白井川と胡桃沢川の合流点~長尾山登山~
4月に入ると札幌の豪雪地帯豊羽地区でも雪解けが進んでくる。
道道95線に沿って流れる白井川は定山渓西部の山間を深い谷をつくっている、特に道路がつけられていない左岸は雪解けのこの時期、雪つきの悪い崖面がご覧のように荒々しい地肌を見せ付けてくれる。
この写真はちょうど右下からながれてきている、胡桃沢川との合流点を道道95号線に架かっている胡桃橋からとったもの。
定山渓奥の山間には無数の林道がつけられてれいる。その多数は大小の沢沿いにつけられていて、林道名もその沢の名を冠しているところが多い。
今回は、この胡桃沢沿いにつけられている楜沢林道をたどり、札幌50峰の一つ長尾山へと向かうこととする。
胡桃沢林道は、残念ながらこの合流点からスタートしているわけではなく、無意根山の登山口でもある、無意根山荘跡からスタートとなった。
夜明けと同時くらいに雪面に向かう。遠くには定山渓天狗岳が頭をのぞかせている。ここ、豊羽の地は札幌市内の高い山がすぐそに迫ってきており、すごぶる景観の良い地だ。
林道は広く、なだらかな坂が続く。雪はこの時期だからだろう、日中に融けた後、夜半に再び凍るを繰り返したクラストした雪面。その雪面をいつものロシニョールBC110でシールをつけずに歩いていく。
パリパリのクラストした雪面ではウロコが効きづらいのを覚悟して挑んだので、スリップしてもそれほどいやな気分にはならず、かえってウロコの効果的な利かせかたを研究しながらの林道ツアーとしてあるいていった。
少しづつ日が高くなっていくとともに体に当たる陽の光の温度が変わっていくこの時間帯の山歩きは気分も良くなる。山歩きは晴れの日がいいものだ。
ただ残念なのは、肝心の楜沢をみることができずに、長尾山へと向かう尾根への離合箇所に到着してしまったことか。
ここからはスキーにシールをつけて尾根へとのぼっていく。
それほど傾斜はきつくなく、尾根も広く、木々もそれほど込んでいなく、のんびりと春の雪山を感じるには丁度良い尾根歩きだ。
標高を上げるにつれ木々が少しづつまならになってきて、900mを越えたあたりでちょっとした沢形にだどりつく。
スキーの後が思い思いにつけられて楽しそうな疎林だ。
後ろを振り返ると、
定山渓天狗岳などの山々が堂々と背後にひかえていた。
今回は写真はないが、余市だけの真っ白い姿がドーンと見えたときは思わず声が出た。
この沢形をつめていくと、
無意根~長尾山の主稜線ともいえる千尺高地の稜線が壁のようにみえだしてくる。
ここが今回の山行の最大の核心部だ。
雪面は硬くパックされており、エッジも聞かない場所が所々に出てくる。しかもデブリっぽい後が少しみえてきもする。
なんとか速やかにこの場所を通過したいのだが、のぼりやすいルートを探そうにもなかなかな斜面が待ち構えていた。
あっちこっちとルートを変えてはみたがどこも変わらず、千尺ピークの左側の切れ込んだ沢形を目指して時々階段登高をしながら悪戦苦闘しつつ少し傾斜がゆるむところまでたどり着くと、羊蹄山の頭がものすごく近い感覚でみえてきだした。
これにはまた声がでてしまった。登山を趣味としてからこんなにも感動したことはなかったではなかろうか。
千尺高地の稜線にのぼりきると
スノーモービルのキャタピラのあとがちょっと邪魔だが、無意根山や羊蹄山、そして、
これから向かう長尾山がみえた。
ここから長尾山までの稜線歩きは絶景の連続だ。
夏に無意根山までのぼったときは今回のルートと程近い場所をのぼっていたのだが、あたり一面笹に覆われた登山道だったので、ここまでの絶景を見ることができていなかった。ただ夏は夏で様々な感動をあたえてはくれていた。まったくもって、この無意根山塊は私にいつも感動をあたえてくれる。
ここからは展望を楽しみつつ
長尾山の山頂へとたどりついた。
さすがに4月になっているので、スノーモンスターは拝めなかったが、
無意根山と羊蹄山の抜群なコンビネーションを見ることができた。
抜群な景観をのぞみつつシールをはずし下山準備をした。
天気予報だと爆風とのことだった。若干風は強いもものの日差しもよく景観もよかったので、それほど苦ではなかった。多分風速も予報よりもよわかったのだろう。
千尺の壁までの緩やかな斜面をのんびりとすべり
羊蹄山とニセコの山々のコラボを眺めながら、順調に苦もなく千尺北壁のドロップ地点まで移動。
ここでカメラをザックにしまい北壁滑走の準備をした。
北壁は余市岳や定山渓天狗岳方面へとすべり降りる斜面だ。
こんななんとも言い難い景色に向かってすべり降りるわくわく感とともに、先ほど登ってきた雪面のパック具合と急な斜面への恐怖心がない交ぜとなり、なかなか心が斜面へ向かいきれなかった。
意を決して斜面をくだるものの、この急斜面は斜滑降メインで降りていくこととした。
その後の疎林帯の緩やかな斜面ではツリーランを心行くまでたのしめた。
これまでの練習の成果だろうか、木々の狭い間隔でもビビることもなく降りてこられた。尾根を下り終わり林道も程よくすべる雪面だったので、役一時間ほどで駐車場所へと降りることができた。
登山にスキーを導入した理由として、緩くのぼってゆくる降りてくることなのだが、今回初めてその目論見どおりに山行を無事に終えることができた。
札幌50峰 41/50 長尾山(1211m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓豊羽 胡桃橋
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アプローチ難度 | ★☆☆☆☆ |
景観 | ★★★☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |