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大沼~月見橋~

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大沼。

道南最大の湖沼。

駒ケ岳の噴火で折戸川がせきとめられてできた沼。

大沼と小沼に分けられ、その境目を鉄路が走る。

白鳥台(セバット)といわれている、一箇所水の行き来がある場所には月見橋がかけられている。

大沼をはしる函館本線の撮影ポイントのひとつとなっているようで、

TOPの写真のように、道道338号側からではなく、

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このように、小沼側から橋梁全体をフレームに収めるアングルが有名だろう。

だが、この日の気分は、小沼をバックにとりたかった。

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大沼の幽玄な雰囲気は収められないのだが、なぜかひかれた。

もし、この日に広角レンズをもっていれば、迷わず小沼側からの撮影ではりついたのだろう。

DP2ではこちら側からのほうが鉄道写真らしいと判断した。

撮影場所
北海道亀田郡七飯町大沼月見橋
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 SIGMA DP2

支笏湖(イチャンコッペ山前峰より)

支笏湖(イチャンコッペ山前峰より)

正面に風不死岳と樽前山の堂々とした姿を携える。いうまでもなくの源流域になる。

支笏カルデラはやはり美しく。周りを取り囲む山にひょいと登れば、その美しいカルデラの様子をいろいろな角度で眺めることができる。

その様子は本ブログでも、の各山行記としてアップしている。

今回は、へとつなぐ登山路の途中にある前峰から支笏湖を撮影した。

ちょうどこの前峰からは、

恵庭岳

恵庭岳の堂々たる姿をみることができ、支笏カルデラのすばらしい展望台となっている。

真夏の暑い日だったので、空気がかすんでしまっているのが残念だが、標高800m前後のこの場所でも樹林帯から抜けているので、時折吹くさわやかな風がきもちいい。

そんなイチャンコッペ山の山行記をしるしたいと思う。

スタート

スタート地点は国道453号線の支笏湖展望台にもなっているポロピナイ駐車場のヘアピンカーブの頂点のところにある。

ここから、いきなりの急登が始まる。冬に幌平山へ訪れたときと同じ道をたどるのだが、久々のきついのぼりとこの暑さのせいで、すぐに息があがってしまう。

休み休み登っていき、幌平山トラバースの笹の刈りわけわけ道へとたどり着く。

幌平山トラバース

幌平山トラバース

今回の山行、前半に難所が控えているようだ。先ほどの急登然り、この笹かぶりのトラバース路然り。道の難儀さにあわせ、8月の夏山の難敵が襲い掛かってくる。 アブ・湿気・暑さ。そしてマダニ。

特に、この幌平山トラバース、行きはなんともなかったのだが、帰路に通過した際、10数メートル進んだだけで、ズボンに大量のマダニが付着。払い払い歩くこととなった。山用のズボンを履いていてよかった。これが、ジーパンや、丈の短いパンツや、タイツ類だと確実にマダニに食われていただろう。食われていなくても、家まで連れてかえるリスクが跳ね上がったに違いない。

今年の支笏湖近辺はマダニが元気なようだ。それとも支笏湖北部域は元々マダニの密集地なのだろうか。

こぶ裏

笹かぶりのトラバースを抜けると、ちょっとしたこぶの裏手に登山道は続いている。このあたりの道はしっかりと整備されていて、一級国道と感じられる。

一箇所だけ、

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ごらんのように、かんばの樹が道に多いかぶさっている箇所があるが、それほど難儀することなく進んでいける。

のんびりとしたトレッキング路だ。

もちろん山をのぼっているのだから途中傾斜のきつい道はある。

イチャンコッペ前峰

イチャンコッペ前峰

そうこうしているとTOPの写真をとった前峰がでてくる。

運動不足の身にはかなりきつい傾斜を休み休みのぼり、広く平らな前峰の上へと飛び出す。

ここからイチャンコッペ山への道は樹林帯はあまりなく、笹に覆われた尾根をしっかりとした道をたどりながら歩いていくことと成る。

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前峰からはそれほどあえぐことなく、イチャンコッペの山頂にたどり着くことができた。

遅いスタートだったので、この時点で午後2時近く。だが、今年より、エスビットの固形燃料ストーブとモンベルのクッカーを入手したので、山飯としゃれ込むことにした。

なんとはないインスタントラーメンなのだが、山頂での暖かい汁物はうまいものだ。

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支笏湖(千歳川起点)~紋別岳山頂より~

支笏湖(千歳川起点)~紋別岳山頂より~

 

