ポンナイ川河口(旧花畔銭函間運河)~春香山登山~

ポンナイ川河口(旧銭函花畔間運河)
以前、星置川と山口運河・ポンナイ川の分流点のエントリーで紹介した、の河口へといってみました。

このポンナイ川は花畔銭函間運河として開削された流路ということは以前のエントリーで紹介したとおり。ただ件の運河はもっと西よりで日本海に出合っていましたが、その出合いの河川は現在はとして命名されています。これはこの運河が現在の小樽市銭函2丁目50−30あたりで二股にわかれ、現在の谷地川方面と、現在のポンナイ川河口へとそれぞれ流れを分けていたからです。

この河口、現在は、ヨットハーバーのために使われているようにみえますが、開拓期には、ここを海から直接札幌・石狩方面へ運上船で舟運をするために作られていった経緯があります。現在も船(ヨット) のために使われているので、その役割を100年以上変わらず果たしている運河ともいえるのでしょうね。

で、今回は銭函までいったので、札幌50峰の一つ春香山へと登ってみます。

ルートは以下の通り。

スタートは桂岡の住宅地の端。そこに春香山登山口の看板があります。住宅地のど真ん中なので、車の止め場所にこまりました。丁度そばにこ住宅地の方がいたので、春香山に登る人たちってどこに車をとめているのでしょうかと尋ねたところ、登山口のそばに止めてもいいんだよとのことでした。今回は他の車がいなかったので余裕でとめることができましたが、もし他の登山客がいたらこの場所への駐車が難しそうです。

準備をして、登山道へとはいっていきます。道はかなり綺麗に整備された登山道。草かぶりもなく、とても歩きやすい道でした。

途中

桂春橋跡

桂春橋跡

小さな沢を渡るための橋(桂春橋と書いていました。)が崩落した地点でちょっとしたロープが設置されていて、小沢を渡渉をしていきます。

程よい傾斜で、銭函川の沢音をききながら気持ちのいい登山道をあるいていくと、

分岐?

分岐?

明瞭な二股の道が現れます。

どうやら、左に行くと林道へ、右に行くとまだ山道といったようです。林道がみえたので左に進路をとったのですが、GEOGRAPHICAで確認すると、登山道は右側の道。一旦戻って右側の山道を歩くこととしました。林の中のほうが若干涼しいかなって期待をこめてです。

だけど、程なくして道は、

下土場

下土場

下土場と呼ばれる、ちょっとした広場にたどり着き、先ほどの林道と合流するのでしたW

ここからはちょっとした林道歩きとなります。

林道から着た方向を振り返る。

林道から着た方向を振り返る。

今日の天気は午前中は晴れ。気温は小樽で26度くらい午後15時くらいから雨とのことでした。山の中に入るとさすがに雲が垂れ込めています。今回の山行の目的の一つに春香山山頂付近からの石狩湾の撮影をかんがえていたのですが、この時点でかなりあきらめムードとなりました。ただ、ここまで行程の1/3、ほんの少しの晴れ間でもいいからと、そんな奇跡を胸に秘め、時折垣間見える青空を心の糧に登ることとします。

林道をテクテク歩いていくと、

コース分岐

コース分岐

林道コースと登山道コースの分岐看板がでてきます。みてみると「らくちん林道」とかいているじゃありませんか。去年から山行30を超えてはいるのですが、あいも変わらず登坂が苦手でヒーコラいってしまう私は迷わず林道コースを選択です。

でも、、、

すぐに、、、

林道コース終点。 登山路へ。

林道コース終点。
登山路へ。

林道コースは終りとなり、登山路へと入るのでした、、、。
全然楽できませんでした、、、。

いままでは、沢地形の登山道でしたので、それほど急な坂はなかったのですが、ここからは、銭函峠への尾根へとりつき400m・500m・600mと標高を上げていいきます。まぁ、急な斜面も増えてくるわけです。しかも所々片方の草が多いかぶさる方斜面のトラバース道になったり、草に覆われた急斜面があったりと、いままでの整備されていた道とはちがう、普通の登山道としての顔を覗かせてきます。概ね綺麗に整備された道ではあるのですが、、。

そして、標高600mまで高度を上げると、

土場

土場

土場と呼ばれる、ベンチのある広場につきます。このあたりまで来るとだいたい行程の2/3です。ベンチに腰かけて、一旦荷物を解き、大目の休憩をとります。このとき、iphoneの天気予報をみてみると、札幌・小樽とも雷雨のマークと表示が、、、。

