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正面に風不死岳と樽前山の堂々とした姿を携える支笏湖。いうまでもなく千歳川の源流域になる。
支笏カルデラはやはり美しく。周りを取り囲む山にひょいと登れば、その美しいカルデラの様子をいろいろな角度で眺めることができる。
その様子は本ブログでも、紋別岳、幌平山、風不死岳、樽前山の各山行記としてアップしている。
今回は、イチャンコッペ山へとつなぐ登山路の途中にある前峰から支笏湖を撮影した。
ちょうどこの前峰からは、
恵庭岳の堂々たる姿をみることができ、支笏カルデラのすばらしい展望台となっている。
真夏の暑い日だったので、空気がかすんでしまっているのが残念だが、標高800m前後のこの場所でも樹林帯から抜けているので、時折吹くさわやかな風がきもちいい。
そんなイチャンコッペ山の山行記をしるしたいと思う。
スタート地点は国道453号線の支笏湖展望台にもなっているポロピナイ駐車場のヘアピンカーブの頂点のところにある。
ここから、いきなりの急登が始まる。冬に幌平山へ訪れたときと同じ道をたどるのだが、久々のきついのぼりとこの暑さのせいで、すぐに息があがってしまう。
休み休み登っていき、幌平山トラバースの笹の刈りわけわけ道へとたどり着く。
今回の山行、前半に難所が控えているようだ。先ほどの急登然り、この笹かぶりのトラバース路然り。道の難儀さにあわせ、8月の夏山の難敵が襲い掛かってくる。 アブ・湿気・暑さ。そしてマダニ。
特に、この幌平山トラバース、行きはなんともなかったのだが、帰路に通過した際、10数メートル進んだだけで、ズボンに大量のマダニが付着。払い払い歩くこととなった。山用のズボンを履いていてよかった。これが、ジーパンや、丈の短いパンツや、タイツ類だと確実にマダニに食われていただろう。食われていなくても、家まで連れてかえるリスクが跳ね上がったに違いない。
今年の支笏湖近辺はマダニが元気なようだ。それとも支笏湖北部域は元々マダニの密集地なのだろうか。
笹かぶりのトラバースを抜けると、ちょっとしたこぶの裏手に登山道は続いている。このあたりの道はしっかりと整備されていて、一級国道と感じられる。
一箇所だけ、
ごらんのように、かんばの樹が道に多いかぶさっている箇所があるが、それほど難儀することなく進んでいける。
のんびりとしたトレッキング路だ。
もちろん山をのぼっているのだから途中傾斜のきつい道はある。
そうこうしているとTOPの写真をとった前峰がでてくる。
運動不足の身にはかなりきつい傾斜を休み休みのぼり、広く平らな前峰の上へと飛び出す。
ここからイチャンコッペ山への道は樹林帯はあまりなく、笹に覆われた尾根をしっかりとした道をたどりながら歩いていくことと成る。
前峰からはそれほどあえぐことなく、イチャンコッペの山頂にたどり着くことができた。
遅いスタートだったので、この時点で午後2時近く。だが、今年より、エスビットの固形燃料ストーブとモンベルのクッカーを入手したので、山飯としゃれ込むことにした。
なんとはないインスタントラーメンなのだが、山頂での暖かい汁物はうまいものだ。
5月末の長閑な空気が流れる紋別岳の山頂から、千歳川の起点となる支笏湖を眺める。
千歳川へは、写真左側に見える入り江のようなところからだ。
それにしても、支笏湖は広い。
標高865.6mの紋別岳の山頂からみても、全貌を一枚の写真で治めることがかなわない。
北海道の地図をひらくと、札幌の南西方向の大きな水色として、相応の面積をつかっているのもうなずける。
とはいえ、この紋別岳からの景観はなかなかよい。
正面に、樽前・風不死岳の両秀峰を伺え、視線を返せば、恵庭岳の凛たる姿をみることができる。
なかなかの景観よしのこの山頂までの山行記録を記しておく。
支笏湖温泉街そばのNTTの管理道を使い、ゆったりとした散歩道の山行となる。
少しあるくと入山届けのポストがあり、ここからこの山につけられた管理道をのぼっていく。
道の状態は、舗装がされ、所々傷んでいる場所はあるが、概ね安全な道だ。
小学生の登山遠足につかってもなんら問題が起きそうもない道のり。
ただ、若干つまらない林の中を1時間ほど歩いていくと、
紋別岳の山頂が見えてくる。
ここまで標高を上げてくると、道路につけられている、背の高いガードレールの隙間から、時折支笏湖の姿を見ることができ始める。
見えるたびに、その姿をかえていくので、いままで景観の望めない林の中の車道を歩いていった道のりに、程よいアクセントを添えてくれる。
山頂まであと少しのあたりから、台地状に笹原と疎林の彼方に恵庭岳がみえはじめ、
山頂をぐるっと巻くように敷かれている管理道の北側に出ると残雪が見え始め、それまでの歩行でほてったからだを丁度よい温度まで下げてくれる。天然のクーラーだ。
アンテナ施設までくると、あとはほんの数歩で山頂となる。
アンテナ施設内のほんの少し盛り上がった土の部分が紋別岳の山頂に届く。ここに三角点もある。
ここからの景観はなかなかのものだ。
しかし、今回は若干遠望がかすんでいて、そのすばらしい景観を綺麗に写真に収めることができなかったのが悔やまれる。
山頂で、バウと相方で、おやつを食べたり、コーヒーを沸かしたりのんびりとすごし、日暮れ前までにかえろうと、午後4時過ぎくらいに山頂をあとにした。
撮影場所 |
北海道千歳市紋別 紋別岳山頂
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アプローチ難度 | ★★★☆☆ |
景観 | ★★★★☆ |
撮影機材 | canon EOS kiss x2 |