5月末の長閑な空気が流れる紋別岳の山頂から、の起点となるを眺める。

千歳川へは、写真左側に見える入り江のようなところからだ。

それにしても、支笏湖は広い。

標高865.6mの紋別岳の山頂からみても、全貌を一枚の写真で治めることがかなわない。

北海道の地図をひらくと、札幌の南西方向の大きな水色として、相応の面積をつかっているのもうなずける。

とはいえ、この紋別岳からの景観はなかなかよい。

支笏湖
支笏湖 posted by (C)ジプシー

正面に、樽前・風不死岳の両秀峰を伺え、視線を返せば、恵庭岳の凛たる姿をみることができる。

なかなかの景観よしのこの山頂までの山行記録を記しておく。

紋別岳登山口付近

紋別岳登山口付近

支笏湖温泉街そばのNTTの管理道を使い、ゆったりとした散歩道の山行となる。

入山届け

入山届け

少しあるくと入山届けのポストがあり、ここからこの山につけられた管理道をのぼっていく。

道の状態は、舗装がされ、所々傷んでいる場所はあるが、概ね安全な道だ。

小学生の登山遠足につかってもなんら問題が起きそうもない道のり。

ただ、若干つまらない林の中を1時間ほど歩いていくと、

紋別岳が見えてくる。

紋別岳が見えてくる。

紋別岳の山頂が見えてくる。

ここまで標高を上げてくると、道路につけられている、背の高いガードレールの隙間から、時折支笏湖の姿を見ることができ始める。

見えるたびに、その姿をかえていくので、いままで景観の望めない林の中の車道を歩いていった道のりに、程よいアクセントを添えてくれる。

恵庭岳が見える。

恵庭岳が見える。

山頂まであと少しのあたりから、台地状に笹原と疎林の彼方に恵庭岳がみえはじめ、

残雪

残雪

山頂をぐるっと巻くように敷かれている管理道の北側に出ると残雪が見え始め、それまでの歩行でほてったからだを丁度よい温度まで下げてくれる。天然のクーラーだ。

アンテナ

アンテナ

アンテナ施設までくると、あとはほんの数歩で山頂となる。

紋別岳山頂。

紋別岳山頂。

アンテナ施設内のほんの少し盛り上がった土の部分が紋別岳の山頂に届く。ここに三角点もある。

ここからの景観はなかなかのものだ。

しかし、今回は若干遠望がかすんでいて、そのすばらしい景観を綺麗に写真に収めることができなかったのが悔やまれる。

山頂で、バウと相方で、おやつを食べたり、コーヒーを沸かしたりのんびりとすごし、日暮れ前までにかえろうと、午後4時過ぎくらいに山頂をあとにした。

 

撮影場所
北海道千歳市紋別 紋別岳山頂
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★★☆
撮影機材 canon EOS kiss x2

オタナイの沼(星置川旧河口跡)

オタナイの沼(星置川旧河口跡)

 

オタナイ、オタネ、オタルナイ。

の河口付近は、そうよばれていた。いまでもその名前で呼ぶ人もいるだろう。

古くからの地名があるということは、ここに人の営みがあった証拠。

昭和40代年くらいまではここに小樽内集落があった。

その集落のために新川に小樽内橋というコンクリート製の立派な橋もかけようとしていた。

歴史をどんどんさかのぼってみると、1596年にはここに渡島福山の八木勘右衛門という人物が入植をしてきて、その後オタルナイ場所がひらかれた。

それ以前にはアイヌコタンがあったとの説もある。

オタルナイ(砂の川の道)との意味を持つこの地。

その名の通り、石狩大浜あたりから内陸に続く砂丘域に河川がはしっていた。

現在のの流路がそれに当たる。

その流域はオタルナイ川とよばれていた。

現在、札幌の定山渓ダムを形作っている小樽内川とは別の川だ。

また、朝里ダムによって形付けられたオタルナイ湖の主流河川であるも関係はない。

砂の川の道をつくるオタルナイ川、オタナイ川、オタネ川なのだ。

では、このオタルナイ川は、独立した一本の河川かというと実はそうではない。

手稲の山麓からながれでて、星置扇状地を形作って大浜の砂丘域に流れだすの下流域をアイヌの人たちはそう呼んだのだ。

滝がいくつもあり、急峻な流れを持つ星置川上流域とは様相がまったくことなり平らな砂丘域を静々と流れる様子はまったくの別の川と認識されたのだろう。

そして今回訪れたはそのオタルナイ川の河口跡なのだ。

ゆえに、この小さな沼は、清川の河口跡ともいえるし、そもそもが星置川の河口跡なのだ。

星置川は近世にはいってからこの河口を含め、3つの変遷をたどっていることは、以前このブログの谷地川河口~銭函天狗山 純登山その1~谷地川起点、などのエントリーで紹介をしてきた。

