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お盆の今日。
朝夕の気温も少し落ち着き始め過ごしやすさが若干もどってきた札幌。
それでも日中は蒸し暑く、真夏を感じるので、藻岩山へと涼をもとめにのぼってきた。
そこから望む、豊平川は190万の大都市の中心を縫うように蛇行をしながら流れていくさまが良く見て取れる。
札幌は豊平川によって形成された扇状地をうまく利用してつくられた街であり、ここ藻岩山山頂からは、その中央部から北端あたりまでを見て取れるのだろう。いまだ地形に関してははっきりとは認識できないのが残念だが。
扇状地を形作る要因のひとつとして三角山を終端とした通称札幌連山の岩盤層が上げられる。
川の水は硬い地層を嫌って、というか柔らかな地層を削るように流れる性質があるようで、その結果札幌連山の山すその下にある岩盤層を巻くように蛇行をしているのだろう。
ただ、現在の流路は開拓とともに固定化をされていたもので、この川の長い歴史の中においてはたまたま今の流路の時に人の手によって決められたに過ぎない姿なのだろう。
たとえば、明治のころの地図には胆振川なる流れがあって、そこを元に創成川がつくられていったのだが、実はその胆振川、元を正せば豊平川の旧流路であったということだ。そうすると現在の流路よりも若干西側にながれていたことも創造にかたくない。
そんなことを思いながら藻岩山山頂から円山方面に目を移していくのも面白い。
ちなみに今回の山行記もヤマレコにアップをしてある。
6月に入ると、暦どおり夏の様相を示してくる札幌。
久々に青い空を札幌市内で撮影できたような気がする。
ここは、藻岩山の麓。山鼻川緑地。
綺麗に護岸され、親水空間として整備されている。
まだ朝が早い時間におとずれたので、ここで遊ぶ子供たちはいないが、もう少しすれば沢山の子供が遊びにくるのではないだろうか。
この山鼻川、ここから上流は藻岩山へと向かう山の中の沢の様相なのだが、この緑地からさきは、いたるところで親水設備が施されており、緑地なんかが敷設されている。
藻岩の原始林の縁に立ち並ぶ住宅とそこの隙間を流れる山鼻川。安全に自然の懐で遊べる地域と感じられる。
あたりは割りと高級な住宅地のように見えるので、きっとその自然とのコントラストを望む人たちが住まっている人気の地域なのだろうか。
この山鼻川をたどる逍遥を機会をつくっておこなってみたいものだ。
この日は、この緑地の先にある藻岩山スキー場コースをバウとともにのぼってきた。
その山行記はヤマレコに掲載をしたので、そちらもあわせて読んでいただけるとうれしい。
撮影場所 | 札幌市南区南36条西11丁目 山鼻川緑地 |
アプローチ難度 | ★☆☆☆☆ |
景観 | ★★☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
ゴールデンウィークとなり、標高500m前後の山からはほとんど雪がなくなってくる。
もう少し標高の低い地点では木々の葉も茂ってくる。
札幌の山間にも遅い春が少しづつやってきた。
ここは八剣山山頂。ここから眺めたのは、豊滝と砥山の境を大きく蛇行をする豊平川と、そこにかかる橋の脇あたりに落ちる、八剣山を源流とした東砥山川の合流点。
この山からはその豊平川の蛇行具合がよく観察できる。
去年も、この時期一人で八剣山に登っているのだが、今年は私を含め三人で登った。
そのときの様子は、
ヤマレコに記載しているので、お目汚し程度にどうぞ。
撮影場所 |
北海道札幌市南区砥山 八剣山山頂
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★★★★ |
撮影機材 | NIKON D3000 |
湯の沢川。
全国各地でよく目にする川の名前。 この名前を持つ河川は札幌市内でも複数ある。
大抵はその名のとおり、温泉がそばにある川の場合が多いのだが、今回訪れた定山渓豊羽地区で白井川に合わせられる、湯の沢川(白井川支流)もその例に漏れないようだ。
今回この白井川と湯の沢川の合流点から程近い白井川にかかる山鳥橋を渡り、道道95号線の対岸にある、札幌50峰の一つの南岳を目指していったのだが、この道中の前半では硫黄の匂いが終始していた。
はたしてインターネットで調べてみると、湯の沢川の上流には
地熱変質作用により形成された変質帯があり、蛋白石化、黄鉄鉱化、昇華硫黄の形成がみられ、昇華硫黄のみられるところでは、硫化水素臭をもったガスと冷鉱泉の湧出がみられる。
とのこと。
また、この地質を変性させた地熱を利用し地熱発電に利用できるかどうかの調査もおこなわれているとのこと。
なるほど、名前に偽りはない。
元来、定山渓周辺の豊平川には川床から高温の温泉が自然湧出している。
定山渓近辺には大きな活火山はないのだが、地熱が非常に高い地域があるのだ。
そんな発見をできるのも、実際に川の場所までいって撮影をして感じられることだと、うれしい気持ちになる。
そんなちょっとした喜びを胸に、前述のとおり南岳へ登路のレポートを下記に記す。