あわてて空をみてみると、あいも変わらず厚い雲とたまに覗く青い空、、、。

雨具はもってきていますが、この気温だと雨具を着ると確実に脱水気味になってしまうし、、、。

とりあえず、いけるところまで晴れ仕様の装備でいくことにします。いよいよになったら銀嶺荘に飛び込めばいいやと思いつつ。

土場をあとにして銭函峠までの尾根道は結構な斜面が続いていきます。

標高650mあたりから明らかに雲の中に突入しました。気温が低めになったのでしょうか。先ほどまでの蒸し暑さから解放されて若干行動しやすくはなりましたが、この坂の傾斜には貧脚の私はやられまくります。しかも先ほどみた雷雨マークのおかげで気分もあがりません。孝か不幸か、熊鈴をなくしてしまっていたので、耳をすませながら雨の気配を探りつつ歩いていきます。

そういえば、このあたりで煩かった蝉の声も聞えなくなり虻や蚊の襲来もへってきました。虫除けスプレーを忘れていったので、とてもたすかったのですが、、、。

そんなこんなで休み休みのぼっていって、

銭函峠

銭函峠

やっと定山渓春香沢コースとの合流点へとたどりつきました。

ここまで来ると台地上の道になり、しっとりとした雲の中、気温もそれほど蒸し暑くなく、気分よくあるいていくことができました。道路状況も綺麗に整備されているので、とても歩きやすい道でした。

いい気分であるいていくと、

銀嶺荘

銀嶺荘

春香山の代名詞、銀嶺荘が現れます。休憩400円とのこと、初めての山小屋体験もいいかなともおもったのですが、ここでまったりし時間を使っちゃうと雨のリスクが高くなりそうで、そそくさと山頂へと向かうこととします。

林道をわたる川

林道をわたる川

銀嶺荘横には立派な林道がはしっていました。定山渓方面へとつながる林道なのかな??途中この林道を寸断するかのように、川がながれています。これって銭函側と定山渓側のどちら側にながれていくのかな??なんて考えながら100mほど進むと、核心の

春香山への登山道入り口

春香山への登山道入り口

頂上への登山道入り口です。

最初こそ、先ほどまで通ってきた登山道と同じ雰囲気だったのですが、ほどなくして、道に水がながれてきて、ちょっとした沢のようになりはじめます。まぁ、これも楽しいかなとかとおもいつつ、のぼっていくと、水がなくなり次は、

笹かぶり

笹かぶり

笹かぶりの道となります。

まぁ、これくらいはね、、、、。

経験したことあるしね、、、。

と思って進むと、

急斜面・方斜面のトラバースがあらわれ、しかもその両方ともに笹かぶり&倒木祭り&刈り払いの笹の茎が路外の斜面へといざなう道となり始めます。

ワ・ワ・ワイルドです、、、。

ガイド本には、家族連れも沢山登る山とかいていましたが、、、。

おもった以上にワイルドでした。

山頂登山道から銀嶺荘を望む。

山頂登山道から銀嶺荘を望む。

途中、視界が開けてた場所からは、かなたの眺望は見ることができず、かろうじて銀嶺荘の赤い屋根をみるにとどまりました。

もうすぐ頂上なので石狩湾の写真はあきらめました。タムロンの70ー300を装着したNIKON D3000がただの重りと確定した悲しい瞬間です、、。

ちぇ~っとおもいつつワイルドな登山道をあるくと、

ロープ場

ロープ場

ロープ場の登場となります。

難所との紹介文を見ることがありますが、ここのロープ場は楽しいね。

それよりも、藪漕ぎ並みのいままでの道が難所でしたよ。

ここをこえると傾斜が緩み、

すぐに、

春香山山頂

春香山山頂

山頂へ到着です。ここで、いつもの山頂儀式です。一服・お昼ご飯・生着替え。
時間をこんな風につぶしても、結局どんどん雲がせまってきて、結局

山頂眺望はなし。

山頂眺望はなし。

山頂からの眺望はなにも見えない状態でした、、。

あきらめて帰ることにしましたが、山頂を離れてすぐに、遠くで雷がなりはじめました。

帰りに銀嶺荘によろうかとおもいましたが、やめてそそくさとおりることにしました。

途中、2箇所ほど分岐を登路と変えておりてきました。

駐車地点まで戻って着たときも、ずっと雷はきこえてきましたが、雨は降らず、ずぶぬれにならずにすみました。

ただ、下山中、2度ほどしりもちをつきました、、、。

靴のグリップがやはり不安ですね~~。

札幌50峰 31/50座 春香山(906.7m) GET。

撮影場所 小樽市銭函2丁目36−33
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 SIGMA DP2

