団地沢川~銭函天狗山純登山その2~

団地沢川

承前

谷地川河口~銭函天狗山 純登山その1~

この記事の続きです。

 

そんなわけで、河口から銭函天狗山を目指したわれわれの前に現れた、

テンションがあがる看板

テンションがあがる看板

 

この看板!旧星置川水系!!

おおー!!!っと

あたりをきょろきょろ。

それっぽい沢地形を写真にとって、そこをこのに仮に特定しようと、ほくほく顔で歩みを進めると、

なんのことはなく、登山道上にこの団地沢川なる沢を渡る鉄の橋があらわれたのでした。そして上流部には立派な砂防ダムが鎮座し、そのダム面には「団地沢川1号ダムとプレートが!!

ここか!!

と再度テンションがあがり、秋の渇水期の水が干上がった沢を一心不乱にとったのがTOPの写真となるのです。

ここから、登山道をあるいているしばらくは、「うーん!!団地沢川ぁぁ」とうめき声のような独り言を数度あげ合い方ちゃんに笑われる始末でした。

そして、どうやら、帰宅してからしらべてみると、この団地沢川の水系として認識されている旧星置川ってのは、先ほど河口までいったのことだということが、小樽市地域防災計画というページで判明しました。

家にかえってからまたもや興奮でした(^^

さらにその谷地川に水を預ける土石流危険渓流に指定されているのは、ほかにも数本あるようで、銭函天狗山の地形図と照らし合わせると、この近辺にあるようによみとれました。

登山道をすすんでいき

銭天山荘

銭天山荘

銭天山荘をすぎたあたりから別の沢筋にそってあるいていくわけなのですが、もしかしたら、その沢も名前のついている沢なのかもしれません。

ちなみに、件のページに書いてある谷地川に水を落とす渓流は、

銭函学校沢

銭函右の沢川

の2本があり、ほかにも谷地川とは違う銭 函 山 の 上 川なんて河川名もこの銭箱見晴町所在として記載されていました。

あるいた沢筋も

何沢なんだろう?

何沢なんだろう?

このようにしっかり写真をとりましたが、きっとこの沢も名前のある沢なんでしょう。なんて思いながらこの沢筋を離れ尾根へと取り付き急登のはじまりです。

傾斜がぐんぐんきつくなり、高度をあげていくと、

となりの尾根

となりの尾根

隣の尾根の紅葉や、

黄金の道

黄金の道

黄色く彩られた見事な紅葉ロードになっていきます。

秋の登山は、林も明るくなり、虫もあまりいなく、気温も運動中にはちょうどいい下がり具合、しかもこんな見事な景色を道中みながらとなって、凄く気分がいいものです。

そんあいい気分でのぼっていくと銭天名物のロープ場が登場しはじめます。

銭天名物ロープ場

銭天名物ロープ場

風不死岳・阿部山の、登りでいつのまにかレベルがあがった合い方ちゃん。ほいほいと登ってきます。

きっと以前ならへたれていた道なのでしょうが、登山は経験がものをいうっていうことを身をもって体現してくれていました。

肩から岩稜を望む。

肩から岩稜を望む。

そんなロープ場を過ぎると、片方がきれたった肩に登山道はなっていきます。そこから天狗山の名にはじない銭天の岩稜がそびえるのがマジかに見ることができます。この道をのぼっていき、ちょっとしたガレ場をすぎ、斜面をのぼっていくと、岩稜の上へとびだすのでした。

続きは次のエントリーで(^^

撮影場所
北海道小樽市見晴町20
アプローチ難度 ★★☆☆☆
景観 ★★☆☆☆
撮影機材 nikon d3000

谷地川河口~銭函天狗山 純登山その1~

谷地川河口

今回訪れたの河口。海は若干荒れ模様。これから冬へと向かう日本海の雰囲気バリバリの様相です。

ところで、この谷地川、開拓期から現在までの百数十年間の間に、2度の河道の切り替えが河口も含め人口的におこなわれたの2度の旧流路なのです。現在は、JR函館本線付近でのそばからを起点とした細々とした流れを、この銭函の市内までを運んでいますが、今の星置川の開削がおこなわれるまでは、この谷地川の流路を星置川がながれていました。

