小樽内川と奥手稲の沢川(夕日沢)の合流点: 股下山山名考

小樽内川と奥手稲の沢川の合流点

最近私がちょいちょい山に登り、その山行をこのブログにアップロードをしていますが、そのエントリーのほとんどに着けているタグというのは、さっぽろ文庫という札幌市教育委員会編の本のシリーズで、その中の48巻目「札幌の山々」の中の札幌の山・50峰で記載されている山を元にしています。そして今回登った股下山も、その中にふくまれています。

その紹介文から股下山の項を少し引用をすると、

いかにも怪しげで、いわくのありそうな山名であるが、何のことはない、この山の北方約1kmのあたりで、が大きい支流・春香沢との広い二股を作っているため「二股の下」にある山という意味名付けられたという。何故かがっかりした人はいませんか

とあります。

インターネットを見てみると、色んな方のブログで股下山に関してはこの文が紹介されています。

で、川好きの私はこの言説をみるなり当然のごとく地図をみてみるわけですね。

上に貼ったグーグルマップで解説しますと、股下山は表示があるのでお分かりかとおもいます。そして、札幌文庫に記載されていた、小樽内川と春香沢の合流点は、オレンジのマーカーのポイントになります。

ん??

二股の下ってことは地図上で南を指すのはわかりますが、記述どおり小樽内川と春香沢川の合流点(オレンジのマーカー)から股下山山頂までは離れすぎていないかい? 直線にしても約4kmはあります。多めに見て、山頂ではなく、山が始まりそうな場所、北東尾根と現在の道道1号線がぶつかる場所からも約2kmくらいはあります。

ん? ん?

昔の記述だからといって、そんな大きな誤差は、、、

と、地図をもう一回眺めると、今度はすぐそばに、それこそ股下山の山頂から約1.6km、この山の一番眺望が開ける偽ピークあたりから計ると、約1kmの地点に 前回のエントリーで紹介をした、小樽内川と朝里岳沢川の合流点がありました。

おっ!!これならば条件にあいそう!!

しかも、朝里岳沢川に道道1号をわたす秩父橋の欄干には小樽内川と書いてあります。ってことは現在朝里岳沢川は以前は小樽内川と認識されており、現在の小樽内川が、昔は春香沢と呼ばれていたとしたら、、、、

うんうん、

前回載せた写真でも見てわかるとおり、両河川ともそこそこの川幅を持っています。小樽内川は春香山方面からながれてきていますし、ここに道を開削した時点では、現在の朝里岳沢川を小樽内川として、これにそって道を開削していったとしたらその命名もうなずけます。

おおーー、これは条件にびったりと合うのではないでしょうか!!

と、思いはしましたが、さっぽろ文庫の記述には、「広い二股をつくり」との文面が、、、。

地図をみてみると、お世辞にも、広いと表現できるような二股にはなっていません。でも、いってみたら以外に広い光景があるかもと思って、実地にいってみはしましたが、、。

そんな期待は裏切られました。道道1号から朝里岳沢川へとたどる途中約100Mもないの河畔地帯のほうがよっぽど広く感じるくらいです。そしてそんな気持ちをもちながら股下山へと登っていったのです。(山行は前回のエントリーを参照してください)

それでも、山頂をふみ下山をするまでは80%その説でブログを書こうともおもっていましたが、下山途中偽ピークから北東方面を見てみると、

おやおやおや、、、

目の前に広がってきたのは、左側春香山をスタートとしたような切れ込んだ地形と、右側奥手稲山とつげ山の間を縫ってくるような切れ込みが、丁度春香小屋のちょっと奥辺りで、落ち合っているではありませんか。(TOPの写真がその写真です。地図のマーカーは青です。)

おーーーー??!!

しかも山体にはなっていますが、二つの切れ込みはかなり広い地形となっています、地形図をみてみると、その広さもしっかりとしたものと認識できる幅を誇っています。 切れ込みには川が流れているのは当然です!って、ことでちょっとみてみると、春香山方面の切れ込みには小樽内川、奥手稲山方面の切れ込みにながれている川はとあります。この写真を撮ったところからは約1.5kmの距離。そして、何よりもこの偽ピークにたってながめてみると、広い二股の下方向にいるということが実感できます。

もしや、もしや、

先人はこの場所からこの風景を見て、二股の下の山「股下山」と名付けたのでは??

札幌文庫の記述は、小樽内川と春香沢の二股の下とありましたが、このあたりは沢が沢山あります、どれがどの沢名になっていたかも確定されていなかった頃に大きな二股の下にある山として認識されていたとしたら。あながち今回ぶち上げた私の持論も間違いではないのではないかなと、股下山からほくそ笑んで下りてきたのでした。

撮影場所 北海道札幌市南区定山渓 股下山
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材  NIKON D3000

 

 

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