三日月湖のように弧を描いているのは、砂浜に流れ出る河川の河口の常で急なRをもって蛇行をしていた名残をそのままのこしているのだろう。

オタナイの沼

オタナイの沼

原始河川の様相をそのまま残しながらオタネ浜のすぐ脇、それでも海岸からの波からの侵食をうけずにひっそりとたたずむオタナイの沼。

オタネ浜側には5月に訪れた突然の夏日の涼を求める人たちの時間が流れていたのがここには時間の流れそのものがないかのようだった。

時をとめたオタナイ沼をあとにし車を置いた新川河口についたころには、時の象徴の太陽が真っ赤な残滓をのこし日本海へと沈んでいった。

春の海
春の海 posted by (C)ジプシー

撮影場所
小樽市銭函 オタネ浜
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 CANON EOS KISS X2

当別川と三番川の合流点(青山貯水池)~神居尻山山頂より~

当別川と三番川の合流点(青山ダム)

残雪の残る斜面の向こうにかすんで見える樺戸山地の谷あいに流れるをせき止める青山ダムによって作られた青山貯水池。

ここ神居尻山から流れ出すとの合流点もある。

神居尻山は石狩郡の当別町の町内に属しているのだが、ここの稜線をたどり樺戸山地のピンネシリまでたどり着けば空知のそれも中部地区である新十津川町へと抜けることができる。

北海道の各支庁(現振興局)の区切りはだいたいが水系とその分水嶺を元に区切られている。

だが、石狩と空知の境界の根拠がいまいち把握できていなかった。

しかし今回自宅の札幌から当別川に沿って流れる道道28号ふくろう街道をたどりここまできてみると合点がいった。

の下流で合流している当別川との両河川の流域を石狩地方としているのだ。

同じく石狩川下流域で合流している河川には、もありその流域の大部分は空知地方なのだから、その認識は違うという向きもあるだろが、元々夕張川は南幌と北広島の境界あたりで、千歳川と合流していた。その地点はが流れていることを現在でも確認できる。その流路は夕張川とあわせてすべてが空知地方であるのだ。

開拓期の舟運の要であった、江別およびその下流に位置する当別に流れている千歳・当別両河川をたどって石狩としたのだろう。

多分、開拓史などを丁寧に紐解けばすぐにわかったのだろうが、元来の不精ものの私は、ここまできてさらに神居尻山へと登る山道の中でやっとその考えにいたれた。

 