星置旧川道を歩く 星観緑地から星置南4丁目

星置川旧川道を歩く

ここ最近4エントリーは星観緑地近辺の川の合流点を掲載してきましたが、今回のエントリーはその締めくくりです。この星観緑地の西縁は札幌市と小樽市の境界となっています。市区町村の境界ってのは概して川の跡であることが多く、この小樽・札幌間の境界も間違いなくの旧流路であることが、今昔MAPの1916年の地図を見ても確認とれました。


そこで、折角なので、歩いてみようとバウと一緒にでかけていたのでした。

そのGPSの記録を下記にしるします。

では、歩行記をスタートします。

スタート

スタート

スタートは、起点の対岸からです。境界なので、写真にも少しうつっていますが、境界を示す紅白のポールがたっていましたので、そこを目印に歩いていきます。小樽側は行き捨て場になっていて、うずたかく雪がつまれていましたが、札幌側はすっかり雪が消えて畑の準備が始まりそうな感じでした。

星観緑地入り口

星観緑地入り口

そこから畑の縁沿いに歩くと、下手稲通りにぶつかり、星観緑地へと入っていきます。小樽側に目を向けると、であろうくぼ地も目にはいります。

ポンナイ川との境

ポンナイ川との境

この写真でみると左側に伸びるくぼ地が星置川の旧流路で右側のコンクリの構造物の先がポンナイ川の流路になります。

進行方向はもちろん、星観緑地の中へなのですが、この緑地の縁はちょっとした林になっており、融雪直後のため緑地の境界をしめる木の塀は所々倒れています。きっとこれから公園管理の人たちがいろいろと整備をしていくのでしょうね。景観的には殺伐とした景観がつづきます。ただ、この時期は藪はそだっていないので、苦労せず歩みを進めることができます。所々にイタドリが倒木のように地面に覆いかぶさっている場所もありましたので、そのあたりは少しだけ歩くのは難儀でした。

 

IMG_1919IMG_1924

この星観緑地の縁にはご覧のように塀と排水溝が終始ガイドのように存在しているので、これにそうように緑地内を散歩していきます。この散歩の間早めの時間でもあったので、緑地内では人に合うことはありませんでしたが、もし他の人が私たちの歩いている姿をみたら、なんて物好きなやつが歩いているんだと、おもったことでしょう。林の中に春をすこしずつ感じながら緑地内を縦断すると、今度は、ほしみ駅前通りにつきあたります。そこで撮ったのがTOPの写真になります。写真に写っている川はです。キライチ川はここからJRの線路を越えるまでは、星置川の旧流路をたどっています。境界線は鉄橋を渡ったあたりで、東南の方向に進んでいます。と、言うことは星置川とキライチ川の旧合流点は丁度鉄橋の下辺りだったのではという想像がつきます。

このキライチ側の堤防をたどって線路の向こう側にでようと、当初は計画していたのですが、どうやら堤防は線路下をくぐっていません。これはしょうがないと一旦GPSのトラックを止め、迂回をしていきます。線路の反対側には星観緑地はないので、あとは地図を見ながら境界線をたどることとなります。

線路の反対側にでたあたりで地図をたよりにをみまわしてみると、

良い感じの土管

良い感じの土管

排水溝が良い感じの土管を通ってキライチ川に流れ込むポイントを発見しました。川の跡って言うのはなにやら法律で構造物の建造が規制されていると読んだ覚えがあります。きっとこの排水溝にそって歩けばとしっかりとしたログがとれるのではと、トラックログを再開いたしました。

ちょうどほしみ駅を見渡せるポイントまででたので、撮り鉄をしながら、

ほしみ駅

ほしみ駅

東側をみてみると、良い感じに屈曲した道を見つけることができました。

DSC_0017DSC_0018

しっかりと排水溝もあり、これはあきらかに境界線であり星置川の旧流路であることがわかります。

写真にもうつっていますが、どうやら私有地を示すロープが木にそってはっていました。その左の小さな土手の上にはアルミの柵もみることができます。でもその柵とロープの合間は共有地になるのでしょう。ということでこのルートは土手の傾斜を通っていきます。星観緑地内もそうでしたが、今回の星置川の探索ルートはなかなかアドベンチャーなルートだなと思いながらこの土手を通りすぎると。

DSC_0020

ほしみ駅への道路にでてきます。この道路の反対側をみてみるとまた良い感じでどうろが湾曲しています。これはあきらかに川の跡の道ではないでしょうか。うきうきしちゃいますね。