そのころの星置川の河口はこの場所だったのです。

で、今回はここをスタートとして

銭函天狗山と谷地川

銭函天狗山と谷地川

銭函天狗山へと純登山としゃれ込もうとやってきました。

DSC_0009DSC_0012

海抜0mから目標の山へと登る純登山の儀式として、靴を海水につけてスタートをしようというわけです。

この近辺には、車を止めるのに適した場所がないので、一旦銭函天狗山の登山口の駐車場に車を止めてから海までえんやこらとおりてきました。

で、写真のように、靴を海水につけていざスタートです。

ルートは以下の通りとなります。

ここから、銭函の市街地を通りながら途中踏み切りで

銭函駅

銭函駅

銭函駅に待機中の721系電車を撮り鉄しながら、のんびりと合い方ちゃんと銭函散策です。

GPSログを見ると、のんきな散策ルートが見て取れるかと思います。
この日は気温も下がりぎみだったので丁度いいウォーミングアップです。
体があったまったころ、銭函天狗山登山口の駐車場へと到着しました。

銭函天狗山登山口駐車場

銭函天狗山登山口駐車場

ここで、少し休憩買っておいたセイコーマートのコーヒーを飲みながら一服です。

で、さていよいよ銭函天狗山へと登ろうと登山道にはいっていきました。

すると!

ほどなくして!

なんと!!

こんな看板がでむかえてくれました!!!

テンションがあがる看板

テンションがあがる看板

川好きとしては、これはたまりません!

いままで土石流危険渓流に指定されている川を地図から割り出して訪れたことはありましたが、こんな看板はいままでみたことありませんでした。見たことのない看板に、河川名までがしっかりかいてあるなんて!

これはテンションあがりました!

いったいこの川はどこにあるのか!?

つづきは次のエントリーへ(^^

 

撮影場所
北海道小樽市銭函2丁目
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★☆☆☆
撮影機材 nikon d3000

星置旧川道を歩く 星観緑地から星置南4丁目

星置川旧川道を歩く

ここ最近4エントリーは星観緑地近辺の川の合流点を掲載してきましたが、今回のエントリーはその締めくくりです。この星観緑地の西縁は札幌市と小樽市の境界となっています。市区町村の境界ってのは概して川の跡であることが多く、この小樽・札幌間の境界も間違いなくの旧流路であることが、今昔MAPの1916年の地図を見ても確認とれました。


そこで、折角なので、歩いてみようとバウと一緒にでかけていたのでした。

そのGPSの記録を下記にしるします。

では、歩行記をスタートします。

スタート

スタート

スタートは、起点の対岸からです。境界なので、写真にも少しうつっていますが、境界を示す紅白のポールがたっていましたので、そこを目印に歩いていきます。小樽側は行き捨て場になっていて、うずたかく雪がつまれていましたが、札幌側はすっかり雪が消えて畑の準備が始まりそうな感じでした。

星観緑地入り口

星観緑地入り口

そこから畑の縁沿いに歩くと、下手稲通りにぶつかり、星観緑地へと入っていきます。小樽側に目を向けると、であろうくぼ地も目にはいります。

ポンナイ川との境

ポンナイ川との境

この写真でみると左側に伸びるくぼ地が星置川の旧流路で右側のコンクリの構造物の先がポンナイ川の流路になります。

進行方向はもちろん、星観緑地の中へなのですが、この緑地の縁はちょっとした林になっており、融雪直後のため緑地の境界をしめる木の塀は所々倒れています。きっとこれから公園管理の人たちがいろいろと整備をしていくのでしょうね。景観的には殺伐とした景観がつづきます。ただ、この時期は藪はそだっていないので、苦労せず歩みを進めることができます。所々にイタドリが倒木のように地面に覆いかぶさっている場所もありましたので、そのあたりは少しだけ歩くのは難儀でした。

 

IMG_1919IMG_1924

この星観緑地の縁にはご覧のように塀と排水溝が終始ガイドのように存在しているので、これにそうように緑地内を散歩していきます。この散歩の間早めの時間でもあったので、緑地内では人に合うことはありませんでしたが、もし他の人が私たちの歩いている姿をみたら、なんて物好きなやつが歩いているんだと、おもったことでしょう。林の中に春をすこしずつ感じながら緑地内を縦断すると、今度は、ほしみ駅前通りにつきあたります。そこで撮ったのがTOPの写真になります。写真に写っている川はです。キライチ川はここからJRの線路を越えるまでは、星置川の旧流路をたどっています。境界線は鉄橋を渡ったあたりで、東南の方向に進んでいます。と、言うことは星置川とキライチ川の旧合流点は丁度鉄橋の下辺りだったのではという想像がつきます。