スタートは
白井川にかかる山鳥橋の向かいに車を止め、ここからスタートとする。
この日の天気予報は晴れ間もありそうだったのだが、残念ながらご覧のとおり、霧に包まれたスタートとなった。
今回のルートは山鳥橋を渡ったあと右側に伸びている山鳥峰林道を最後まで詰め、そこから南岳の主尾根の稜線歩きを楽しもうと計画した。
道具は、いつものロシニョールBC110&スカルパT4のテレマークスキー。
春になり気温が高いし、ルートも割りとなだらかな傾斜が多いようなので、今回の最大の目標としては最後までシールをつけずスキーのうろこだけを頼りに登っていこうとおもった。
この林道。地形図からも予想していたが、林道の割には傾斜が強い。これは帰りのスキーが楽しめそうだ。
傾斜が強いとは言え、それは林道レベルだし若干圧雪気味の路面状況ではあるが、雪温も高いのでウロコがよく効く。
途中林道の分岐もあるがスノーモービルのトレースが見事についている山鳥峰林道の本線を迷わず歩いていく。
さらにつぼ足の方々が歩く尾根へ取り付くポイントが現れるが、私はかまわずそれを無視し林道をどんどんつめる。
南岳の主尾根の一部まで林道がきられていてここからはトレースはほとんどなくなり、雪質も所々に湿った雪の層が現れる。
この雪の層に乗るとスキーがいきなり重くなる。これが所謂ストップ雪といわれるものだろうか。
林道をつめ切ると、
今回のルート上最大の核心である、急な細尾根が現れる。
この区間の距離は地形図をみてみると直線距離にして約200m。標高差は約50m強
ここを過ぎればわりと緩やかな尾根歩きとなるはずだ。
シールをつけずにジグザグを切って登っていく。急傾斜のステップターンは最初はとまどったが、ゆっくりと落ち着いてこの難所をクリアしていく。
この急傾斜をのぼりきると、予想通り緩やかな稜線歩きがまっていた。
天気が悪いのとストップ雪が出てくる重い雪質が残念だが、ウロコ板で歩くには最高のロケーションだ。
ここからは、ジオグラフィカの地形図をみながら、この極楽尾根の所々に現れるコブをつないで、南岳の山頂を目指すこととする。
まずは急傾斜を過ぎてすぐに現れる、811m標高点。
ひとつめのコブをクリアしたことで俄然やる気がでてくるものだ。尾根はゆるやか、気温が高いとはいえ暑さでばてるような気温ではない。いままで山歩きをしたなかでは最高にお気楽気分の極楽尾根だ。
co811を過ぎちょっとしたコブを巻いて歩くとそれまで割りと込んでいた樹林もすっかりまばらになり始めオープンバーンが目に入る、雪のいいときだと初心者にとっては最高の斜面になると思われる斜面だ。
この斜面のTOPが山鳥峰。三等三角点だ。
このあたりで歩いているばしょに日があたった。今回の山行中唯一の晴れ間だった。
しかし、周りは雲に包まれ眺望をえられなかった。
この山鳥峰を乗り越し、一旦コル状のところまで下降する。
初心者にとっては丁度よい距離の直滑降斜面。
喜び勇んで、スキーを滑らせる。
しかし、
快調に飛ばせたのは最初の一瞬。
斜面の終り近くで、いきなりストップ雪に板をつかまれ前にほうりだされた。
頭から見事に着地だ。
テレマークスキーってのは頭から転ぶとはよくきいていたのだが、今回初めてそれを経験した。
こんなにも見事に、豪快に、頭から飛びこむものなのだと驚きもした。
気を取り直し、次に待ち受けたコブを登りまた下降しようとスキーを滑らせると、
またもや同じように頭から突っ込む。
どうやら、足をそろえての直滑降だと私は前に重心が偏重しているようなのだろう。
これは気をつけなければ。
次の滑降時にはテレマーク姿勢で直滑降しようと心に誓う。
そんなことをおもいながら、歩みをすすめ、
937m標高点へと到着。
いままでの標高点とはピンクリボンなんかがぶらさげられていたのが、ここはあっさりとしてものだった。
ここからは、あとは山頂へともうひといき。
のぼり易そうな場所を探しながら、
ゆっくりと、
南岳山頂を踏むことができた。
いままでの山スキー山行の中で始めてのウロコのみでの山頂踏破だ。
シールの脱着は必要ないのだが、この雪質だと下山時にワックスが必要と判断し、スキーを脱ぎワックスをつけついでにちょっと一息をして、下山とした。
下山時は、
予想通りストップ雪にスキーは進まない。
しかし、さっきの経験を活かし、直滑降でもテレマークスタイルを維持し、ゆっくりとすべる。
テレマークスタイルは前後への重心バランスが非常に安定するものだ。
いきなり頭から突っ込むことはなくなった。
しかし、雪質が重いのでターンを楽しめる局面は数箇所くらいだった。
それでも初心者の私にとってはとても楽しい山スキーだ。
ゲレンデ以外で初めてテレマークターンもすることができた。
最大の難所の急斜面はびびりながらもへなへななターンでおりてきて、林道出合いに到着。
最初の予想通り、今回一番スピードがでてスキーで滑った感覚はこの林道区間であった。
GPSの標高ログをみてみても、この区間が一番傾斜がある。
気分よくスキーをすべらせ。
のぼりの半分の時間で到着とあいなった。