道の両側は民地なのでしょうから不法侵入にならないように道路の真ん中をしっかりと歩いてゆくと、星置川の堤防がみえてきます。

DSC_0021

川跡らしき平地を探しGPSトラックを作っていこうと歩き星置川の堤防に上りゴールとしました。

DSC_0023

堤防に上がってから国道5号線方面に目をむけ星置川の上流をみてみると、星置川が谷間を作ってながれてくるのが見る事ができます。

あの谷間あたりが星置扇状地の始まりになるのでしょう。きっと昔のアイヌはこの先を川に沿いながら手稲山へのぼっていったのかなと、おもいつつ帰路についたのでした。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星観緑地~星置南4丁目
アプローチ難度 ★★☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 NIKON D3000 / CANON EOS X2

星置川と山口運河・ポンナイ川の分流点

星置川と山口運河・ポンナイ川の分流点

今回訪れたこの場所、札幌・小樽・石狩の地史上かなり重要なポイントの地点なのですが、それなのに、この閑散っぷりと景観の残念っぷり、、、、1周まわらないとその深みがわからないマニアックな秘境感たっぷりの場所なのです。

ここはどこかというと、札幌の西端手稲区星置と、小樽の東端銭函の境を流れるにかかる星函橋付近の、
へとその水をわける地点なのです。

まずは、いつもの通り今昔MAPさんで1916年の地図を、、

まずは、中央を流れる星置川。

現在はこのまま直線的に北上し、ドリームビーチと銭函サンセットビーチを分かちつつ河口を形成しているのですが、以前は、この地点でポンナイ川の川道ともう少しだけ上流の現在の谷地川の流路をたどって銭函の市街地で河口をつくっていました。それは、1916年の地図の「新川」と「運河」の表記をたどっていただければみることができるでしょう。新川・運河とくればさらにその直線的な流路をみれば、人工的に開削されたものとすぐに判断がつきます。では、それ以前はというと、1916年の地図では運河の先は点線になっており、小樽との境界線をつくりつつその点線をたどると50Mほどでというように表記され、現在の河口付近まで流れています。実はこれが開拓初期の星置川の流路なのです。このころの清川の河口付近の浜をオタネ浜といい小樽内とよばれた集落もあったのこと。それ以前は江戸期の松前藩によってここに小樽内場所を設け道央圏の拠点として存在していたとのこと。

次に、対岸に見える樋門から流れ出すと手前の樋門から流れ出す

この両河川とも、1916年の地図でもわかるとおり、銭函市街地から手稲を経由し前田を経由し石狩の花畔の(現・)まで貫通する一大運河の銭函・花畔間運河だったのです。この運河は鉄道が敷設された1916年の地図でもしっかりとそのしるしをつけています。1936年ころにはこの銭函・花畔間運河と新川を中心に、銭函に港を、現在の札幌新道と新川が交わる地点に札幌市街地への物資拠点を、花畔地区に石狩川の舟運を利用した拠点をといった、小樽・札幌・石狩を結ぶ一大運河計画もあったそうです、その後第2次世界大戦後しばらくしてもその舟運の要として重要性を保持していており、この銭函・花畔間運河を改造した運河計画ももちあがったほどです。その後陸運の発展とともにその計画はついえたようですが、現在のこの銭函・花畔運河の北部岸以降をみてみると、都市化にはいたらず様々な物流の拠点が点在しているのはそのころの計画の名残なのでしょうか。まぁ、砂丘地帯なので農作にあまり向かない地域であったのものその理由かもしれまんが、、、。ただこの一大運河計画、現在の国道337号線がその任を受け継いでしかも空路の千歳までその脈路をもって陸運の要となっていることを考えると、この一大運河計画まったく絵に描いたもちで終っているわけではなさそうですね。

ちなみ今昔MAPで確認をすると昭和51年の地図まではポンナイ川の表記はなく、平成9年の地図でやっとポンナイ川の表記となっていました。このポンナイという語感あきらかにアイヌ語由来なのですが、このような経緯からどうもこの川を地元のアイヌがポンナイとよんでいたようにはおもえません。第一に平成にはいってから星置地区にアイヌの集落があったとはおもえませんし、それにポン・ナイ(小さい・川/小さな沢)という言葉、アイヌと倭人が協業していたとしても明治30年には銭函・花畔運河が開通しており、多分それ以前から開削工事はおこなれていたので、それをポンナイと呼ぶにはいささか疑問が残る。唯一の可能性としては、ここに星置川が作った扇状地に湧く湧水がありそこからながれでる沢があり、それがポンナイとよばれており、その流れを利用したのが銭函からの運河であった。という推論なのだが、どうだろう。

いずれにせよ、このなにやらわびしいたたずまいのこの両河川に、こんな壮大な歴史妄想を語れるパワーが実はあったのでした。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星函橋
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 Canon EOS KISS X2