このキライチ側の堤防をたどって線路の向こう側にでようと、当初は計画していたのですが、どうやら堤防は線路下をくぐっていません。これはしょうがないと一旦GPSのトラックを止め、迂回をしていきます。線路の反対側には星観緑地はないので、あとは地図を見ながら境界線をたどることとなります。

線路の反対側にでたあたりで地図をたよりにをみまわしてみると、

良い感じの土管

良い感じの土管

排水溝が良い感じの土管を通ってキライチ川に流れ込むポイントを発見しました。川の跡って言うのはなにやら法律で構造物の建造が規制されていると読んだ覚えがあります。きっとこの排水溝にそって歩けばとしっかりとしたログがとれるのではと、トラックログを再開いたしました。

ちょうどほしみ駅を見渡せるポイントまででたので、撮り鉄をしながら、

ほしみ駅

ほしみ駅

東側をみてみると、良い感じに屈曲した道を見つけることができました。

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しっかりと排水溝もあり、これはあきらかに境界線であり星置川の旧流路であることがわかります。

写真にもうつっていますが、どうやら私有地を示すロープが木にそってはっていました。その左の小さな土手の上にはアルミの柵もみることができます。でもその柵とロープの合間は共有地になるのでしょう。ということでこのルートは土手の傾斜を通っていきます。星観緑地内もそうでしたが、今回の星置川の探索ルートはなかなかアドベンチャーなルートだなと思いながらこの土手を通りすぎると。

DSC_0020

ほしみ駅への道路にでてきます。この道路の反対側をみてみるとまた良い感じでどうろが湾曲しています。これはあきらかに川の跡の道ではないでしょうか。うきうきしちゃいますね。

道の両側は民地なのでしょうから不法侵入にならないように道路の真ん中をしっかりと歩いてゆくと、星置川の堤防がみえてきます。

DSC_0021

川跡らしき平地を探しGPSトラックを作っていこうと歩き星置川の堤防に上りゴールとしました。

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堤防に上がってから国道5号線方面に目をむけ星置川の上流をみてみると、星置川が谷間を作ってながれてくるのが見る事ができます。

あの谷間あたりが星置扇状地の始まりになるのでしょう。きっと昔のアイヌはこの先を川に沿いながら手稲山へのぼっていったのかなと、おもいつつ帰路についたのでした。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星観緑地~星置南4丁目
アプローチ難度 ★★☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 NIKON D3000 / CANON EOS X2

谷地川起点

谷地川起点

写真にはの標識がありますが、今回のエントリーはその土手の向こう、林の中にあるの起点ということで、星連橋橋におとずれました。

記載されている資料もなく、OPENSTREETMAPでの表記しかこの名前をみることができませんでした。

大きな地図を表示

そして、この谷地川、1916年の今昔MAPをみてみると

開拓期に整備された、新川と呼ばれた人口河川の名残であることがわかります。

下流にすこしだけ進むと、現在はとしてその形をとどめている銭函・花畔間運河があります。

この狭い範囲にの流れを銭函方面に流す二つの人口河川、なかなか興味深いです。

推察をしてみることにしましょう。

星置川は、手稲山あたりに流れを発し、付近の沢を集め扇状地を形作る中規模な河川です。その流量は雨量などにも関係してくるでしょうが、豊富な流れをもっていたと考えられます。そんな星置川の水を利用し、計画だてられた銭函・花畔運河、特に新川から手稲よりは、とよばれており石狩方面のよりも水量が豊富であり舟運の要を充分にになっていたとの記述もありました。これは、逆をかえしてみると、大雨や、融雪期には必要以上の水が運河に流れ込んでくるリスクもあったということではないでしょうか。運河というからには常に一定量の水かさであることがのぞまれるはずです。そんな宿命を持つ運河の水量を調整するために、この新川(現谷地川)は同時に開削されていったのではないでしょうか。当時の地図をみてみると、山口運河と、谷地川は銭函市街の東端で合流をし日本海にながれこんでいます。さらにこの星置新川の開削によって、付近の排水・利水への貢献が非常に高く、河畔一体は稲作地として農地利用が進んでいったとの記述をどこかでみたこともありますし、実際今昔MAPをみるとこのあたり一帯が稲作地記号で占められていることも見て取れます。

インターネットで星置川の変遷を調べてみると、ポンナイ川を先代の星置川の流路であるとの記述が大勢をしめていますが、私としては、ポンナイ川は銭函・花畔運河の名残であり、こちらの谷地川こそが星置川の先代の流路であるという説を推したいとおもいます。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星連橋
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 NIKON D3000