札幌50峰 43/50 南岳(982.9m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓豊羽 湯ノ沢橋
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アプローチ難度 | ★★☆☆☆ |
景観 | ★★★★☆ |
撮影機材 | NIKON D3000 |
定山渓の奥、豊平川は国道230号線を離れ、深い渓谷豊平渓をつくり上げる。豊平渓ダムによって作られたダム湖定山湖の手前はかなり原初の雰囲気を残した沢が点在している。
今回訪れたこの漁入沢川との合流点。写真は若干遠い位置からの写真になってしまっているが、そんな点在している豊平川上流域の沢との合流点の一つ。
ただ、私にとってはとても重要な川である。
現在、このブログでもかなりな数登山をからめたエントリーが多いのだが、そのきっかけとなった川でもあるのだ。
川の写真を撮ることを趣味としてはじめた初期のころ、河川情報を集めるために参考にした、札幌市のホームページの中の札幌市の河川分類というページ。一級河川・二級河川などの河川分類のガイドラインとも言えるページなのだが、ページ内には札幌市が管理している、
●一級河川(石狩川水系) ●二級河川(新川および星置川水系)
●準用河川(一級水系) ●準用河川(二級水系)
の河川名がかかれているのである。
川・撮り歩きをしているものとしてみては願ってもいないページなのだ。
そして、掲載されている河川の場所を
で探してみると、なかなかいけそうにない河川が一つだけあった。
それが、この漁入沢川だった。
他の河川へのアクセスは割りと道路沿いからちょっとがんばればたどりつけれる場所で、バウとの散歩には丁度良いのだが、この河川だけは、一体どうやってたどるのだろうと、インターネットをもっとしらべてみると、登山や沢登の記録がどんどんヒットする。それを呼んでみると国道230号線の望岳橋から標高差250m下の谷間に降りてから云々といった記述ばかり。そんな記述を読んでいるうちに、この川を拝むためには登山スキルが必要なのだと思い込んでしまった。そしてこの川を拝むために登山を始め、その結果が現在の「川と登山と写真(時々鉄道)」のためのブログスタイルとなっていったのだ
今思うと、ここへたどるためには定山渓トンネル先の豊平川右岸林道をたどればよいのだけの話なのだが、そのころの私にとっては林道歩き自体も登山の一種と思えるくらいハードルの高い行為であるので、どのみちこのような結果になっていたのだろう。
なにはともあれ、この川を拝むためのトレーニングが成果を出せたと思えたので満を持して今回のアプローチとなった。
結果は若干遠い写真ではあるが、写真に収めることができた。これで、前述の札幌市の河川分類の一級河川(石狩川水系)に掲載されている、全44河川を写真に納めることができた。私にとってはこの日は記念すべき日なのである。
札幌市の河川分類に掲載されている全河川撮影には、
の7河川が足りないが、多分年内には残りの撮影もできるようがんばりたい。
ところで、最近のこのブログのテーマの一つ、札幌50峰の一つ大二股山へのルートもここからスタートできるので、むかっていた。今回の山行では私にとっての新たな試みをおこなったのだ。
上の写真はスタート地点での望岳橋駐車場で撮影したもの。
今回のルート上には長い林道区間と、望岳橋から標高差250mの谷くだりがある。
以前、小白山登行のときに感じた林道歩きにはノーエッジのクロカン板が楽しいのではないかという感想。幸いにも私の手元には父親より譲り受けたYAMAHAのSTD CCというセンター幅45mm程度のノーエッジワックスレスタイプのクロカン板にマーカーの古い3ピンビンディングがついたスキーがあるのだ。靴はこれまたゆずり受けたTOYOというメーカーの古い3ピンクロカンシューズ。
これを装備して今回の山行の林道を楽しもうとおもったのだが、なにぶん望岳橋から急降下はこの板では絶対無理である。いや、普段はいているロシニョールBC110でも無理だろうし、たとえATスキーをもっていてもここで履こうと思えない。
そこで考えたのが、この急降下区間は徒歩での雪山歩きのときに使うKEENのウインターポートにスーパーカンジキのセットでクリアをして、林道区間から大二股山からはスキーで楽しむという計画。
そこでこのようなシートラスタイルとあいなった。いつものLOWアルパインのバックパックに登山趣味初期のころにつかっていたMIZUNOのディパックをくくりつけ靴入れとした。
これから先、札幌50峰を狙うにしろ他の山を狙うにしろシートラをおこなう局面がおきてくることも考えられるので、今回はその訓練でもある。
初めてのシートラにはこのYAMAHAのスキーとTOYOの靴の軽量さはねがってもかなったりなのだが、それでも重さが気になるので今回はいつも一眼スタイルは遠慮と相成った。カメラはSONYのコンデジとSIGMAのDP2の軽量セットとした。
このスタイルでいざ谷間を急降下。
雪は適度に埋まるザラメ。思ったよりも歩きやすい。春のこの時期にこのルートを選んだのは正解だった。スーパーカンジキとウインターポートの組み合わせは約一年ぶりだが心強い。
順調に降下をしていき、
一本目の林道にたどり着く。
この日の中山峠付近望岳橋あたりからは霧が立ち込め、道中の天気概況では視程50m程度とのことだった。実際望岳橋から先は見事に霧につつまれていた。しかし、降下をしてくと当然ながら霧は薄まっていき、視野がなくなることはなかった。霧雨は間断なく落ちてはいたがそれほど気になる量ではない。
木々は密にはえており、急傾斜とあわせてスキーでの降下はまったくもって私には無理だろう。
一本目の林道からさらに降下をしていき、
豊平川右岸林道へと到着する。
ここで、ウインターポート&スーパーカンジキのセットからYAMAHA STD CC &TOYOの靴に履き替える。
ウインターポートは最近の冬靴の例に漏れず対雪での防水機能は充分でこんな気温の高いザラメの雪での歩行でも足元を快適に保ってくれるのだが、スキー用の靴はなにぶん古いもので、一昔もふた昔も前のやすい陸上競技用のナイロン靴にゴムでテレコバをつけたようなもの。靴の中は起毛使用になっているが、どうみても防水にはなっていない。この点に一抹の不安をかかえていたが、この時期の豊平川右岸林道は雪を溶かすための重機がはいっているだろうとの予想が的中。靴を雪の中に突っ込むことはなかった。この時点での心配な点は天から落ちてくる雨による靴濡れだけだった。
果たしてスキーに履き替え歩み始めてみると、ものすごく足が軽快に進む。
いつものロシニョールBC110&スカルパT4だとシールをつけなくともこうはいかない。
感触でいうと、ロシニョールBC110&スカルパT4は「ズリズリっ」と引きずって歩く感触。
一方このYAMAHA STD CC&TOYOは「シュっ」と前に滑り出す感触。
クロカンスキーの評で滑走とかスキッドとかの表現が多くみられ、これまでは平地のスキーで大げさだなと思っていたのだがその考えは今回で大きく覆された。まさに、「滑走」であり「スキッド」であり「グライド」だ。非常に気持ちが良い。
そんな初めての感覚に感動しながら少し進むと、豊平川を渡る橋にたどり着く、
橋の上は重機のおかげもありコンクリートが出ている。こんな場面でも今回のスキー装備だとスッと板をはずし軽いスキーを抱えテレ靴で歩き始めることができる。
豊平川がつくり上げる渓谷美を堪能できる。これは紅葉時期にでも見てみるとまたちがった美しさを堪能できるのだろう。
この橋を渡ると林道は
漁入林道となり若干傾斜がついてくる。
だがこれくらいの傾斜ぐらいは今回のクロカン板だと平地変わらない感覚ですべり出すことができる。すごぶる快適だ。
雪が整地されたこの林道を左の眼下に漁入沢川をみながら進んでいくと
ここからはザラメ雪の足首くらのラッセルとなる。
ラッセルに関してもこれくらいの傾斜地だとYAMAHA STD CCは、適度にテール側が沈みこみトップのラウンド具合の効果もあるのだろう、トップが沈み込むことなくスキーを前に出しやすくしてくれる。
ロシニョールBC110だとスキーの太さもあるからここまで沈むことはないのだがもう少し深くなるとトップは雪の中に埋まり足を前にだすのが激しく難儀な行動となる。
その点からも、平地&緩い傾斜地でのクロカン板の優位性はすばらしい。
ただ、ここから心配していた古いナイロン靴問題が顕在化してきた。
足首までザラメの中に埋まる、靴についた雪は水分を多めに含んでおり、たやすく体温で水化する。その水が容赦なく靴の中に進入してくるのだ。
いままでの無雪期のハイキングでもキャラバンスタンダードや、普通のスニーカーをはいて不幸にも雨や朝露で靴下まで水浸しになったことは何度もある。そのたびに靴の重要性を考えさせられるのだが、雪山でこんな水浸しになってくるとは不快を通り越して不安を生んでくる。
春の雪山なので気温がそれほど低くならないのと常に運動をしている状態なので、凍傷のリスクはないので良いのだが、これが厳冬期だとしたらゾッとする。
写真を撮る気もこのあたりからうせだし、もくもくと林道をたどっていく。
途中林道をショートカットできそうな場所で、少しだけ急な沢形がありそこにふみいってみた。
そうすると途端にノーエッジのクロカン板の弱点が露呈してきた。
ハの字登高をしても所々でスリップをする。ジグザグ登高をしてもスチールエッジではないので、、エッジのかかりが悪く思うように進めない。センター幅45mmというのは、足の幅よりもかなり狭い。しかもきついダブルキャンバーで板のセンターへ向けてどんどん高くなっている。しかも、靴のコバと靴本体とのつなぎはゴムとナイロン。これは、エッジングをしようと板を傾けると靴がコバだけを残して、板からずり落ちるのだ。のぼりのエッチングでさえこれなのだから、通常スキーでの滑降をたのしめそうなz斜面でのターンなぞ望めないだろう。帰りはおとなしく林道をたどろうと心にきめた。
いや、それよりも今回の山行、途中敗退でも良いだろうとまでおもってきた。
