小白山名無し沼~小白山登山 その3~

小白山名無し沼

 

承前

の渡渉地点をスノーブリッヂで渡り、シールを装着。目の前には小白山へと通じる北面の支尾根の一部の沢形。GPSを確認しながら、この尾根を沢形からはなれつつ尾根へと取り付く感じで登っていく。

沢からもはられてきたので、沼があるなどとは思えない地形。それでもGPSを頼りに尾根にのったような場所にたどり着くと、突然目の前に広がる、

樹林帯の傾斜地をつめて突然広がるこの光景に「ほ~っ!」と声を上げる。

空沼岳の真簾沼を見たときの感覚に近い、いきなり訪れる開放感。

感嘆のまま、何度もシャッターを押す。

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小川の支流筋にあたるのだろうか。

先ほど訪れた、宝来沼の数倍はある広さ。夏場は人も訪れずヒッソリと森の静寂とともにあるのだろう。

しかし、美しい。

この光景を独り占めできただけでも、この山行は成功だ。

沼の東側へと移動をしながら数十分、この沼のほとりで写真をとったりみほれたりしていた。

あと、目指すのは小白山の頂上だ。主尾根への取り付きはこの沼の東側が丁度いいそうなので、登りやすそうなところを探して取り付くことにした。

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主尾根のコル状を目指し、高度あげていく。今回の山行で一番ののぼりごたえのある区間だ。

ゆっくりとあるき、主尾根へとたどりついた。

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主尾根はわりとどっしりとした幅。

傾斜はほどよく、歩く身としては、なかなか助かる。

所謂顕著な尾根という姿だ。

ただ強いて言うならば、ほかの山影がないため、強めの風が間断なくふいてきていことくらいか。

今回の山行では眺望が期待できないとおもっていたのだが、

冬の陽
札幌岳方面に開けた場所があった。これは予想外の収穫。ちょっとしたお得感をえられた。

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山頂までの広い尾根とちょっとした細尾根を雪庇に気をつけながら、

小白山山頂

小白山山頂

無事山頂へ到着。

天気は悪くはなかったが、風がつよかったので休憩もそこそこにシールをつけたまま、程よい場所まで降りる。

下山ルートは登り方向をピストンせず、尾根を反対側にすすみ、奥までつけられている林道を利用することにした。

反対側の尾根は以外と細く、雪庇の区間もあり割りと緊張をするが、程なくして広い樹林帯となる。

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風よけになりそうな場所をさがし、休憩とシールをはがす。

さて、林道を探そうかとすすんだのだが、それらしきところはなかなか見当たらず、何度もGPSを見直す。

DSC03915それっぽいところにあたりをつけて、GPSと照合しここだと確定。

気をつけなければ迷いそうな場所だ。

事前情報では、雪崩区間ありとのこと。ここからみてみてもあきらかにそれとわかるよう斜面。

デブリも少し見えている。

慎重に速やかに雪崩区間をやり過ごす。

途中、

夢のシュプール
夢のシュプール posted by (C)ジプシー

なかなかに幻想的な場所もあり、くだりでも冒険気分が味わえる。

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何度も続く雪崩箇所をなんとかやり過ごし、

宝来小屋

宝来小屋

雪に埋もれた宝来小屋に到着。

ここからは明瞭になった林道をなかなか滑らないスキーで進む。

スタートからここまでの林道区間はもしかしたら、ノーエッジのクロカンスキーが最高に楽しめるかもしれない。

そして緩く安全に到着できた。

札幌50峰 39/50 小白山(893m) GET

撮影場所
札幌市南区定山渓薄別
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★★★
撮影機材 CANON EOS KISS X2

宝来沼~小白山登山 その2~

宝来沼

承前

九十九折でから徐々に距離をとりながら標高をあげていく宝来林道。

約1.5kmほどあるくと、今回の目的の一つ、宝来沼へとたどりつく。

無雪期には、笹に覆われており気づかないこともあるというのだが、積雪期には写真をご覧のとおり沼の端まで労せず近づくことができる。

思っていたよりもそれほど広くはなく、太い針葉樹に囲まれているちょっとした雪の広場のように見える。

右端に見えるのは、これから向かおうとする小白山の尾根なのだろうか。

転じて、林道を進むとほどなくして、

宝来沢川

宝来沢川

の流れをみることができた。

この沢の水が宝来沼の水源なのだろうか。流下方向をみてみると、林道をくぐり沼へとむかっているように見える。

無雪期にその真相をたしかめたいと思う。

この宝来沢川もかなりの暴れ者のようで、この治水・治山の対象になっているとのこと。膨大な交通量を誇る国道230号線から2kmも離れていないところで、そんな人と自然のドラマがあったのかと思うと感慨深い。

少しだけここで休憩をしてから本日2つ目の目的地、小白山の名無し沼へと歩みをすすめた。

ここからの区間、当初の予定ではシールも使わず林道をたどって、易しい渡渉をおこなえば到着するつもりだったのだが、案外アドベンティブなルートとなった。

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宝来沼から離れややしばらくはなんの変哲もない冬の林道ツーリングをおこなっていたのだが、

気がついたら、いつのまにか

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林道が途切れ、小川の河畔まででてしまっていた。途中、GPSで確認をしてみると、トラックログが明らかに地形図の林道線からははなれていた。しかし、地形図の林道線は実際の線との差が出ることもあり、しかもその確認した地点までの道の様は道幅も広くあきらかに林道然としていた。しかし、道幅がせまくなり、道の真ん中に若木がたっているようになってきていた。おかしいとおもい道をもどってみたが、GPSの示す林道らしい道が見当たらない。きっと林道整備が追いついていないものかと思ってすのまま進むことにしたのだが、その結果がドンツキとなったのである。

