、各河川の堆積物で生成された湿地をたどっていくそのものようです。
山をのぼっていると小さな沢を眺めることができますが、山地のそれであり、札幌のような都市部の平地で、このような湿地の中を流れる沢はあまり見ることができませんので、かなりわくわくしました。
ただ、この沢をたどれるような遊歩道はありませんでした。
だけど、晩秋です。藪の力も弱まっています。ここは、はいっていけそうな薄いふみ跡をたどって自然林の中へ突入です。
立ち入り禁止を示すロープがあったりしたので、沢筋を正確にたどることはできませんでしたが、
サクシュ琴似川の暗渠の手間まで自然林をつっきることができました。
ここからサクシュ琴似川はいったん暗渠となります。
紅葉が予想外にきれいだった工学部裏の放射線実験施設の下を暗渠はながれていき、理工学部棟の脇をぬけて、農場の端へと飛び出します。
北大名物のポプラ並木はまだ色付きには早かったようで、緑ままでした。
ここまででてくると、農地の雰囲気となり先ほどまでの大都市にぽっかり残された自然の名残はなくなります。
ここの農道のよな心地のよい砂利道をあるいていると、
マンホールを見ることができ、サクシュ琴似川暗渠の上であることをうかがいしることができます。
情報科学研究棟の裏あたりまでを歩いていくと、
暗渠区間は終り、サクシュ琴似川はその姿を見せます。
この農道は種畜場まで続き、沢筋から若干はなれます。
サークル棟への連絡路を渡る地点で再びサクシュ琴似川の姿をみることができますが、その沢筋をたどろうとするとすぐに、アイヌの遺跡保存庭園に行き当たります。
遺跡保存庭園というだけあってその中は公園としてのそれのような整備ではなく、保存地としての整備のようで、また藪漕ぎがはじまります。
湿地あるきの様相です。
バウもまた藪かといった雰囲気で仕方なくついてきているようでした。
なんと藪をつっきり、エルムトンネル上の北18条通りにいきあたると、やっと人の気配に触れるような気持ちでした。予定外の大都市の中の藪漕ぎ経験がやっと終ります。
あとはこの道路をたどって、桑園新川との切り替え地点の北18条西15丁目の交差点へとたどりついて、サクシュ琴似川探訪は無事終了となります。
導水された自ら始まり、きれいに整備された小川から、人口河川的な護岸された姿、暗渠、そして原始の湿地の沢とその姿をこの2~3kmでめまぐるしく変えるサクシュ琴似川。川好きの私にはとても楽しい散策道でした。
そして、このルート上には遺跡や植生に関しての解説パネルが点在していました。下記にそれを集めてみましたので、ご覧になってみてください。サクシュ琴似川沿いにあるパネルなので、河畔に関するものが多いです。あと、やはり川は人の営みに欠かせない存在であることがわかるアイヌ遺跡についてのパネルも多いです。
撮影場所 | 札幌市北区 北大構内 |
アプローチ難度 | ★☆☆☆☆ |
景観 | ★★☆☆☆ |
撮影機材 | NIKON D3000 |
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