そんな気持ちが湧き上がるたびにジオグラフィカを覗き、徐々につまる山頂までの距離を折れそうな心を奮いたたせ足を前に出していった。
大二股山山頂へのと取り付きやすいところから林道を離れ疎林の尾根を登っていく、緩い斜面なのだが、この板だとそこそこ苦労する。
なんとか稜線を見つけぐちょぐちょの靴に我慢をしつつ山頂を探してみると、疎林の果てに針葉樹でかこまれた一点の奥に
山頂標識をみつけた。丁度このあたりでぐずついてた空模様がちょっとの風によって雲を吹き飛ばし、青空がみえてきた。
福音のように感じたのは言うまでもない。
山頂広場に立ち入り山頂標識のそばで陽の光に温まり一服をした。相変わらず靴の中は不快なのだがひとごこちつけた。
帰りの最大の難関は最後の望岳橋までののぼり返しだろうと心においておいたのだが、この山頂からのくだりも今回のスキーでは難所となった。エッジングがうまくいかない。靴の材質がここまでターンに影響するのかと。
今回の装備は不完全だったのだと改めて反省をした。板の性能に関してはこれでよいので、靴とビンディングの見直しをおこなわなければ、楽しい山行には程遠い。
そんな気持ちを引きずりながら帰りの林道をとぼとぼと歩いていった。
前回の長尾山のくだりの満足度がたかかっただけに、今回のくだり時のギャップは激しい。のぼり時の軽快さがあったからまだ軽減されているくらいか。
のぼり返し地点で、ウインターポートに履き替えようとびしょびしょになった靴を脱ぐと靴下が絞れそうなくらい水を含んでいた。
はだしでウインターポートに履き替え、スーパーカンジキを装着し、250mののぼりを休み休みのぼって、望岳橋の駐車場までたどりついたころには、豊平渓に虹がかかっていた。
札幌50峰 42/50 大二股山(856m) GET
撮影場所 |
北海道札幌市南区定山渓 豊平川右岸林道
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★☆☆☆ |
撮影機材 | SIGMA DP2 |
4月に入ると札幌の豪雪地帯豊羽地区でも雪解けが進んでくる。
道道95線に沿って流れる白井川は定山渓西部の山間を深い谷をつくっている、特に道路がつけられていない左岸は雪解けのこの時期、雪つきの悪い崖面がご覧のように荒々しい地肌を見せ付けてくれる。
この写真はちょうど右下からながれてきている、胡桃沢川との合流点を道道95号線に架かっている胡桃橋からとったもの。
定山渓奥の山間には無数の林道がつけられてれいる。その多数は大小の沢沿いにつけられていて、林道名もその沢の名を冠しているところが多い。
今回は、この胡桃沢沿いにつけられている楜沢林道をたどり、札幌50峰の一つ長尾山へと向かうこととする。
胡桃沢林道は、残念ながらこの合流点からスタートしているわけではなく、無意根山の登山口でもある、無意根山荘跡からスタートとなった。
夜明けと同時くらいに雪面に向かう。遠くには定山渓天狗岳が頭をのぞかせている。ここ、豊羽の地は札幌市内の高い山がすぐそに迫ってきており、すごぶる景観の良い地だ。
林道は広く、なだらかな坂が続く。雪はこの時期だからだろう、日中に融けた後、夜半に再び凍るを繰り返したクラストした雪面。その雪面をいつものロシニョールBC110でシールをつけずに歩いていく。
パリパリのクラストした雪面ではウロコが効きづらいのを覚悟して挑んだので、スリップしてもそれほどいやな気分にはならず、かえってウロコの効果的な利かせかたを研究しながらの林道ツアーとしてあるいていった。
少しづつ日が高くなっていくとともに体に当たる陽の光の温度が変わっていくこの時間帯の山歩きは気分も良くなる。山歩きは晴れの日がいいものだ。
ただ残念なのは、肝心の楜沢をみることができずに、長尾山へと向かう尾根への離合箇所に到着してしまったことか。
ここからはスキーにシールをつけて尾根へとのぼっていく。
それほど傾斜はきつくなく、尾根も広く、木々もそれほど込んでいなく、のんびりと春の雪山を感じるには丁度良い尾根歩きだ。
標高を上げるにつれ木々が少しづつまならになってきて、900mを越えたあたりでちょっとした沢形にだどりつく。
スキーの後が思い思いにつけられて楽しそうな疎林だ。
後ろを振り返ると、
定山渓天狗岳などの山々が堂々と背後にひかえていた。
今回は写真はないが、余市だけの真っ白い姿がドーンと見えたときは思わず声が出た。
この沢形をつめていくと、
無意根~長尾山の主稜線ともいえる千尺高地の稜線が壁のようにみえだしてくる。
ここが今回の山行の最大の核心部だ。
雪面は硬くパックされており、エッジも聞かない場所が所々に出てくる。しかもデブリっぽい後が少しみえてきもする。
なんとか速やかにこの場所を通過したいのだが、のぼりやすいルートを探そうにもなかなかな斜面が待ち構えていた。
あっちこっちとルートを変えてはみたがどこも変わらず、千尺ピークの左側の切れ込んだ沢形を目指して時々階段登高をしながら悪戦苦闘しつつ少し傾斜がゆるむところまでたどり着くと、羊蹄山の頭がものすごく近い感覚でみえてきだした。