残雪の残る斜面の向こうにかすんで見える樺戸山地の谷あいに流れる当別川をせき止める青山ダムによって作られた青山貯水池。
ここ神居尻山から流れ出す三番川との合流点もある。
神居尻山は石狩郡の当別町の町内に属しているのだが、ここの稜線をたどり樺戸山地のピンネシリまでたどり着けば空知のそれも中部地区である新十津川町へと抜けることができる。
北海道の各支庁(現振興局)の区切りはだいたいが水系とその分水嶺を元に区切られている。
だが、石狩と空知の境界の根拠がいまいち把握できていなかった。
しかし今回自宅の札幌から当別川に沿って流れる道道28号ふくろう街道をたどりここまできてみると合点がいった。
石狩川の下流で合流している当別川と千歳川の両河川の流域を石狩地方としているのだ。
同じく石狩川下流域で合流している河川には、夕張川もありその流域の大部分は空知地方なのだから、その認識は違うという向きもあるだろが、元々夕張川は南幌と北広島の境界あたりで、千歳川と合流していた。その地点は旧夕張川が流れていることを現在でも確認できる。その流路は夕張川とあわせてすべてが空知地方であるのだ。
開拓期の舟運の要であった、江別およびその下流に位置する当別に流れている千歳・当別両河川をたどって石狩としたのだろう。
多分、開拓史などを丁寧に紐解けばすぐにわかったのだろうが、元来の不精ものの私は、ここまできてさらに神居尻山へと登る山道の中でやっとその考えにいたれた。
以降は、その神居尻山への山行記録を下記に示す。
スタートは道民の森・神居尻地区の学習センターの臨時駐車場から。
春紅葉が美しい。このアスファルトの車道を山に向かって歩き出ししばらくすると、林の中へと遊歩道が切られている。
三番川のそばに切られたこの遊歩道上には丁度桜が見ごろをむかえていた。
この静かな遊歩道をゆっくりとあるき、再度車道に行き当たると、
神居尻山Bコース登山口だ。
ここで登山届けをだして登山道へとはいっていく。
序盤は九十九折の坂道を春の息吹を感じながら穏やかに登っていく。
この日の気温は割りと高めで、まだまだ葉が茂りきっていないな林の中は日の光がどんどん射し込んでくる。
道中には里山の春の花がそこかしこにさきみだれていた。
ゴゼンタチバナ
ミヤマスミレ
カタクリ
ほかにも、エンレイソウ、ツツジ、ショウジョウバカマ、エゾエンゴサク、ニリンソウ、エゾイチゲ等々、枚挙にいとまがない。
そんな花の山をたのしみつつ歩いていくと、
標高400mあたりくらいから、
果てしのない階段の急登が始まる。
ひたすらこの階段を登っていくのだ、
稜線は目の前にみえているのだから距離はそれほどのないのだろうと登るのだが、なかなか稜線へはたどりつけない。
途中に休みどころがあり、中間点かとおもいきや、標識を見てみると登山口から800mとかいてあった。
まだ、800mしかすすんでいないのかと愕然とした。
登山道の総距離が2.7kmと短いことからこのBコースを選んだのだが、失敗だったとこのとき不覚にも思ってしまった。
この階段を少し登り足を止め、少し登りまた足を止めを繰り返し息を切らしながらのぼっていく。
夏山登山の感覚を徐々に取り戻しながらもくもくと登る。
階段の林を上りきると、やっと稜線の道へと飛び出す。
ここからは大パノラマの連続だ。
まだ芽吹かないだけかんばの隙間から雪をたたえた増毛の山々を背後に感じながら、深く切れ込んだ左右の谷をぐるっと回るように稜線は続く。
途中、途中、大小のこぶを越えていく急な坂道もある。
だが、そのこぶに乗ったあとの展望が疲れを癒してくれる。
趣味として登山を始めて、二年目になるが、夏山での規模は小さいがダイナミックな稜線歩きは始めての体験だ。
今、写真を見返しても気分が上がる。
山頂への急登を息を切らせながらゆっくりと歩いていると道警のヘリがぐんぐんちかづいてきた。
稜線上を旋回している。
遭難者でもでたのだろうかと一抹の不安を抱えながら、急坂を登りきり、
山頂が目の前のところまでくる。
遠くにレーダードームを携えるピンネシリと、Aコースの稜線上に建つ非難小屋。
この風景を見たくてここまできたのだ。
高所にある小屋をみるのも始めてなので、うれしくなる。
ニコニコしながら気分よく後は山頂を踏むだけと、歩みを進めていくと、山頂には4人ほどたっていた。
どこかのパーティかとおもいつつ山頂に到着をして、そのうちの一人と挨拶を交わす。
曰く、
BコースとCコースの間辺りで羆の発見があったとのこと。
そして、
先ほどから上空を旋回している道警のヘリは、女性二人の登山客が救助要請を出したために飛んできたとのこと。
その女性客は非難小屋あたりに居ることを山頂からも確認できた。
道警ヘリは稜線を旋回し、その女性客の上空でホバリングをし女性を吊り上げ、救助作業をはじめた。
期せずして神居尻山からの山頂写真はヘリによる救助作業の光景も写ることとなったのだ。
道警ヘリは女性二人を回収しとびさっていった。
残された山頂の3人と私を含めた4人。
件の三人にはパーティではなく、別々にのぼってきた3人だそうで、羆の知らせがあり道警ヘリが飛んでいたことで、即席のパーティを組みBコースを使って下山をするとのこと。
私も誘われた。
今回の山行用にエスビットのコンパクトストーブとモンベルのクッカーを新調し山頂で湯を温めようとおもっていたのだが、どうやらそんな悠長な雰囲気ではなくなってしまっていた。
私も即席パーティに加わることを決め、下山を開始した。
パーティのリーダー格となった男性はこの山へはよく来ているようで、私を含めた残りの三人は始めてなので、彼の指示とペースに従い進んでいった。
初めての身内以外でのパーティだ。
