白井川と湯の沢川(白井川支流)の合流点~南岳登山~
湯の沢川。
全国各地でよく目にする川の名前。 この名前を持つ河川は札幌市内でも複数ある。
大抵はその名のとおり、温泉がそばにある川の場合が多いのだが、今回訪れた定山渓豊羽地区で白井川に合わせられる、湯の沢川(白井川支流)もその例に漏れないようだ。
今回この白井川と湯の沢川の合流点から程近い白井川にかかる山鳥橋を渡り、道道95号線の対岸にある、札幌50峰の一つの南岳を目指していったのだが、この道中の前半では硫黄の匂いが終始していた。
はたしてインターネットで調べてみると、湯の沢川の上流には
地熱変質作用により形成された変質帯があり、蛋白石化、黄鉄鉱化、昇華硫黄の形成がみられ、昇華硫黄のみられるところでは、硫化水素臭をもったガスと冷鉱泉の湧出がみられる。
とのこと。
また、この地質を変性させた地熱を利用し地熱発電に利用できるかどうかの調査もおこなわれているとのこと。
なるほど、名前に偽りはない。
元来、定山渓周辺の豊平川には川床から高温の温泉が自然湧出している。
定山渓近辺には大きな活火山はないのだが、地熱が非常に高い地域があるのだ。
そんな発見をできるのも、実際に川の場所までいって撮影をして感じられることだと、うれしい気持ちになる。
そんなちょっとした喜びを胸に、前述のとおり南岳へ登路のレポートを下記に記す。
スタートは
白井川にかかる山鳥橋の向かいに車を止め、ここからスタートとする。
この日の天気予報は晴れ間もありそうだったのだが、残念ながらご覧のとおり、霧に包まれたスタートとなった。
今回のルートは山鳥橋を渡ったあと右側に伸びている山鳥峰林道を最後まで詰め、そこから南岳の主尾根の稜線歩きを楽しもうと計画した。
道具は、いつものロシニョールBC110&スカルパT4のテレマークスキー。
春になり気温が高いし、ルートも割りとなだらかな傾斜が多いようなので、今回の最大の目標としては最後までシールをつけずスキーのうろこだけを頼りに登っていこうとおもった。
この林道。地形図からも予想していたが、林道の割には傾斜が強い。これは帰りのスキーが楽しめそうだ。
傾斜が強いとは言え、それは林道レベルだし若干圧雪気味の路面状況ではあるが、雪温も高いのでウロコがよく効く。
途中林道の分岐もあるがスノーモービルのトレースが見事についている山鳥峰林道の本線を迷わず歩いていく。
さらにつぼ足の方々が歩く尾根へ取り付くポイントが現れるが、私はかまわずそれを無視し林道をどんどんつめる。
南岳の主尾根の一部まで林道がきられていてここからはトレースはほとんどなくなり、雪質も所々に湿った雪の層が現れる。
この雪の層に乗るとスキーがいきなり重くなる。これが所謂ストップ雪といわれるものだろうか。
林道をつめ切ると、
今回のルート上最大の核心である、急な細尾根が現れる。
この区間の距離は地形図をみてみると直線距離にして約200m。標高差は約50m強
ここを過ぎればわりと緩やかな尾根歩きとなるはずだ。
シールをつけずにジグザグを切って登っていく。急傾斜のステップターンは最初はとまどったが、ゆっくりと落ち着いてこの難所をクリアしていく。
この急傾斜をのぼりきると、予想通り緩やかな稜線歩きがまっていた。
天気が悪いのとストップ雪が出てくる重い雪質が残念だが、ウロコ板で歩くには最高のロケーションだ。
ここからは、ジオグラフィカの地形図をみながら、この極楽尾根の所々に現れるコブをつないで、南岳の山頂を目指すこととする。
まずは急傾斜を過ぎてすぐに現れる、811m標高点。
ひとつめのコブをクリアしたことで俄然やる気がでてくるものだ。尾根はゆるやか、気温が高いとはいえ暑さでばてるような気温ではない。いままで山歩きをしたなかでは最高にお気楽気分の極楽尾根だ。
co811を過ぎちょっとしたコブを巻いて歩くとそれまで割りと込んでいた樹林もすっかりまばらになり始めオープンバーンが目に入る、雪のいいときだと初心者にとっては最高の斜面になると思われる斜面だ。
この斜面のTOPが山鳥峰。三等三角点だ。
このあたりで歩いているばしょに日があたった。今回の山行中唯一の晴れ間だった。
しかし、周りは雲に包まれ眺望をえられなかった。
この山鳥峰を乗り越し、一旦コル状のところまで下降する。
初心者にとっては丁度よい距離の直滑降斜面。
喜び勇んで、スキーを滑らせる。
しかし、
快調に飛ばせたのは最初の一瞬。
斜面の終り近くで、いきなりストップ雪に板をつかまれ前にほうりだされた。
頭から見事に着地だ。
テレマークスキーってのは頭から転ぶとはよくきいていたのだが、今回初めてそれを経験した。
こんなにも見事に、豪快に、頭から飛びこむものなのだと驚きもした。
気を取り直し、次に待ち受けたコブを登りまた下降しようとスキーを滑らせると、
またもや同じように頭から突っ込む。
どうやら、足をそろえての直滑降だと私は前に重心が偏重しているようなのだろう。
これは気をつけなければ。
次の滑降時にはテレマーク姿勢で直滑降しようと心に誓う。
そんなことをおもいながら、歩みをすすめ、
937m標高点へと到着。
いままでの標高点とはピンクリボンなんかがぶらさげられていたのが、ここはあっさりとしてものだった。
ここからは、あとは山頂へともうひといき。
のぼり易そうな場所を探しながら、
ゆっくりと、
南岳山頂を踏むことができた。
いままでの山スキー山行の中で始めてのウロコのみでの山頂踏破だ。
シールの脱着は必要ないのだが、この雪質だと下山時にワックスが必要と判断し、スキーを脱ぎワックスをつけついでにちょっと一息をして、下山とした。
下山時は、
予想通りストップ雪にスキーは進まない。
しかし、さっきの経験を活かし、直滑降でもテレマークスタイルを維持し、ゆっくりとすべる。
テレマークスタイルは前後への重心バランスが非常に安定するものだ。
いきなり頭から突っ込むことはなくなった。
しかし、雪質が重いのでターンを楽しめる局面は数箇所くらいだった。
それでも初心者の私にとってはとても楽しい山スキーだ。
ゲレンデ以外で初めてテレマークターンもすることができた。
最大の難所の急斜面はびびりながらもへなへななターンでおりてきて、林道出合いに到着。
最初の予想通り、今回一番スピードがでてスキーで滑った感覚はこの林道区間であった。
GPSの標高ログをみてみても、この区間が一番傾斜がある。
気分よくスキーをすべらせ。
のぼりの半分の時間で到着とあいなった。
札幌50峰 43/50 南岳(982.9m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓豊羽 湯ノ沢橋
|
アプローチ難度 | ★★☆☆☆ |
景観 | ★★★★☆ |
撮影機材 | NIKON D3000 |
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