これにはまた声がでてしまった。登山を趣味としてからこんなにも感動したことはなかったではなかろうか。
千尺高地の稜線にのぼりきると
スノーモービルのキャタピラのあとがちょっと邪魔だが、無意根山や羊蹄山、そして、
これから向かう長尾山がみえた。
ここから長尾山までの稜線歩きは絶景の連続だ。
夏に無意根山までのぼったときは今回のルートと程近い場所をのぼっていたのだが、あたり一面笹に覆われた登山道だったので、ここまでの絶景を見ることができていなかった。ただ夏は夏で様々な感動をあたえてはくれていた。まったくもって、この無意根山塊は私にいつも感動をあたえてくれる。
ここからは展望を楽しみつつ
長尾山の山頂へとたどりついた。
さすがに4月になっているので、スノーモンスターは拝めなかったが、
無意根山と羊蹄山の抜群なコンビネーションを見ることができた。
抜群な景観をのぞみつつシールをはずし下山準備をした。
天気予報だと爆風とのことだった。若干風は強いもものの日差しもよく景観もよかったので、それほど苦ではなかった。多分風速も予報よりもよわかったのだろう。
千尺の壁までの緩やかな斜面をのんびりとすべり
羊蹄山とニセコの山々のコラボを眺めながら、順調に苦もなく千尺北壁のドロップ地点まで移動。
ここでカメラをザックにしまい北壁滑走の準備をした。
北壁は余市岳や定山渓天狗岳方面へとすべり降りる斜面だ。
こんななんとも言い難い景色に向かってすべり降りるわくわく感とともに、先ほど登ってきた雪面のパック具合と急な斜面への恐怖心がない交ぜとなり、なかなか心が斜面へ向かいきれなかった。
意を決して斜面をくだるものの、この急斜面は斜滑降メインで降りていくこととした。
その後の疎林帯の緩やかな斜面ではツリーランを心行くまでたのしめた。
これまでの練習の成果だろうか、木々の狭い間隔でもビビることもなく降りてこられた。尾根を下り終わり林道も程よくすべる雪面だったので、役一時間ほどで駐車場所へと降りることができた。
登山にスキーを導入した理由として、緩くのぼってゆくる降りてくることなのだが、今回初めてその目論見どおりに山行を無事に終えることができた。
札幌50峰 41/50 長尾山(1211m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓豊羽 胡桃橋
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アプローチ難度 | ★☆☆☆☆ |
景観 | ★★★☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
スノーブリッジ。冬の間にしかかからない橋。
現象的には何のことはないただ単に沢が雪で埋まっているだけの話。
しかし、冬の山遊びをする人には「スノーブリッジ」と呼ばれる箇所には、それ以上の意味が生じる。
これができることによって、夏場はなかなか行くことができない山の頂を踏むことができるようになる。
件の人たちにとっては、雪が降るとこの儚い橋ができるのを心待ちにし、季節が進み彼岸を過ぎるころになると、いつ崩れるのかと心乱す。
この奥手稲の沢川にかかったスノーブリッジも、そんな特別な橋の一つ。
札幌50峰に数えられる、つげ山へのメジャールートが拓かれるのである。
私も、その例にもれずつげ山を目指すこととした。
スタートは今シーズン4回目の訪問となった春香小屋前の駐車スペース。
今回は先行のパーティが数台の車でのりつけていた。やはり人気の山域だ。
最近の定番野装備、ロシニョールBC110&スカルパT4&ボレー3ピンを装着して、林道を歩いていく。どうやら、春香山へ向けてブル?がはいったようで、途中の橋をコンクリートが出るくらい2mほどほっていっていた。
そのブルはさすがに奥手稲~つげ山方面の林道には入らず春香山を目指していることがわかったのは、両林道の分岐に到着してからだ。
もう見慣れた奥手稲へ向かう林道をたどり、奥手稲沢川の様子を見ながらスキーを滑らせていく。
4度目にしてはじめて、つげ山への標識があることを発見できた。
この標識の向こうにTOPに掲載したつげ山へのスノーブリッジがある。
彼岸も程近いので慎重にスノーブリッジをわたり、対岸へと渡る。
ここからがつげ山への山行となると思うと少しわくわくする。
林道上はシールをつけずにきた。渡渉後もいけるとこまでシールはつけずにいってみようとおもったものの、あえなくその意思はくじかれ、おとなしくシールをつけた。
無理をすれば、この坂を上れば、いけるかもしれないとは思ったが、冬のスキー登山は無理をしても何も得にはならないと、散々学習した。
案の定、この坂を上った後はわりと緩く広い傾斜になっていたが後悔はまったくしていない。それよりもゆっくりとスキーで坂をのぼっていることが楽しい。
この広く緩い尾根歩きを楽しみながらのぼっていくとほどなくして、今回のルートのランドマークとなっている、co730mのこぶに届く。