途中途中休みながら山談義をしつつBコースをおりていく。
登山中もそうだったのだが、Bコースには羆の気配は微塵もなかった。
春先とはいえ、昼の1時くらいの真昼間。気温も20度をこえている晴れ。人里からはなれているとはいえ、治山の工事や自衛隊の演習が入っているこの山。羆がそんな時間に活発に動くとは思えない。
でも、発見報告があり、道警ヘリも存在を確認したようなので要ることはたしかなのだろう。
まったくもって穏やかな天気の中、羆の気配に注意をしながら4人で無事に到着できた。
帰りしな道民の森の管理人氏にねぎらいの言葉を受け、4人とも思い思いに車に乗り帰路についた。
撮影場所 |
北海道石狩郡当別町青山奥 神居尻山山頂
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★★★★ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
ゴールデンウィークとなり、標高500m前後の山からはほとんど雪がなくなってくる。
もう少し標高の低い地点では木々の葉も茂ってくる。
札幌の山間にも遅い春が少しづつやってきた。
ここは八剣山山頂。ここから眺めたのは、豊滝と砥山の境を大きく蛇行をする豊平川と、そこにかかる橋の脇あたりに落ちる、八剣山を源流とした東砥山川の合流点。
この山からはその豊平川の蛇行具合がよく観察できる。
去年も、この時期一人で八剣山に登っているのだが、今年は私を含め三人で登った。
そのときの様子は、
ヤマレコに記載しているので、お目汚し程度にどうぞ。
撮影場所 |
北海道札幌市南区砥山 八剣山山頂
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★★★★ |
撮影機材 | NIKON D3000 |
湯の沢川。
全国各地でよく目にする川の名前。 この名前を持つ河川は札幌市内でも複数ある。
大抵はその名のとおり、温泉がそばにある川の場合が多いのだが、今回訪れた定山渓豊羽地区で白井川に合わせられる、湯の沢川(白井川支流)もその例に漏れないようだ。
今回この白井川と湯の沢川の合流点から程近い白井川にかかる山鳥橋を渡り、道道95号線の対岸にある、札幌50峰の一つの南岳を目指していったのだが、この道中の前半では硫黄の匂いが終始していた。
はたしてインターネットで調べてみると、湯の沢川の上流には
地熱変質作用により形成された変質帯があり、蛋白石化、黄鉄鉱化、昇華硫黄の形成がみられ、昇華硫黄のみられるところでは、硫化水素臭をもったガスと冷鉱泉の湧出がみられる。
とのこと。
また、この地質を変性させた地熱を利用し地熱発電に利用できるかどうかの調査もおこなわれているとのこと。
なるほど、名前に偽りはない。
元来、定山渓周辺の豊平川には川床から高温の温泉が自然湧出している。
定山渓近辺には大きな活火山はないのだが、地熱が非常に高い地域があるのだ。
そんな発見をできるのも、実際に川の場所までいって撮影をして感じられることだと、うれしい気持ちになる。
そんなちょっとした喜びを胸に、前述のとおり南岳へ登路のレポートを下記に記す。
スタートは
白井川にかかる山鳥橋の向かいに車を止め、ここからスタートとする。
この日の天気予報は晴れ間もありそうだったのだが、残念ながらご覧のとおり、霧に包まれたスタートとなった。
今回のルートは山鳥橋を渡ったあと右側に伸びている山鳥峰林道を最後まで詰め、そこから南岳の主尾根の稜線歩きを楽しもうと計画した。
道具は、いつものロシニョールBC110&スカルパT4のテレマークスキー。
春になり気温が高いし、ルートも割りとなだらかな傾斜が多いようなので、今回の最大の目標としては最後までシールをつけずスキーのうろこだけを頼りに登っていこうとおもった。
この林道。地形図からも予想していたが、林道の割には傾斜が強い。これは帰りのスキーが楽しめそうだ。
傾斜が強いとは言え、それは林道レベルだし若干圧雪気味の路面状況ではあるが、雪温も高いのでウロコがよく効く。
途中林道の分岐もあるがスノーモービルのトレースが見事についている山鳥峰林道の本線を迷わず歩いていく。
さらにつぼ足の方々が歩く尾根へ取り付くポイントが現れるが、私はかまわずそれを無視し林道をどんどんつめる。
南岳の主尾根の一部まで林道がきられていてここからはトレースはほとんどなくなり、雪質も所々に湿った雪の層が現れる。
この雪の層に乗るとスキーがいきなり重くなる。これが所謂ストップ雪といわれるものだろうか。
林道をつめ切ると、
今回のルート上最大の核心である、急な細尾根が現れる。
この区間の距離は地形図をみてみると直線距離にして約200m。標高差は約50m強
ここを過ぎればわりと緩やかな尾根歩きとなるはずだ。
シールをつけずにジグザグを切って登っていく。急傾斜のステップターンは最初はとまどったが、ゆっくりと落ち着いてこの難所をクリアしていく。
この急傾斜をのぼりきると、予想通り緩やかな稜線歩きがまっていた。
天気が悪いのとストップ雪が出てくる重い雪質が残念だが、ウロコ板で歩くには最高のロケーションだ。
ここからは、ジオグラフィカの地形図をみながら、この極楽尾根の所々に現れるコブをつないで、南岳の山頂を目指すこととする。
まずは急傾斜を過ぎてすぐに現れる、811m標高点。
ひとつめのコブをクリアしたことで俄然やる気がでてくるものだ。尾根はゆるやか、気温が高いとはいえ暑さでばてるような気温ではない。いままで山歩きをしたなかでは最高にお気楽気分の極楽尾根だ。
co811を過ぎちょっとしたコブを巻いて歩くとそれまで割りと込んでいた樹林もすっかりまばらになり始めオープンバーンが目に入る、雪のいいときだと初心者にとっては最高の斜面になると思われる斜面だ。
この斜面のTOPが山鳥峰。三等三角点だ。
このあたりで歩いているばしょに日があたった。今回の山行中唯一の晴れ間だった。
しかし、周りは雲に包まれ眺望をえられなかった。
この山鳥峰を乗り越し、一旦コル状のところまで下降する。
初心者にとっては丁度よい距離の直滑降斜面。
喜び勇んで、スキーを滑らせる。
しかし、
快調に飛ばせたのは最初の一瞬。
斜面の終り近くで、いきなりストップ雪に板をつかまれ前にほうりだされた。
頭から見事に着地だ。
テレマークスキーってのは頭から転ぶとはよくきいていたのだが、今回初めてそれを経験した。
こんなにも見事に、豪快に、頭から飛びこむものなのだと驚きもした。
気を取り直し、次に待ち受けたコブを登りまた下降しようとスキーを滑らせると、
またもや同じように頭から突っ込む。
どうやら、足をそろえての直滑降だと私は前に重心が偏重しているようなのだろう。
これは気をつけなければ。
次の滑降時にはテレマーク姿勢で直滑降しようと心に誓う。
そんなことをおもいながら、歩みをすすめ、
937m標高点へと到着。
いままでの標高点とはピンクリボンなんかがぶらさげられていたのが、ここはあっさりとしてものだった。
ここからは、あとは山頂へともうひといき。
のぼり易そうな場所を探しながら、
ゆっくりと、
南岳山頂を踏むことができた。
いままでの山スキー山行の中で始めてのウロコのみでの山頂踏破だ。
シールの脱着は必要ないのだが、この雪質だと下山時にワックスが必要と判断し、スキーを脱ぎワックスをつけついでにちょっと一息をして、下山とした。
下山時は、
予想通りストップ雪にスキーは進まない。
しかし、さっきの経験を活かし、直滑降でもテレマークスタイルを維持し、ゆっくりとすべる。
テレマークスタイルは前後への重心バランスが非常に安定するものだ。
いきなり頭から突っ込むことはなくなった。
しかし、雪質が重いのでターンを楽しめる局面は数箇所くらいだった。
それでも初心者の私にとってはとても楽しい山スキーだ。
ゲレンデ以外で初めてテレマークターンもすることができた。
最大の難所の急斜面はびびりながらもへなへななターンでおりてきて、林道出合いに到着。
最初の予想通り、今回一番スピードがでてスキーで滑った感覚はこの林道区間であった。
GPSの標高ログをみてみても、この区間が一番傾斜がある。
気分よくスキーをすべらせ。
のぼりの半分の時間で到着とあいなった。
札幌50峰 43/50 南岳(982.9m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓豊羽 湯ノ沢橋
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アプローチ難度 | ★★☆☆☆ |
景観 | ★★★★☆ |
撮影機材 | NIKON D3000 |
定山渓の奥、豊平川は国道230号線を離れ、深い渓谷豊平渓をつくり上げる。豊平渓ダムによって作られたダム湖定山湖の手前はかなり原初の雰囲気を残した沢が点在している。
今回訪れたこの漁入沢川との合流点。写真は若干遠い位置からの写真になってしまっているが、そんな点在している豊平川上流域の沢との合流点の一つ。
ただ、私にとってはとても重要な川である。
現在、このブログでもかなりな数登山をからめたエントリーが多いのだが、そのきっかけとなった川でもあるのだ。
川の写真を撮ることを趣味としてはじめた初期のころ、河川情報を集めるために参考にした、札幌市のホームページの中の札幌市の河川分類というページ。一級河川・二級河川などの河川分類のガイドラインとも言えるページなのだが、ページ内には札幌市が管理している、
●一級河川(石狩川水系) ●二級河川(新川および星置川水系)
●準用河川(一級水系) ●準用河川(二級水系)
の河川名がかかれているのである。
川・撮り歩きをしているものとしてみては願ってもいないページなのだ。
そして、掲載されている河川の場所を
で探してみると、なかなかいけそうにない河川が一つだけあった。
それが、この漁入沢川だった。
他の河川へのアクセスは割りと道路沿いからちょっとがんばればたどりつけれる場所で、バウとの散歩には丁度良いのだが、この河川だけは、一体どうやってたどるのだろうと、インターネットをもっとしらべてみると、登山や沢登の記録がどんどんヒットする。それを呼んでみると国道230号線の望岳橋から標高差250m下の谷間に降りてから云々といった記述ばかり。そんな記述を読んでいるうちに、この川を拝むためには登山スキルが必要なのだと思い込んでしまった。そしてこの川を拝むために登山を始め、その結果が現在の「川と登山と写真(時々鉄道)」のためのブログスタイルとなっていったのだ
今思うと、ここへたどるためには定山渓トンネル先の豊平川右岸林道をたどればよいのだけの話なのだが、そのころの私にとっては林道歩き自体も登山の一種と思えるくらいハードルの高い行為であるので、どのみちこのような結果になっていたのだろう。
なにはともあれ、この川を拝むためのトレーニングが成果を出せたと思えたので満を持して今回のアプローチとなった。
結果は若干遠い写真ではあるが、写真に収めることができた。これで、前述の札幌市の河川分類の一級河川(石狩川水系)に掲載されている、全44河川を写真に納めることができた。私にとってはこの日は記念すべき日なのである。
札幌市の河川分類に掲載されている全河川撮影には、
の7河川が足りないが、多分年内には残りの撮影もできるようがんばりたい。