以降は、その神居尻山への山行記録を下記に示す。

スタートは道民の森・神居尻地区の学習センターの臨時駐車場から。

道民の森・神居尻地区

道民の森・神居尻地区

春紅葉が美しい。このアスファルトの車道を山に向かって歩き出ししばらくすると、林の中へと遊歩道が切られている。

道民の森遊歩道

道民の森遊歩道

三番川のそばに切られたこの遊歩道上には丁度桜が見ごろをむかえていた。

この静かな遊歩道をゆっくりとあるき、再度車道に行き当たると、

神居尻山登山口Bコース

神居尻山登山口Bコース

神居尻山Bコース登山口だ。

ここで登山届けをだして登山道へとはいっていく。

序盤は九十九折の坂道を春の息吹を感じながら穏やかに登っていく。

この日の気温は割りと高めで、まだまだ葉が茂りきっていないな林の中は日の光がどんどん射し込んでくる。

道中には里山の春の花がそこかしこにさきみだれていた。

IMG_4201IMG_4210IMG_4197IMG_4223シラネアオイ

ゴゼンタチバナ

ミヤマスミレ

カタクリ

ほかにも、エンレイソウ、ツツジ、ショウジョウバカマ、エゾエンゴサク、ニリンソウ、エゾイチゲ等々、枚挙にいとまがない。

そんな花の山をたのしみつつ歩いていくと、

標高400mあたりくらいから、

階段地獄

階段地獄

果てしのない階段の急登が始まる。

ひたすらこの階段を登っていくのだ、

稜線は目の前にみえているのだから距離はそれほどのないのだろうと登るのだが、なかなか稜線へはたどりつけない。

途中に休みどころがあり、中間点かとおもいきや、標識を見てみると登山口から800mとかいてあった。

まだ、800mしかすすんでいないのかと愕然とした。

登山道の総距離が2.7kmと短いことからこのBコースを選んだのだが、失敗だったとこのとき不覚にも思ってしまった。

この階段を少し登り足を止め、少し登りまた足を止めを繰り返し息を切らしながらのぼっていく。

夏山登山の感覚を徐々に取り戻しながらもくもくと登る。

神居尻山への稜線

神居尻山への稜線

階段の林を上りきると、やっと稜線の道へと飛び出す。

ここからは大パノラマの連続だ。

増毛山地をながめつつ

増毛山地をながめつつ

まだ芽吹かないだけかんばの隙間から雪をたたえた増毛の山々を背後に感じながら、深く切れ込んだ左右の谷をぐるっと回るように稜線は続く。

途中、途中、大小のこぶを越えていく急な坂道もある。

だが、そのこぶに乗ったあとの展望が疲れを癒してくれる。

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趣味として登山を始めて、二年目になるが、夏山での規模は小さいがダイナミックな稜線歩きは始めての体験だ。

今、写真を見返しても気分が上がる。

山頂への急登を息を切らせながらゆっくりと歩いていると道警のヘリがぐんぐんちかづいてきた。

稜線上を旋回している。

遭難者でもでたのだろうかと一抹の不安を抱えながら、急坂を登りきり、

山頂が目の前のところまでくる。

ピンネシリが見える。

ピンネシリが見える。

遠くにレーダードームを携えるピンネシリと、Aコースの稜線上に建つ非難小屋。

この風景を見たくてここまできたのだ。

高所にある小屋をみるのも始めてなので、うれしくなる。

ニコニコしながら気分よく後は山頂を踏むだけと、歩みを進めていくと、山頂には4人ほどたっていた。

どこかのパーティかとおもいつつ山頂に到着をして、そのうちの一人と挨拶を交わす。

曰く、

BコースとCコースの間辺りで羆の発見があったとのこと。

そして、

先ほどから上空を旋回している道警のヘリは、女性二人の登山客が救助要請を出したために飛んできたとのこと。

その女性客は非難小屋あたりに居ることを山頂からも確認できた。

道警ヘリは稜線を旋回し、その女性客の上空でホバリングをし女性を吊り上げ、救助作業をはじめた。

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神居尻山救助作業

 

期せずして神居尻山からの山頂写真はヘリによる救助作業の光景も写ることとなったのだ。

道警ヘリは女性二人を回収しとびさっていった。

残された山頂の3人と私を含めた4人。

件の三人にはパーティではなく、別々にのぼってきた3人だそうで、羆の知らせがあり道警ヘリが飛んでいたことで、即席のパーティを組みBコースを使って下山をするとのこと。

私も誘われた。

今回の山行用にエスビットのコンパクトストーブとモンベルのクッカーを新調し山頂で湯を温めようとおもっていたのだが、どうやらそんな悠長な雰囲気ではなくなってしまっていた。

私も即席パーティに加わることを決め、下山を開始した。

パーティのリーダー格となった男性はこの山へはよく来ているようで、私を含めた残りの三人は始めてなので、彼の指示とペースに従い進んでいった。

初めての身内以外でのパーティだ。

途中途中休みながら山談義をしつつBコースをおりていく。

登山中もそうだったのだが、Bコースには羆の気配は微塵もなかった。

春先とはいえ、昼の1時くらいの真昼間。気温も20度をこえている晴れ。人里からはなれているとはいえ、治山の工事や自衛隊の演習が入っているこの山。羆がそんな時間に活発に動くとは思えない。

でも、発見報告があり、道警ヘリも存在を確認したようなので要ることはたしかなのだろう。

まったくもって穏やかな天気の中、羆の気配に注意をしながら4人で無事に到着できた。

帰りしな道民の森の管理人氏にねぎらいの言葉を受け、4人とも思い思いに車に乗り帰路についた。

撮影場所
北海道石狩郡当別町青山奥 神居尻山山頂
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★★★
撮影機材 CANON EOS KISS X2

 

小白山名無し沼~小白山登山 その3~

小白山名無し沼

 

承前

の渡渉地点をスノーブリッヂで渡り、シールを装着。目の前には小白山へと通じる北面の支尾根の一部の沢形。GPSを確認しながら、この尾根を沢形からはなれつつ尾根へと取り付く感じで登っていく。