このこぶを若干巻き気味に交わして、少し下るとルート核心ともいえる急登の細尾根となる。
巻けそうなところはないものかと逡巡したが、おとなしくこの尾根を使うこととした。
木々が密に生え、スキーではなかなか難儀をする。いや、登りはなんとかなるが、くだりがとても心配になる尾根だ。
木々をかわし、急な斜面をジグを切りながらつめて行くと、やがて
台地状の緩やかな地形となる。これは帰りのスキーが楽しそうだ。
天気は小雨交じりだが風はほとんどなく、存外行動しやすい。眺望がほとんど望めないのが残念だが、ガスがすこしかかったくらいの雪山もおつなものと気持ちを切り替えゆっくりとのぼっていく。
この台地についてからはそれほど難儀することもなく、
つげ山の山頂へとたどりついた。
山名の標識はなく、丁度標高点になるところにカンバの若木がたっていた。
ついでなので、山頂尾根を奥までいって大きな木のあるところでシールをはずそうと歩みを進めた。
雲が奥手稲山方面からこちらにせまってきていたので、眺望はまったくなく、この地点から山頂の写真をとり、
シールをはずし下山のため一眼をしまってザックを背負いスキーをはきなおすと、
少しだけ春香山方向の雲がきれた。
あわてて予備に胸ポケットにしまっていたコンデジで撮影。
まったく山の天気はきまぐれだ。
雪は適度に重いザラメ。
私のテクニックだとうまくターンができないくらいの雪質。
おとなしく直滑降と斜滑降で山頂台地を楽しむ。
その後細尾根区間をよちよちとくだり、730mポコ下はふらふらとターンをしつつ、林道は自動運転のごとくくだっていき無事到着とあいなった。
札幌50峰 40/50 つげ山(934.8m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓
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アプローチ難度 | ★★☆☆☆ |
景観 | ★☆☆☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
承前
小川の渡渉地点をスノーブリッヂで渡り、シールを装着。目の前には小白山へと通じる北面の支尾根の一部の沢形。GPSを確認しながら、この尾根を沢形からはなれつつ尾根へと取り付く感じで登っていく。
沢からもはられてきたので、沼があるなどとは思えない地形。それでもGPSを頼りに尾根にのったような場所にたどり着くと、突然目の前に広がる、小白山名無し沼。
樹林帯の傾斜地をつめて突然広がるこの光景に「ほ~っ!」と声を上げる。
空沼岳の真簾沼を見たときの感覚に近い、いきなり訪れる開放感。
感嘆のまま、何度もシャッターを押す。
小川の支流筋にあたるのだろうか。
先ほど訪れた、宝来沼の数倍はある広さ。夏場は人も訪れずヒッソリと森の静寂とともにあるのだろう。
しかし、美しい。
この光景を独り占めできただけでも、この山行は成功だ。
沼の東側へと移動をしながら数十分、この沼のほとりで写真をとったりみほれたりしていた。
あと、目指すのは小白山の頂上だ。主尾根への取り付きはこの沼の東側が丁度いいそうなので、登りやすそうなところを探して取り付くことにした。
主尾根のコル状を目指し、高度あげていく。今回の山行で一番ののぼりごたえのある区間だ。
ゆっくりとあるき、主尾根へとたどりついた。
主尾根はわりとどっしりとした幅。
傾斜はほどよく、歩く身としては、なかなか助かる。
所謂顕著な尾根という姿だ。
ただ強いて言うならば、ほかの山影がないため、強めの風が間断なくふいてきていことくらいか。
今回の山行では眺望が期待できないとおもっていたのだが、
札幌岳方面に開けた場所があった。これは予想外の収穫。ちょっとしたお得感をえられた。
山頂までの広い尾根とちょっとした細尾根を雪庇に気をつけながら、
無事山頂へ到着。
天気は悪くはなかったが、風がつよかったので休憩もそこそこにシールをつけたまま、程よい場所まで降りる。
下山ルートは登り方向をピストンせず、尾根を反対側にすすみ、奥までつけられている林道を利用することにした。
反対側の尾根は以外と細く、雪庇の区間もあり割りと緊張をするが、程なくして広い樹林帯となる。
風よけになりそうな場所をさがし、休憩とシールをはがす。
さて、林道を探そうかとすすんだのだが、それらしきところはなかなか見当たらず、何度もGPSを見直す。
それっぽいところにあたりをつけて、GPSと照合しここだと確定。
気をつけなければ迷いそうな場所だ。
事前情報では、雪崩区間ありとのこと。ここからみてみてもあきらかにそれとわかるよう斜面。
デブリも少し見えている。
慎重に速やかに雪崩区間をやり過ごす。
途中、
なかなかに幻想的な場所もあり、くだりでも冒険気分が味わえる。
何度も続く雪崩箇所をなんとかやり過ごし、
雪に埋もれた宝来小屋に到着。
ここからは明瞭になった林道をなかなか滑らないスキーで進む。
スタートからここまでの林道区間はもしかしたら、ノーエッジのクロカンスキーが最高に楽しめるかもしれない。
そして緩く安全に到着できた。