ところで、最近のこのブログのテーマの一つ、札幌50峰の一つ大二股山へのルートもここからスタートできるので、むかっていた。今回の山行では私にとっての新たな試みをおこなったのだ。
上の写真はスタート地点での望岳橋駐車場で撮影したもの。
今回のルート上には長い林道区間と、望岳橋から標高差250mの谷くだりがある。
以前、小白山登行のときに感じた林道歩きにはノーエッジのクロカン板が楽しいのではないかという感想。幸いにも私の手元には父親より譲り受けたYAMAHAのSTD CCというセンター幅45mm程度のノーエッジワックスレスタイプのクロカン板にマーカーの古い3ピンビンディングがついたスキーがあるのだ。靴はこれまたゆずり受けたTOYOというメーカーの古い3ピンクロカンシューズ。
これを装備して今回の山行の林道を楽しもうとおもったのだが、なにぶん望岳橋から急降下はこの板では絶対無理である。いや、普段はいているロシニョールBC110でも無理だろうし、たとえATスキーをもっていてもここで履こうと思えない。
そこで考えたのが、この急降下区間は徒歩での雪山歩きのときに使うKEENのウインターポートにスーパーカンジキのセットでクリアをして、林道区間から大二股山からはスキーで楽しむという計画。
そこでこのようなシートラスタイルとあいなった。いつものLOWアルパインのバックパックに登山趣味初期のころにつかっていたMIZUNOのディパックをくくりつけ靴入れとした。
これから先、札幌50峰を狙うにしろ他の山を狙うにしろシートラをおこなう局面がおきてくることも考えられるので、今回はその訓練でもある。
初めてのシートラにはこのYAMAHAのスキーとTOYOの靴の軽量さはねがってもかなったりなのだが、それでも重さが気になるので今回はいつも一眼スタイルは遠慮と相成った。カメラはSONYのコンデジとSIGMAのDP2の軽量セットとした。
このスタイルでいざ谷間を急降下。
雪は適度に埋まるザラメ。思ったよりも歩きやすい。春のこの時期にこのルートを選んだのは正解だった。スーパーカンジキとウインターポートの組み合わせは約一年ぶりだが心強い。
順調に降下をしていき、
一本目の林道にたどり着く。
この日の中山峠付近望岳橋あたりからは霧が立ち込め、道中の天気概況では視程50m程度とのことだった。実際望岳橋から先は見事に霧につつまれていた。しかし、降下をしてくと当然ながら霧は薄まっていき、視野がなくなることはなかった。霧雨は間断なく落ちてはいたがそれほど気になる量ではない。
木々は密にはえており、急傾斜とあわせてスキーでの降下はまったくもって私には無理だろう。
一本目の林道からさらに降下をしていき、
豊平川右岸林道へと到着する。
ここで、ウインターポート&スーパーカンジキのセットからYAMAHA STD CC &TOYOの靴に履き替える。
ウインターポートは最近の冬靴の例に漏れず対雪での防水機能は充分でこんな気温の高いザラメの雪での歩行でも足元を快適に保ってくれるのだが、スキー用の靴はなにぶん古いもので、一昔もふた昔も前のやすい陸上競技用のナイロン靴にゴムでテレコバをつけたようなもの。靴の中は起毛使用になっているが、どうみても防水にはなっていない。この点に一抹の不安をかかえていたが、この時期の豊平川右岸林道は雪を溶かすための重機がはいっているだろうとの予想が的中。靴を雪の中に突っ込むことはなかった。この時点での心配な点は天から落ちてくる雨による靴濡れだけだった。
果たしてスキーに履き替え歩み始めてみると、ものすごく足が軽快に進む。
いつものロシニョールBC110&スカルパT4だとシールをつけなくともこうはいかない。
感触でいうと、ロシニョールBC110&スカルパT4は「ズリズリっ」と引きずって歩く感触。
一方このYAMAHA STD CC&TOYOは「シュっ」と前に滑り出す感触。
クロカンスキーの評で滑走とかスキッドとかの表現が多くみられ、これまでは平地のスキーで大げさだなと思っていたのだがその考えは今回で大きく覆された。まさに、「滑走」であり「スキッド」であり「グライド」だ。非常に気持ちが良い。
そんな初めての感覚に感動しながら少し進むと、豊平川を渡る橋にたどり着く、
橋の上は重機のおかげもありコンクリートが出ている。こんな場面でも今回のスキー装備だとスッと板をはずし軽いスキーを抱えテレ靴で歩き始めることができる。
豊平川がつくり上げる渓谷美を堪能できる。これは紅葉時期にでも見てみるとまたちがった美しさを堪能できるのだろう。
この橋を渡ると林道は
漁入林道となり若干傾斜がついてくる。
だがこれくらいの傾斜ぐらいは今回のクロカン板だと平地変わらない感覚ですべり出すことができる。すごぶる快適だ。
雪が整地されたこの林道を左の眼下に漁入沢川をみながら進んでいくと
ここからはザラメ雪の足首くらのラッセルとなる。
ラッセルに関してもこれくらいの傾斜地だとYAMAHA STD CCは、適度にテール側が沈みこみトップのラウンド具合の効果もあるのだろう、トップが沈み込むことなくスキーを前に出しやすくしてくれる。
ロシニョールBC110だとスキーの太さもあるからここまで沈むことはないのだがもう少し深くなるとトップは雪の中に埋まり足を前にだすのが激しく難儀な行動となる。
その点からも、平地&緩い傾斜地でのクロカン板の優位性はすばらしい。
ただ、ここから心配していた古いナイロン靴問題が顕在化してきた。
足首までザラメの中に埋まる、靴についた雪は水分を多めに含んでおり、たやすく体温で水化する。その水が容赦なく靴の中に進入してくるのだ。