沢からもはられてきたので、沼があるなどとは思えない地形。それでもGPSを頼りに尾根にのったような場所にたどり着くと、突然目の前に広がる、

樹林帯の傾斜地をつめて突然広がるこの光景に「ほ~っ!」と声を上げる。

空沼岳の真簾沼を見たときの感覚に近い、いきなり訪れる開放感。

感嘆のまま、何度もシャッターを押す。

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小川の支流筋にあたるのだろうか。

先ほど訪れた、宝来沼の数倍はある広さ。夏場は人も訪れずヒッソリと森の静寂とともにあるのだろう。

しかし、美しい。

この光景を独り占めできただけでも、この山行は成功だ。

沼の東側へと移動をしながら数十分、この沼のほとりで写真をとったりみほれたりしていた。

あと、目指すのは小白山の頂上だ。主尾根への取り付きはこの沼の東側が丁度いいそうなので、登りやすそうなところを探して取り付くことにした。

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主尾根のコル状を目指し、高度あげていく。今回の山行で一番ののぼりごたえのある区間だ。

ゆっくりとあるき、主尾根へとたどりついた。

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主尾根はわりとどっしりとした幅。

傾斜はほどよく、歩く身としては、なかなか助かる。

所謂顕著な尾根という姿だ。

ただ強いて言うならば、ほかの山影がないため、強めの風が間断なくふいてきていことくらいか。

今回の山行では眺望が期待できないとおもっていたのだが、

冬の陽
札幌岳方面に開けた場所があった。これは予想外の収穫。ちょっとしたお得感をえられた。

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山頂までの広い尾根とちょっとした細尾根を雪庇に気をつけながら、

小白山山頂

小白山山頂

無事山頂へ到着。

天気は悪くはなかったが、風がつよかったので休憩もそこそこにシールをつけたまま、程よい場所まで降りる。

下山ルートは登り方向をピストンせず、尾根を反対側にすすみ、奥までつけられている林道を利用することにした。

反対側の尾根は以外と細く、雪庇の区間もあり割りと緊張をするが、程なくして広い樹林帯となる。

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風よけになりそうな場所をさがし、休憩とシールをはがす。

さて、林道を探そうかとすすんだのだが、それらしきところはなかなか見当たらず、何度もGPSを見直す。

DSC03915それっぽいところにあたりをつけて、GPSと照合しここだと確定。

気をつけなければ迷いそうな場所だ。

事前情報では、雪崩区間ありとのこと。ここからみてみてもあきらかにそれとわかるよう斜面。

デブリも少し見えている。

慎重に速やかに雪崩区間をやり過ごす。

途中、

夢のシュプール
夢のシュプール posted by (C)ジプシー

なかなかに幻想的な場所もあり、くだりでも冒険気分が味わえる。

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何度も続く雪崩箇所をなんとかやり過ごし、

宝来小屋

宝来小屋

雪に埋もれた宝来小屋に到着。

ここからは明瞭になった林道をなかなか滑らないスキーで進む。

スタートからここまでの林道区間はもしかしたら、ノーエッジのクロカンスキーが最高に楽しめるかもしれない。

そして緩く安全に到着できた。

札幌50峰 39/50 小白山(893m) GET

撮影場所
札幌市南区定山渓薄別
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★★★
撮影機材 CANON EOS KISS X2

宝来沼~小白山登山 その2~

宝来沼

承前

九十九折でから徐々に距離をとりながら標高をあげていく宝来林道。

約1.5kmほどあるくと、今回の目的の一つ、宝来沼へとたどりつく。

無雪期には、笹に覆われており気づかないこともあるというのだが、積雪期には写真をご覧のとおり沼の端まで労せず近づくことができる。

思っていたよりもそれほど広くはなく、太い針葉樹に囲まれているちょっとした雪の広場のように見える。

右端に見えるのは、これから向かおうとする小白山の尾根なのだろうか。

転じて、林道を進むとほどなくして、

宝来沢川

宝来沢川

の流れをみることができた。

この沢の水が宝来沼の水源なのだろうか。流下方向をみてみると、林道をくぐり沼へとむかっているように見える。

無雪期にその真相をたしかめたいと思う。

この宝来沢川もかなりの暴れ者のようで、この治水・治山の対象になっているとのこと。膨大な交通量を誇る国道230号線から2kmも離れていないところで、そんな人と自然のドラマがあったのかと思うと感慨深い。

少しだけここで休憩をしてから本日2つ目の目的地、小白山の名無し沼へと歩みをすすめた。

ここからの区間、当初の予定ではシールも使わず林道をたどって、易しい渡渉をおこなえば到着するつもりだったのだが、案外アドベンティブなルートとなった。

IMG_4019

宝来沼から離れややしばらくはなんの変哲もない冬の林道ツーリングをおこなっていたのだが、

気がついたら、いつのまにか

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林道が途切れ、小川の河畔まででてしまっていた。途中、GPSで確認をしてみると、トラックログが明らかに地形図の林道線からははなれていた。しかし、地形図の林道線は実際の線との差が出ることもあり、しかもその確認した地点までの道の様は道幅も広くあきらかに林道然としていた。しかし、道幅がせまくなり、道の真ん中に若木がたっているようになってきていた。おかしいとおもい道をもどってみたが、GPSの示す林道らしい道が見当たらない。きっと林道整備が追いついていないものかと思ってすのまま進むことにしたのだが、その結果がドンツキとなったのである。

どうやら作業道に迷いこんだらしい。

ここから小川を渡渉して小白山の尾根へと取り付くルートも考えられるだろうが、そうなると今回のもう一つの目的の名無し沼へは未達のまま小白山山頂へ行ってしまうので、林道にルートをもどすこととした。 GPSで確認するとそれほど林道からははなれていないし、標高差もほとんどないといってよい。しかも歩みを進める方向に進路をとっても林道に出会える。

いままでの林道歩きも飽きてきたので、丁度ドンツキの地点には小さな沢形があったので、その傾斜を利用しつつ林の中へとはいっていった。

GPSを慎重に確認しつつほどなくして、

林道合流

林道合流

林道へと合流を果たした。天気はよく不安感はまったくといって芽生えなかったが、これが雪が降っている状況だときっと不安で気持ちがなえていたことだろう。

帰りにきづいたのだが、林道からはなれてしまった地点というのは、最近たおれたであろう、白樺の木がアーチ状に道の端から端にかかっており、その上から雪がかぶっていたので、まったくの雪の壁にみえていたのだった。多分よほど注意をしていないとそこの先に道があるとはきづきはしない状態だったのだ。

無事に林道にもどった地点から約500mほど進むと今度は明確な分岐

小川渡渉への分岐

小川渡渉への分岐

分岐の右は明らかに林道。左はピンクテープがさがっている細いふみ跡の様子。

小白山へと向かう登山者はだいたいここらあたりから小川河畔へ入っている記録が多く、私もそれに習うこととして左のルートへ。

スノーブリッヂその1

スノーブリッヂその1

ちょっとした斜面を斜滑降で河畔まで降りるとスノーブリッヂが目に飛び込んでくる。

だがこのスノーブリッヂ、真ん中あたりが細くなっている。ちょっと危険を感じるのでもう少し良い場所がないものかと上流へ向かうことにした。

それほどあるかなくても、小川の川面が雪におおわれてきて、どこからでも渡れそうな気配をかもし出す。

よさそうなスノーブリッヂをみつけ、

スノーブリッヂその2

スノーブリッヂその2

ここからわたることとした。

予想はここからもそれほどきつくない傾斜とよんでいたのだが、なかなかどうして進行方向を眺めてみると結構な傾斜だった。

予定よりははやいが小川を渡渉してすぐに、

シール装着

シール装着

シールをつけた。

ここから先に沼があるようには思えない結構な傾斜になっている。沢に沿い、標高を疑心暗鬼にかせいでいった。

その3に続く。

撮影場所
札幌市南区定山渓薄別
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 CANON EOS KISS X2

沙流川冬景 「真冬の平取町ツアー『平取町モニタリングツアー』参加」

沙流川冬景

真冬、寒々としたダム湖の景色。

北海道らしい光景です。

ここは、日高の平取町の沙流川の二風谷ダムのダム湖。

この日は2月にしてはめずらしく雨模様で気温もたかかったのですが、ダム湖の湖畔に立つと、それほど体感気温はそれほど寒くはなかったのですが、ギュッと身がしまる感じがします。

きっと広々としたダム湖の水面に張られた氷とつもった白い雪。湖畔際にうっすらと見える水の色彩の妙なのでしょう。

対岸の丘もうっすらとけぶっている感じ。

撮影時間は昼ちょっとすぎくらいでしたが、早朝だともっと幻想的な風景に出会えるのではと期待が膨らみます。

 

実は、今回ここを訪れたのは、タイトルにもあるとおり、平取町のモニタリングツアーに参加をしたからです。

ツアーの内容は盛りだくさんでたのしいものでした。

詳しくは、こちらに記事がありますので、のぞいてみてください。

平取モニタリングツアーで作ったアイヌ紋様のペンダント

平取モニタリングツアーで体験作成をおこなったアイヌ紋様のペンダント

 

 

撮影場所
北海道沙流郡平取町二風谷 二風谷ダム湖
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★★★☆
撮影機材 nikon D3000