札幌50峰 39/50 小白山(893m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓薄別
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★★★★ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
承前
九十九折で小川から徐々に距離をとりながら標高をあげていく宝来林道。
約1.5kmほどあるくと、今回の目的の一つ、宝来沼へとたどりつく。
無雪期には、笹に覆われており気づかないこともあるというのだが、積雪期には写真をご覧のとおり沼の端まで労せず近づくことができる。
思っていたよりもそれほど広くはなく、太い針葉樹に囲まれているちょっとした雪の広場のように見える。
右端に見えるのは、これから向かおうとする小白山の尾根なのだろうか。
転じて、林道を進むとほどなくして、
宝来沢川の流れをみることができた。
この沢の水が宝来沼の水源なのだろうか。流下方向をみてみると、林道をくぐり沼へとむかっているように見える。
無雪期にその真相をたしかめたいと思う。
この宝来沢川もかなりの暴れ者のようで、この治水・治山の対象になっているとのこと。膨大な交通量を誇る国道230号線から2kmも離れていないところで、そんな人と自然のドラマがあったのかと思うと感慨深い。
少しだけここで休憩をしてから本日2つ目の目的地、小白山の名無し沼へと歩みをすすめた。
ここからの区間、当初の予定ではシールも使わず林道をたどって、易しい渡渉をおこなえば到着するつもりだったのだが、案外アドベンティブなルートとなった。
宝来沼から離れややしばらくはなんの変哲もない冬の林道ツーリングをおこなっていたのだが、
気がついたら、いつのまにか
林道が途切れ、小川の河畔まででてしまっていた。途中、GPSで確認をしてみると、トラックログが明らかに地形図の林道線からははなれていた。しかし、地形図の林道線は実際の線との差が出ることもあり、しかもその確認した地点までの道の様は道幅も広くあきらかに林道然としていた。しかし、道幅がせまくなり、道の真ん中に若木がたっているようになってきていた。おかしいとおもい道をもどってみたが、GPSの示す林道らしい道が見当たらない。きっと林道整備が追いついていないものかと思ってすのまま進むことにしたのだが、その結果がドンツキとなったのである。
どうやら作業道に迷いこんだらしい。
ここから小川を渡渉して小白山の尾根へと取り付くルートも考えられるだろうが、そうなると今回のもう一つの目的の名無し沼へは未達のまま小白山山頂へ行ってしまうので、林道にルートをもどすこととした。 GPSで確認するとそれほど林道からははなれていないし、標高差もほとんどないといってよい。しかも歩みを進める方向に進路をとっても林道に出会える。
いままでの林道歩きも飽きてきたので、丁度ドンツキの地点には小さな沢形があったので、その傾斜を利用しつつ林の中へとはいっていった。
GPSを慎重に確認しつつほどなくして、
林道へと合流を果たした。天気はよく不安感はまったくといって芽生えなかったが、これが雪が降っている状況だときっと不安で気持ちがなえていたことだろう。
帰りにきづいたのだが、林道からはなれてしまった地点というのは、最近たおれたであろう、白樺の木がアーチ状に道の端から端にかかっており、その上から雪がかぶっていたので、まったくの雪の壁にみえていたのだった。多分よほど注意をしていないとそこの先に道があるとはきづきはしない状態だったのだ。
無事に林道にもどった地点から約500mほど進むと今度は明確な分岐
分岐の右は明らかに林道。左はピンクテープがさがっている細いふみ跡の様子。
小白山へと向かう登山者はだいたいここらあたりから小川河畔へ入っている記録が多く、私もそれに習うこととして左のルートへ。
ちょっとした斜面を斜滑降で河畔まで降りるとスノーブリッヂが目に飛び込んでくる。
だがこのスノーブリッヂ、真ん中あたりが細くなっている。ちょっと危険を感じるのでもう少し良い場所がないものかと上流へ向かうことにした。
それほどあるかなくても、小川の川面が雪におおわれてきて、どこからでも渡れそうな気配をかもし出す。
よさそうなスノーブリッヂをみつけ、
ここからわたることとした。
予想はここからもそれほどきつくない傾斜とよんでいたのだが、なかなかどうして進行方向を眺めてみると結構な傾斜だった。
予定よりははやいが小川を渡渉してすぐに、
シールをつけた。
ここから先に沼があるようには思えない結構な傾斜になっている。沢に沿い、標高を疑心暗鬼にかせいでいった。
その3に続く。
撮影場所 |
札幌市南区定山渓薄別
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アプローチ難度 | ★★★☆☆ |
景観 | ★★★☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |