オタナイの沼(星置川旧河口跡)

オタナイの沼(星置川旧河口跡)

 

オタナイ、オタネ、オタルナイ。

の河口付近は、そうよばれていた。いまでもその名前で呼ぶ人もいるだろう。

古くからの地名があるということは、ここに人の営みがあった証拠。

昭和40代年くらいまではここに小樽内集落があった。

その集落のために新川に小樽内橋というコンクリート製の立派な橋もかけようとしていた。

歴史をどんどんさかのぼってみると、1596年にはここに渡島福山の八木勘右衛門という人物が入植をしてきて、その後オタルナイ場所がひらかれた。

それ以前にはアイヌコタンがあったとの説もある。

オタルナイ(砂の川の道)との意味を持つこの地。

その名の通り、石狩大浜あたりから内陸に続く砂丘域に河川がはしっていた。

現在のの流路がそれに当たる。

その流域はオタルナイ川とよばれていた。

現在、札幌の定山渓ダムを形作っている小樽内川とは別の川だ。

また、朝里ダムによって形付けられたオタルナイ湖の主流河川であるも関係はない。

砂の川の道をつくるオタルナイ川、オタナイ川、オタネ川なのだ。

では、このオタルナイ川は、独立した一本の河川かというと実はそうではない。

手稲の山麓からながれでて、星置扇状地を形作って大浜の砂丘域に流れだすの下流域をアイヌの人たちはそう呼んだのだ。

滝がいくつもあり、急峻な流れを持つ星置川上流域とは様相がまったくことなり平らな砂丘域を静々と流れる様子はまったくの別の川と認識されたのだろう。

そして今回訪れたはそのオタルナイ川の河口跡なのだ。

ゆえに、この小さな沼は、清川の河口跡ともいえるし、そもそもが星置川の河口跡なのだ。

星置川は近世にはいってからこの河口を含め、3つの変遷をたどっていることは、以前このブログの谷地川河口~銭函天狗山 純登山その1~谷地川起点、などのエントリーで紹介をしてきた。

三日月湖のように弧を描いているのは、砂浜に流れ出る河川の河口の常で急なRをもって蛇行をしていた名残をそのままのこしているのだろう。

オタナイの沼

オタナイの沼

原始河川の様相をそのまま残しながらオタネ浜のすぐ脇、それでも海岸からの波からの侵食をうけずにひっそりとたたずむオタナイの沼。

オタネ浜側には5月に訪れた突然の夏日の涼を求める人たちの時間が流れていたのがここには時間の流れそのものがないかのようだった。

時をとめたオタナイ沼をあとにし車を置いた新川河口についたころには、時の象徴の太陽が真っ赤な残滓をのこし日本海へと沈んでいった。

春の海
春の海 posted by (C)ジプシー

撮影場所
小樽市銭函 オタネ浜
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 CANON EOS KISS X2

星置川河口(銭函天狗山山頂より)~銭函天狗山純登山その3~

星置川河口~銭函天狗山より~

 

承前

谷地川河口~銭函天狗山 純登山その1~

団地沢川~銭函天狗山純登山その2~

の続きです。

そんなわけで、河口からはじまった銭函天狗山純登山もクライマックスです。

ロープ場を過ぎ、きれたった肩を過ぎ岩稜に飛び出すと、こんな爽快な景色を眺めることができます。

ちょうど、現在のの河口も写真の海岸線のしたのほうにはっきりとみることができます。

新旧星置川河口を一度にしかも別のアングル高度から眺めることができ、おまけに予定外のなんてレアな河川もみることができた今回の山行もそろそろ頂上です。

この場所から若干木が生い茂っている先にあるいていくと、

銭天山頂標識

銭天山頂標識

銭天山頂広場

銭天山頂広場

山頂標識が二つ。そこは広場となっていて、登山客たちの憩いの場となっていました。

そこからさらに奥にいって、定山渓方面をみることのできるところまでいくと、

紅葉の稜線

紅葉の稜線

燃えるような稜線をみることができました。

そんな抜群にいい景色を眺めながら、ご飯を食べ、一休み・ふた休みをし今回の山行を終らせるべく下山へとむかったのでした。

今回の山行、標高536.7mと若干ひくい山ですがとても密度の濃い山行となったのでした。

 

撮影場所
北海道小樽市銭函天狗山
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★★★
撮影機材 nikon d3000

滝の沢川の滝(滝の沢川<星置川支流>)

滝の沢川の滝(滝の沢川<星置川支流>)