いままでの無雪期のハイキングでもキャラバンスタンダードや、普通のスニーカーをはいて不幸にも雨や朝露で靴下まで水浸しになったことは何度もある。そのたびに靴の重要性を考えさせられるのだが、雪山でこんな水浸しになってくるとは不快を通り越して不安を生んでくる。
春の雪山なので気温がそれほど低くならないのと常に運動をしている状態なので、凍傷のリスクはないので良いのだが、これが厳冬期だとしたらゾッとする。
写真を撮る気もこのあたりからうせだし、もくもくと林道をたどっていく。
途中林道をショートカットできそうな場所で、少しだけ急な沢形がありそこにふみいってみた。
そうすると途端にノーエッジのクロカン板の弱点が露呈してきた。
ハの字登高をしても所々でスリップをする。ジグザグ登高をしてもスチールエッジではないので、、エッジのかかりが悪く思うように進めない。センター幅45mmというのは、足の幅よりもかなり狭い。しかもきついダブルキャンバーで板のセンターへ向けてどんどん高くなっている。しかも、靴のコバと靴本体とのつなぎはゴムとナイロン。これは、エッジングをしようと板を傾けると靴がコバだけを残して、板からずり落ちるのだ。のぼりのエッチングでさえこれなのだから、通常スキーでの滑降をたのしめそうなz斜面でのターンなぞ望めないだろう。帰りはおとなしく林道をたどろうと心にきめた。
いや、それよりも今回の山行、途中敗退でも良いだろうとまでおもってきた。
そんな気持ちが湧き上がるたびにジオグラフィカを覗き、徐々につまる山頂までの距離を折れそうな心を奮いたたせ足を前に出していった。
大二股山山頂へのと取り付きやすいところから林道を離れ疎林の尾根を登っていく、緩い斜面なのだが、この板だとそこそこ苦労する。
なんとか稜線を見つけぐちょぐちょの靴に我慢をしつつ山頂を探してみると、疎林の果てに針葉樹でかこまれた一点の奥に
山頂標識をみつけた。丁度このあたりでぐずついてた空模様がちょっとの風によって雲を吹き飛ばし、青空がみえてきた。
福音のように感じたのは言うまでもない。
山頂広場に立ち入り山頂標識のそばで陽の光に温まり一服をした。相変わらず靴の中は不快なのだがひとごこちつけた。
帰りの最大の難関は最後の望岳橋までののぼり返しだろうと心においておいたのだが、この山頂からのくだりも今回のスキーでは難所となった。エッジングがうまくいかない。靴の材質がここまでターンに影響するのかと。
今回の装備は不完全だったのだと改めて反省をした。板の性能に関してはこれでよいので、靴とビンディングの見直しをおこなわなければ、楽しい山行には程遠い。
そんな気持ちを引きずりながら帰りの林道をとぼとぼと歩いていった。
前回の長尾山のくだりの満足度がたかかっただけに、今回のくだり時のギャップは激しい。のぼり時の軽快さがあったからまだ軽減されているくらいか。
のぼり返し地点で、ウインターポートに履き替えようとびしょびしょになった靴を脱ぐと靴下が絞れそうなくらい水を含んでいた。
はだしでウインターポートに履き替え、スーパーカンジキを装着し、250mののぼりを休み休みのぼって、望岳橋の駐車場までたどりついたころには、豊平渓に虹がかかっていた。
札幌50峰 42/50 大二股山(856m) GET
撮影場所 |
北海道札幌市南区定山渓 豊平川右岸林道
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★☆☆☆ |
撮影機材 | SIGMA DP2 |
4月に入ると札幌の豪雪地帯豊羽地区でも雪解けが進んでくる。
道道95線に沿って流れる白井川は定山渓西部の山間を深い谷をつくっている、特に道路がつけられていない左岸は雪解けのこの時期、雪つきの悪い崖面がご覧のように荒々しい地肌を見せ付けてくれる。
この写真はちょうど右下からながれてきている、胡桃沢川との合流点を道道95号線に架かっている胡桃橋からとったもの。
定山渓奥の山間には無数の林道がつけられてれいる。その多数は大小の沢沿いにつけられていて、林道名もその沢の名を冠しているところが多い。
今回は、この胡桃沢沿いにつけられている楜沢林道をたどり、札幌50峰の一つ長尾山へと向かうこととする。
胡桃沢林道は、残念ながらこの合流点からスタートしているわけではなく、無意根山の登山口でもある、無意根山荘跡からスタートとなった。
夜明けと同時くらいに雪面に向かう。遠くには定山渓天狗岳が頭をのぞかせている。ここ、豊羽の地は札幌市内の高い山がすぐそに迫ってきており、すごぶる景観の良い地だ。
林道は広く、なだらかな坂が続く。雪はこの時期だからだろう、日中に融けた後、夜半に再び凍るを繰り返したクラストした雪面。その雪面をいつものロシニョールBC110でシールをつけずに歩いていく。
パリパリのクラストした雪面ではウロコが効きづらいのを覚悟して挑んだので、スリップしてもそれほどいやな気分にはならず、かえってウロコの効果的な利かせかたを研究しながらの林道ツアーとしてあるいていった。
少しづつ日が高くなっていくとともに体に当たる陽の光の温度が変わっていくこの時間帯の山歩きは気分も良くなる。山歩きは晴れの日がいいものだ。
ただ残念なのは、肝心の楜沢をみることができずに、長尾山へと向かう尾根への離合箇所に到着してしまったことか。
ここからはスキーにシールをつけて尾根へとのぼっていく。
それほど傾斜はきつくなく、尾根も広く、木々もそれほど込んでいなく、のんびりと春の雪山を感じるには丁度良い尾根歩きだ。
標高を上げるにつれ木々が少しづつまならになってきて、900mを越えたあたりでちょっとした沢形にだどりつく。
スキーの後が思い思いにつけられて楽しそうな疎林だ。
後ろを振り返ると、
定山渓天狗岳などの山々が堂々と背後にひかえていた。
今回は写真はないが、余市だけの真っ白い姿がドーンと見えたときは思わず声が出た。
この沢形をつめていくと、
無意根~長尾山の主稜線ともいえる千尺高地の稜線が壁のようにみえだしてくる。
ここが今回の山行の最大の核心部だ。
雪面は硬くパックされており、エッジも聞かない場所が所々に出てくる。しかもデブリっぽい後が少しみえてきもする。
なんとか速やかにこの場所を通過したいのだが、のぼりやすいルートを探そうにもなかなかな斜面が待ち構えていた。
あっちこっちとルートを変えてはみたがどこも変わらず、千尺ピークの左側の切れ込んだ沢形を目指して時々階段登高をしながら悪戦苦闘しつつ少し傾斜がゆるむところまでたどり着くと、羊蹄山の頭がものすごく近い感覚でみえてきだした。
これにはまた声がでてしまった。登山を趣味としてからこんなにも感動したことはなかったではなかろうか。
千尺高地の稜線にのぼりきると
スノーモービルのキャタピラのあとがちょっと邪魔だが、無意根山や羊蹄山、そして、
これから向かう長尾山がみえた。
ここから長尾山までの稜線歩きは絶景の連続だ。
夏に無意根山までのぼったときは今回のルートと程近い場所をのぼっていたのだが、あたり一面笹に覆われた登山道だったので、ここまでの絶景を見ることができていなかった。ただ夏は夏で様々な感動をあたえてはくれていた。まったくもって、この無意根山塊は私にいつも感動をあたえてくれる。
ここからは展望を楽しみつつ
長尾山の山頂へとたどりついた。
さすがに4月になっているので、スノーモンスターは拝めなかったが、
無意根山と羊蹄山の抜群なコンビネーションを見ることができた。
抜群な景観をのぞみつつシールをはずし下山準備をした。
天気予報だと爆風とのことだった。若干風は強いもものの日差しもよく景観もよかったので、それほど苦ではなかった。多分風速も予報よりもよわかったのだろう。
千尺の壁までの緩やかな斜面をのんびりとすべり
羊蹄山とニセコの山々のコラボを眺めながら、順調に苦もなく千尺北壁のドロップ地点まで移動。
ここでカメラをザックにしまい北壁滑走の準備をした。
北壁は余市岳や定山渓天狗岳方面へとすべり降りる斜面だ。
こんななんとも言い難い景色に向かってすべり降りるわくわく感とともに、先ほど登ってきた雪面のパック具合と急な斜面への恐怖心がない交ぜとなり、なかなか心が斜面へ向かいきれなかった。
意を決して斜面をくだるものの、この急斜面は斜滑降メインで降りていくこととした。
その後の疎林帯の緩やかな斜面ではツリーランを心行くまでたのしめた。
これまでの練習の成果だろうか、木々の狭い間隔でもビビることもなく降りてこられた。尾根を下り終わり林道も程よくすべる雪面だったので、役一時間ほどで駐車場所へと降りることができた。
登山にスキーを導入した理由として、緩くのぼってゆくる降りてくることなのだが、今回初めてその目論見どおりに山行を無事に終えることができた。
札幌50峰 41/50 長尾山(1211m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓豊羽 胡桃橋
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アプローチ難度 | ★☆☆☆☆ |
景観 | ★★★☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
スノーブリッジ。冬の間にしかかからない橋。
現象的には何のことはないただ単に沢が雪で埋まっているだけの話。
しかし、冬の山遊びをする人には「スノーブリッジ」と呼ばれる箇所には、それ以上の意味が生じる。
これができることによって、夏場はなかなか行くことができない山の頂を踏むことができるようになる。
件の人たちにとっては、雪が降るとこの儚い橋ができるのを心待ちにし、季節が進み彼岸を過ぎるころになると、いつ崩れるのかと心乱す。
この奥手稲の沢川にかかったスノーブリッジも、そんな特別な橋の一つ。
札幌50峰に数えられる、つげ山へのメジャールートが拓かれるのである。
私も、その例にもれずつげ山を目指すこととした。
スタートは今シーズン4回目の訪問となった春香小屋前の駐車スペース。
今回は先行のパーティが数台の車でのりつけていた。やはり人気の山域だ。
最近の定番野装備、ロシニョールBC110&スカルパT4&ボレー3ピンを装着して、林道を歩いていく。どうやら、春香山へ向けてブル?がはいったようで、途中の橋をコンクリートが出るくらい2mほどほっていっていた。
そのブルはさすがに奥手稲~つげ山方面の林道には入らず春香山を目指していることがわかったのは、両林道の分岐に到着してからだ。
もう見慣れた奥手稲へ向かう林道をたどり、奥手稲沢川の様子を見ながらスキーを滑らせていく。
4度目にしてはじめて、つげ山への標識があることを発見できた。
この標識の向こうにTOPに掲載したつげ山へのスノーブリッジがある。
彼岸も程近いので慎重にスノーブリッジをわたり、対岸へと渡る。
ここからがつげ山への山行となると思うと少しわくわくする。
林道上はシールをつけずにきた。渡渉後もいけるとこまでシールはつけずにいってみようとおもったものの、あえなくその意思はくじかれ、おとなしくシールをつけた。
無理をすれば、この坂を上れば、いけるかもしれないとは思ったが、冬のスキー登山は無理をしても何も得にはならないと、散々学習した。
案の定、この坂を上った後はわりと緩く広い傾斜になっていたが後悔はまったくしていない。それよりもゆっくりとスキーで坂をのぼっていることが楽しい。
この広く緩い尾根歩きを楽しみながらのぼっていくとほどなくして、今回のルートのランドマークとなっている、co730mのこぶに届く。
このこぶを若干巻き気味に交わして、少し下るとルート核心ともいえる急登の細尾根となる。
巻けそうなところはないものかと逡巡したが、おとなしくこの尾根を使うこととした。
木々が密に生え、スキーではなかなか難儀をする。いや、登りはなんとかなるが、くだりがとても心配になる尾根だ。
木々をかわし、急な斜面をジグを切りながらつめて行くと、やがて
台地状の緩やかな地形となる。これは帰りのスキーが楽しそうだ。
天気は小雨交じりだが風はほとんどなく、存外行動しやすい。眺望がほとんど望めないのが残念だが、ガスがすこしかかったくらいの雪山もおつなものと気持ちを切り替えゆっくりとのぼっていく。
この台地についてからはそれほど難儀することもなく、
つげ山の山頂へとたどりついた。
山名の標識はなく、丁度標高点になるところにカンバの若木がたっていた。
ついでなので、山頂尾根を奥までいって大きな木のあるところでシールをはずそうと歩みを進めた。
雲が奥手稲山方面からこちらにせまってきていたので、眺望はまったくなく、この地点から山頂の写真をとり、
シールをはずし下山のため一眼をしまってザックを背負いスキーをはきなおすと、
少しだけ春香山方向の雲がきれた。
あわてて予備に胸ポケットにしまっていたコンデジで撮影。
まったく山の天気はきまぐれだ。
雪は適度に重いザラメ。
私のテクニックだとうまくターンができないくらいの雪質。
おとなしく直滑降と斜滑降で山頂台地を楽しむ。
その後細尾根区間をよちよちとくだり、730mポコ下はふらふらとターンをしつつ、林道は自動運転のごとくくだっていき無事到着とあいなった。
札幌50峰 40/50 つげ山(934.8m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓
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アプローチ難度 | ★★☆☆☆ |
景観 | ★☆☆☆☆ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |
承前
小川の渡渉地点をスノーブリッヂで渡り、シールを装着。目の前には小白山へと通じる北面の支尾根の一部の沢形。GPSを確認しながら、この尾根を沢形からはなれつつ尾根へと取り付く感じで登っていく。
沢からもはられてきたので、沼があるなどとは思えない地形。それでもGPSを頼りに尾根にのったような場所にたどり着くと、突然目の前に広がる、小白山名無し沼。
樹林帯の傾斜地をつめて突然広がるこの光景に「ほ~っ!」と声を上げる。
空沼岳の真簾沼を見たときの感覚に近い、いきなり訪れる開放感。
感嘆のまま、何度もシャッターを押す。
小川の支流筋にあたるのだろうか。
先ほど訪れた、宝来沼の数倍はある広さ。夏場は人も訪れずヒッソリと森の静寂とともにあるのだろう。
しかし、美しい。
この光景を独り占めできただけでも、この山行は成功だ。
沼の東側へと移動をしながら数十分、この沼のほとりで写真をとったりみほれたりしていた。
あと、目指すのは小白山の頂上だ。主尾根への取り付きはこの沼の東側が丁度いいそうなので、登りやすそうなところを探して取り付くことにした。
主尾根のコル状を目指し、高度あげていく。今回の山行で一番ののぼりごたえのある区間だ。
ゆっくりとあるき、主尾根へとたどりついた。
主尾根はわりとどっしりとした幅。
傾斜はほどよく、歩く身としては、なかなか助かる。
所謂顕著な尾根という姿だ。
ただ強いて言うならば、ほかの山影がないため、強めの風が間断なくふいてきていことくらいか。
今回の山行では眺望が期待できないとおもっていたのだが、
札幌岳方面に開けた場所があった。これは予想外の収穫。ちょっとしたお得感をえられた。
山頂までの広い尾根とちょっとした細尾根を雪庇に気をつけながら、
無事山頂へ到着。
天気は悪くはなかったが、風がつよかったので休憩もそこそこにシールをつけたまま、程よい場所まで降りる。
下山ルートは登り方向をピストンせず、尾根を反対側にすすみ、奥までつけられている林道を利用することにした。
反対側の尾根は以外と細く、雪庇の区間もあり割りと緊張をするが、程なくして広い樹林帯となる。
風よけになりそうな場所をさがし、休憩とシールをはがす。
さて、林道を探そうかとすすんだのだが、それらしきところはなかなか見当たらず、何度もGPSを見直す。
それっぽいところにあたりをつけて、GPSと照合しここだと確定。
気をつけなければ迷いそうな場所だ。
事前情報では、雪崩区間ありとのこと。ここからみてみてもあきらかにそれとわかるよう斜面。
デブリも少し見えている。
慎重に速やかに雪崩区間をやり過ごす。
途中、
なかなかに幻想的な場所もあり、くだりでも冒険気分が味わえる。
何度も続く雪崩箇所をなんとかやり過ごし、
雪に埋もれた宝来小屋に到着。
ここからは明瞭になった林道をなかなか滑らないスキーで進む。
スタートからここまでの林道区間はもしかしたら、ノーエッジのクロカンスキーが最高に楽しめるかもしれない。
そして緩く安全に到着できた。
札幌50峰 39/50 小白山(893m) GET
撮影場所 |
札幌市南区定山渓薄別
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アプローチ難度 | ★★★★☆ |
景観 | ★★★★★ |
撮影機材 | CANON EOS KISS X2 |