2016初日の出in支笏湖~幌平山登山道より~

2016初日の出in支笏湖~幌平山登山道より~

 

2016年 起点、に登るの初日の出です。

無事に年をこすことができ、どこで初日の出を撮影しようかと前の日まで逡巡。

おもいたったのが、支笏湖外輪の幌平山。

方角的にも丁度、紋別岳などの支笏湖東岸の山々と樽前山などの南方の山の中間あたりに陽がのぼりそうなので、適地かと判断。

スタート時間が若干おそかったため、山頂での初日の出は拝めなかったでしたが、途中の林間から対岸を望める場所で撮影成功。

なかなかいい雰囲気でとれたかと自画自賛です。

ただ、現地へは一眼ももっていったのですが、バッテリーを挿入しわすれ、予備でもっていったソニーのサイバーショットでの撮影となってしまいましたが、、、。

さて、登行記は下記の通り。

車をポロピナイの駐車場に置き、イチャンコッペ山への夏道登山口から取り付く。

イチャンコッペ山登山口

イチャンコッペ山登山口

道は明瞭。かなりな人が入っているようで、ふみ跡もしっかり固められつぼ足で充分。

最初の取り付きの急登をのぼっていっている途中で段々と明るくなってきて、そして、程よいポイントがあったので、樹幹のフレームよろしく今年の日の出の写真にしました。

なんどもなんども、シャッターを押し、2箇所ほど場所を換え初日の出撮影に粘ったあとは、幌平山へと登ることにしました。

太陽が昇ると、薄い青につつまれていた空気も

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徐々に色を取り戻し、朝日の祝福を受けたすばらしい色合いを見せてくれます。

DSC03816

丁度そんなタイミングで、イチャンコッペ山との分岐のコルにたどりつき、ふみ跡は右のイチャンコッペ山へと続いていますが、私は、左の幌平山への尾根へと登っていきます。

幌平山への尾根

幌平山への尾根

ふみ跡はあるものの、それほどかたまっておらず軽く埋まりながら幌平山の稜線をあるいていると、そこかしこですばらしい景色を望むことができました。

DSC03820

遠くには太平洋が支笏湖の外輪越しに朝日に輝いています。目を凝らせば港に停泊している船も見えるくらいでした。

すばらしい!!

こんな景色を見ながら歩けるなんて!

しかもお気軽に!

支笏湖の景色に見とれながらやや急な斜面をのぼつめると目の前には、

恵庭岳

恵庭岳

恵庭岳が新年の挨拶をしてくれました。

あまりにもかっこいいその姿にみほれてどんどんあるいていっていたらいつのまにか、ピークをすぎていたらしく、山頂標識を途中でみつけもどることに。

幌平山山頂

幌平山山頂

去年にひきつづき、小雪からはじまり、朝日が雲間から、でもしっかりはっきりと青空をしたげてくれた2016年。

今年も努力をして良い年にしていきたいと思います。

撮影場所 北海道千歳市幌美内
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★★★
撮影機材 sony DSC-W170

 

オタルナイ湖(朝里ダム)朝里川~朝里天狗岳より~

オタルナイ湖(朝里ダム)朝里川~朝里天狗岳より~

前回のエントリーの魚留の滝から道道1号線を挟んだ反対側の山、朝里天狗岳から眺めるに敷設された朝里ダムと朝里の街並とその背後に広がる日本海。

なかなかの美景を望めるので人気の山なのだろうか、ここに登ったときスライドしたのはかなりの人数でした。ひっきりになしに登山客が入れ替わり立ち代りやってきます。

紅葉も落ち、標高の高めの山には雪も積もり始めるこの時期、ほどよい低山に皆さんがやってきているのでしょうか。

ところで、今回の写真テーマの朝里ダムのダム湖は朝里ダム完成時に公募にて「オタルナイ湖」と名づけられたとのこと。

この「オタルナイ」という名称、実はこの公募によった命名以前はややしばらく小樽市からは失われていた名前なのです。

朝里峠を越えて札幌方には道道1号線に沿って、そして定山渓ダムによって形成された「さっぽろ湖」を形作っているが流れていますが、そこは札幌市の市域ですし、この朝里ダムに流れる川は朝里川です。

オタルナイ

その語感から小樽の名所の由来となったアイヌ語であることは想像に易いでしょうし、実際その通りです。

しかし、現在の小樽市にはオタルナイの名前を冠しているのは、ここ以外はの河口付近にある廃橋の小樽内橋くらいではないでしょうか。

ただし、この小樽内橋付近が小樽の名前の由来である、「オタ・オル・ナイ」(砂浜の中の川)そのものなのです。

では、新川がそのオタ・オル・ナイかというとそうではなく、が星置扇状地の終りから砂丘域になる地点(現在の星観緑地付近)から現在の新川河口付近まで徐々に砂浜の中を北上していく流路をオタルナイ川として呼称されており、この地域に松前藩によるオタルナイ場所が開かれたのでした。その後小樽の中心地は西進し現在の小樽市中心部にうつしオタルナイの呼称もそれについて周り、オタルと変遷し現在の小樽市の市名の由来となったのでした。

オタルナイ川と呼ばれた星置川下流域は、河川切り替えににより、銭函方面の現在のへと流路を変え、残された旧流路はと名前を変えられ、残された小樽内集落は昭和60年代ころには人が離れ、それ以降はオタルナイの名称は小樽から一時期失われることとなったのでした。(ただし、現在の新川右岸域はオタネ浜と名称されており、その名残をわずかながら残されているが。)

そんな変遷のある小樽市中のオタルナイという呼称が、海も砂浜もない山間部のダム湖に名づけられ復活を遂げたのでした。

このダム湖を含めた景観をみるためのルートは以下の通りとなります。(魚留の滝へのGPSトラックも併記されています。)


魚留の滝のバス停跡から数百メートル朝里峠側に進んだあたりにある駐車スペースに車を止め、

朝里天狗岳登山口

朝里天狗岳登山口

魚留の滝への入り口と反対側に朝里天狗岳の登山口があります。

ここから送電線下の管理道を急斜面に驚きながら登っていきます。

送電線下管理道の様子

送電線下管理道の様子

所によっては濃い根まがり竹の笹薮が道の横に生い茂る場所なんかもあり、あぁ、深い山の中なんだなという気分にさせてくれます。

DSC_0283管理道はいったん沢形におりてゆき、ご覧のような優美な沢を見ることになります。

根まがり竹の笹薮の中の刈りわけ道を進んだ割には、抜けのいい程よい水量と川幅の渓流をみることができ、うれしい誤算でした。

ここからまだまだ管理道をすすみ送電線の鉄塔を3本ほどくぐったあたりで、

天狗岳への登山路入り口

天狗岳への登山路入り口

木に赤ペンキでかかれた天狗岳の文字。

これに従い若干藪っぽい道を進んでいきます。この時期は草草の勢いもなく見通しの良い道となりますが、繁茂期だとかなり草がうるさい感じの道なのではないでしょうか。

ここからはそれほどきゅうな傾斜はありませんでしたが、2つ目の大きな沢を

二つ目の沢

二つ目の沢

わたったあたりから、道の脇の潅木の感覚も狭くなり、傾斜も付いてきます。

頂上への取り付き

頂上への取り付き

これまた繁茂期は先ほどより草がうるさそうです。

そうこうしているうちに、

頂上直下

頂上直下

頂上直下の岩稜基部にたどりつきます。あまり難しくない岩場をペンキでかかれた指示マークにそっていくと、

朝里天狗岳山頂

朝里天狗岳山頂

山頂へと飛び出します。

ここからは、朝里峠方面がよく見え、

朝里岳

朝里岳

雪をたたえた朝里岳が冬の到来を感じさせてくれます。

この朝里天狗岳、ここがクライマックスではありません。頂上から北方にピンクテープと踏み跡。その先から登山者たちの歓談の声。それに従い私も踏み分けに突入します。

展望台への道

展望台への道

先ほどよりももっと狭く低くなった道?を進むと冒頭の絶景ポイントへと到着するのでした。

そこで何枚も何枚も写真をとり、さらに昼食をとり、一服をつけ、山頂儀式をたのしみました。

この日は山頂付近でとどまっていると標高683mの山です。肌寒くなったので、セーターを着込んだのはいうまでもありませんでした。

そういえば、今回の山行、、妙に足がふらついていました。いつもとちがった点は靴をキャラバンスタンダード、ザックには魚留の滝を取るために底面にくくりつけた三脚くらいだったのですが、どうやらこの三脚が腰下重量を増大させ、あるくたびにぶらぶらと揺れたのが原因だったのでしょう。

帰りは三脚をザック下にくくるのではなく、ザック背面の紐に三脚をくくりつけてあるいてみると、若干の不安定さはあったものの、かなりいい感じで歩行することができました。

腰下への気遣いが非常に重要であることと知った山行なのでした。

撮影場所  小樽市 朝里天狗岳より
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★★☆
撮影機材 NIKON D3000