どうやら作業道に迷いこんだらしい。

ここから小川を渡渉して小白山の尾根へと取り付くルートも考えられるだろうが、そうなると今回のもう一つの目的の名無し沼へは未達のまま小白山山頂へ行ってしまうので、林道にルートをもどすこととした。 GPSで確認するとそれほど林道からははなれていないし、標高差もほとんどないといってよい。しかも歩みを進める方向に進路をとっても林道に出会える。

いままでの林道歩きも飽きてきたので、丁度ドンツキの地点には小さな沢形があったので、その傾斜を利用しつつ林の中へとはいっていった。

GPSを慎重に確認しつつほどなくして、

林道合流

林道合流

林道へと合流を果たした。天気はよく不安感はまったくといって芽生えなかったが、これが雪が降っている状況だときっと不安で気持ちがなえていたことだろう。

帰りにきづいたのだが、林道からはなれてしまった地点というのは、最近たおれたであろう、白樺の木がアーチ状に道の端から端にかかっており、その上から雪がかぶっていたので、まったくの雪の壁にみえていたのだった。多分よほど注意をしていないとそこの先に道があるとはきづきはしない状態だったのだ。

無事に林道にもどった地点から約500mほど進むと今度は明確な分岐

小川渡渉への分岐

小川渡渉への分岐

分岐の右は明らかに林道。左はピンクテープがさがっている細いふみ跡の様子。

小白山へと向かう登山者はだいたいここらあたりから小川河畔へ入っている記録が多く、私もそれに習うこととして左のルートへ。

スノーブリッヂその1

スノーブリッヂその1

ちょっとした斜面を斜滑降で河畔まで降りるとスノーブリッヂが目に飛び込んでくる。

だがこのスノーブリッヂ、真ん中あたりが細くなっている。ちょっと危険を感じるのでもう少し良い場所がないものかと上流へ向かうことにした。

それほどあるかなくても、小川の川面が雪におおわれてきて、どこからでも渡れそうな気配をかもし出す。

よさそうなスノーブリッヂをみつけ、

スノーブリッヂその2

スノーブリッヂその2

ここからわたることとした。

予想はここからもそれほどきつくない傾斜とよんでいたのだが、なかなかどうして進行方向を眺めてみると結構な傾斜だった。

予定よりははやいが小川を渡渉してすぐに、

シール装着

シール装着

シールをつけた。

ここから先に沼があるようには思えない結構な傾斜になっている。沢に沿い、標高を疑心暗鬼にかせいでいった。

その3に続く。

撮影場所
札幌市南区定山渓薄別
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 CANON EOS KISS X2

薄別川と小川の合流点~小白山登山 その1~

薄別川と小川の合流点

国道230号線、豊平峡へと向かうT字交差点を過ぎそのまま230号を喜茂別へと向かっていく。

その道に沿うように一本の河川が流れている。 いや、この河川沿いに国道230号線がつくられているといったほうが良いのだろう。

多分、大勢の人はこの川を豊平川と認識していることと思う。

ところがこの川は、豊平川にあらず、その支流のであるということは以前このブログでお伝えしたとおり。

そしてその薄別川に沿った国道230号を少し進むとバス停「薄別」があり、無意根山登山口の看板が見える。

無意根山に向かうには、ここから宝来林道を歩いていくことになるのだが、この林道に沿って流れているのが、今回TOP写真で手前から流れている、である。

小川なんてかわいらしい名前の割には、流量も多く、冬のこの時期でもそこそこの流れをみせてくれているし、この川には治山のためのダムが何個も敷設されているくらいの暴れん坊だとのこと。

無意根山へと途中までつなげてくれている、この宝来林道もこの小川とその支流の宝来沢川の治水管理のためにつくられていったに違いない。

そんな宝来林道をたどりながらこの2つの沼と林道を見下ろすように横たわる小白山へと歩みをすすめようと思う。

宝来林道入り口

宝来林道入り口

スタートはもちろん宝来林道として、ロシニョールBC110&ボレー3ピン&スカルパT4のいつもの装備で出かけた。

今回の山行には一つ試したいことがあった。

冬の山行のブログを見ていただけるとわかるように、行程写真のほとんどをSONYのコンデジでの撮影となっていることがわかるだろう。

夏のように一眼をもっていっていないわけではなく、バックパックには一眼を入れているのだが、スキーを履きながらだと、バックパックの荷解きをしてカメラを取り出すのが手間だし、また夏のように首にかけたままの行動だと転倒リスクや悪天候リスクが怖いので、ほとんどは胸ポケットにしまったコンデジを使うことになっていたのだ。

山行をし始めた理由ってのが写真を撮るためでもあるのにこのままでは本末転倒。なにか良い方法はないものかとかんがえていた。

そこでネットを調べてみると体の前面にカメラ用のバックを装備して行動をしている記事を見かけた。それようにバッグを購入する手もあるのだろうが、貧乏なのでそこまで手が回らない。

そこで考えたのが、元々もっていたショルダーバッグを流用することだ。

幸い手持ちのバッグパックにはいろいろと紐やDカンもあるしカラビナも一つあまっていた。

そこであれやこれやと試してみて、いたった結論が下記のスタイル。

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これで、気軽に一眼に手を伸ばせる。行動に支障がきたされるほどの邪魔にもならない。のぼりのときだけこのスタイルで、くだりはバッグごとバックパックにつめれば転倒時のカメラへの衝撃も軽減されるだろう。

われながら今回の試行はいいアイディアだった。

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気兼ねなくカメラに手を伸ばすことができたのは収穫だった。

いい気分で、宝来林道を歩いていくのだった。

その2へ続く。

撮影場所
札幌市南区定山渓薄別
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★☆☆☆
撮影機材 CANON EOS KISS X2