の撮影を無事完了した、私とバウの探検隊は本日のメインディッシュ、へと向かい、上の写真のようにしっかりとミッションをコンプリートしたのです。

予想以上の距離と、予想以上の道路状況に戸惑いながら、やっとその姿をみることができた、滝の沢川の滝は緑の中から流れるような3段構えの爽やかな渓流瀑でした。

手稲山乙女の滝ルートの登山道のすぐ横でその姿をみることができるので、きっと登山の人たちの一服の清涼剤となっていることでしょう。

ただ、この登山道脇ってのが滝撮りをするには曲者で、光が充分すぎるほど降り注ぐので、水の流れをシルキーに表現するスローシャッターを活用するためには、普段のレンズにNDフィルター(減光効果のあるフィルター)を使わなければいけなくなります。そして私はNDフィルターをもっていないのでした、、、。なんとかぎりぎりまで絞ってシャッター速度を1/15秒まで遅くしてやっとこんな感じです。理想はもう少しアンダー目に出てくれるとよかったのですが、、、。

また、ここまでの道のり、なかなか予想に反してくれました。

 

まずは、乙女の滝から綺麗に整備された林道をひたすらあるきます。

この林道エコマネジメント株式会社まできちんと整備されています。この会社の業種を調べてみると、鉱業となっていました。いまだ、この金山は鉱業の山なのですね。

綺麗な建物と多分この会社の関係者なのでしょう。何台も車とスライドしました。歩行距離としては、登山口から乙女の滝までの約1.5倍ほどでしょうか。勾配はそれほどきつくないので、あまりきつい感じはしませんでした。

そしてエコマジメントの建屋を過ぎると、

滝の沢分岐

滝の沢分岐

北尾根ルートへの連絡路との分岐に到着します。

北尾根連絡路は多分途中まででしょうが、林道となっていました。乙女の滝ルートは見るからに草ぼうぼうの登山道がはじまりそうでした。

手稲山の登山ルートは割りと案内も豊富で、景勝地に対しても乙女の滝のように案内看板があるものだと思って前調べしていかなかったのが失敗でした。

ついつい、歩きやすそうな道(北尾根ルート)へと足を向けてしまっていました。ヘアピンカーブをすぎると、いままで以上に勾配のきつい坂になって沢からはグンと離れます。

ちょっとおかしいぞと、水分補給の休憩のついでにiPhoneのgeographicaをみようとすると、、、、。スタート前に地図をキャッシュするのをわすれていて、ついでにここは電波が通じていませんでした。 地図をしっかりとみることができません。。でも、このまま歩いても沢筋にはいきそうにもなかったので、きた道を戻り、乙女の滝ルートへと進むこととしました。

乙女の滝ルートは、最初は滝ノ沢川沿いに登山道がつけられていたのですが、じょじょに沢から離れていきます。道路の具合も短い下草や道端の草が多いかぶさるような緑の道となっています。

乙女の滝ルート登山道

乙女の滝ルート登山道

これにはちょっとあせりました。歩けば歩くほど沢の音は遠くなり、道の緑はもしゃもしゃとなってきて、、、、、ほんとにここでいいのかと、地形図を確認しようにも、しっかりとした地図は表示されず、、、。

もう途中から腹をくくりました。もしちがったらこのまま山麓駅まででて、今度は北尾根ルートを下って滝を探そうと、、。

でも、その最悪な予想は軽く裏切られ無事滝の沢川の滝へと到着することができました。

今回、登山道のある夏山でも前調べと紙の地図の携帯が必要だとものすごく実感をしたハイキングとなりました。

ちょっとした散歩気分でしたが、総行程距離7.8kmとなり、バウにとっては最長距離、わたしにとっても前回の砥石山山行についで2番目の歩行距離となりました。

今回は夏山でもリスクの認識と油断は大敵であるといことを充分に学べたのでした。

撮影場所  札幌市手稲区金山 滝の沢川の滝
アプローチ難度 ★★★★☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 NIKON D3000

乙女の滝(滝の沢川<星置川支流>)

乙女の滝(滝の沢川)

前回・前々回につづいて、今回も滝詣でです。

今回おとずれたのは、におちるです。

前回エントリーのと同様、何度も訪れてしまうお気に入りの滝です。

丸い大岩を包み込むように滝のカーテンが覆う直瀑。そして、ちょっとした谷間にはいるので、昼間でも木々にさえぎられた光がまばらに滝に落ちてくるさまは神秘的。 滝つぼの深い濃いブルーとあいまって、そのたおやかさはまさに乙女といったたたずまいです。命名をした人のセンスがうかがえますね。

場所は、手稲区、手稲山乙女の滝ルートのルート上にあります。だからといって、このまま手稲山へのぼったのかというと、今回は山頂をゲットする気は毛頭なく、同じく乙女の滝ルート上にある、滝の沢川の滝までいってかえってくるお気楽散歩としました。だって、、この乙女の滝ルート約9km超えの長丁場。そこまでの距離を歩くのにはまだ経験不足だし、バウもつれてきているし、、、ってな理由です。いつかはバウも一緒に長丁場なれしたら、このルートで山頂を目指したいですけどね。

で、ここまでの道中は以下のルートになります。 滝の沢川の滝までトラックはのびていますが、今回は乙女の滝までのエントリーとして、滝の沢川の滝の紹介は次のエントリーに譲ることとします。

スタート直後の沢沿いの道

スタート直後の沢沿いの道

乙女の滝ルートの登山口の手前に車を置き、(登山客であろう車が3台くらいありました。)登山道へとはいっていきます。何度もきている場所なのでかって知ったるなんとやらで、バウとともどもまったり森林浴をしながらあるきはじめます。この登山道は三菱マテリアルの採石場の私道の脇を通っています。ここを1kmもあるかないで、三菱マテリアルのゲート横に飛び出し、道は林道へとななります。

いつもは、この林道で車を見ることはほとんどなかったのですが、今日はゲートがあいていて、自動車と数回スライドしました。今日は昼近くにはいっていったせいなのでしょうがね。この林道脇の法面には手稲鉱山の坑道跡があります。始めきたときは、防空壕???とびびりましたが、よくよく調べるとこの金山地区はその名の通り金が産出されていた鉱山だったようで、その時につかわれていた、坑道とのこと。まぁ、はじめてみるとその朽ちた風情に威圧感をかんじてしまいますけどね。

そこを過ぎるとゲートがあります。

ゲート

ゲート

今日は、ゲートがあいていました。
ここから2車線幅のよく整備された林道をあるいていくと、しばらくして、

乙女の滝の看板

乙女の滝の看板

乙女の滝の看板があります。この看板にしたがってふみ跡を林の中にたどっていくと、TOPの写真のようなたおやかな乙女の滝が出迎えてくれます。

この乙女の滝までのふみ跡の周りには、住宅の基礎の跡のようなものがあちらこちらに点在してますし石塀のようなものまであったりします。

石塀のようなもの

石塀のようなもの

建屋の跡はさすがにありませんが、往時にはこの金山鉱山の周辺は鉱山で働く人たちでかなりにぎわっていたとのことです。

こういった自然に帰った集落跡をみると人の営みの無常をかんじてしまいます。

きっと今回訪れた乙女の滝という名前をつけたのは、このあたりに住んでいた人の誰かなのではないかなとかおもってしまいます。

そんな時間をすごしながらバウと私は次の目的地、滝の沢川の滝へと向かうのでした。

撮影場所  札幌市手稲区金山 乙女の滝
アプローチ難度 ★★★☆☆
景観 ★★★★☆
撮影機材 NIKON D3000

星置旧川道を歩く 星観緑地から星置南4丁目

星置川旧川道を歩く

ここ最近4エントリーは星観緑地近辺の川の合流点を掲載してきましたが、今回のエントリーはその締めくくりです。この星観緑地の西縁は札幌市と小樽市の境界となっています。市区町村の境界ってのは概して川の跡であることが多く、この小樽・札幌間の境界も間違いなくの旧流路であることが、今昔MAPの1916年の地図を見ても確認とれました。


そこで、折角なので、歩いてみようとバウと一緒にでかけていたのでした。

そのGPSの記録を下記にしるします。

では、歩行記をスタートします。

スタート

スタート

スタートは、起点の対岸からです。境界なので、写真にも少しうつっていますが、境界を示す紅白のポールがたっていましたので、そこを目印に歩いていきます。小樽側は行き捨て場になっていて、うずたかく雪がつまれていましたが、札幌側はすっかり雪が消えて畑の準備が始まりそうな感じでした。

星観緑地入り口

星観緑地入り口

そこから畑の縁沿いに歩くと、下手稲通りにぶつかり、星観緑地へと入っていきます。小樽側に目を向けると、であろうくぼ地も目にはいります。

ポンナイ川との境

ポンナイ川との境

この写真でみると左側に伸びるくぼ地が星置川の旧流路で右側のコンクリの構造物の先がポンナイ川の流路になります。

進行方向はもちろん、星観緑地の中へなのですが、この緑地の縁はちょっとした林になっており、融雪直後のため緑地の境界をしめる木の塀は所々倒れています。きっとこれから公園管理の人たちがいろいろと整備をしていくのでしょうね。景観的には殺伐とした景観がつづきます。ただ、この時期は藪はそだっていないので、苦労せず歩みを進めることができます。所々にイタドリが倒木のように地面に覆いかぶさっている場所もありましたので、そのあたりは少しだけ歩くのは難儀でした。

 

IMG_1919IMG_1924

この星観緑地の縁にはご覧のように塀と排水溝が終始ガイドのように存在しているので、これにそうように緑地内を散歩していきます。この散歩の間早めの時間でもあったので、緑地内では人に合うことはありませんでしたが、もし他の人が私たちの歩いている姿をみたら、なんて物好きなやつが歩いているんだと、おもったことでしょう。林の中に春をすこしずつ感じながら緑地内を縦断すると、今度は、ほしみ駅前通りにつきあたります。そこで撮ったのがTOPの写真になります。写真に写っている川はです。キライチ川はここからJRの線路を越えるまでは、星置川の旧流路をたどっています。境界線は鉄橋を渡ったあたりで、東南の方向に進んでいます。と、言うことは星置川とキライチ川の旧合流点は丁度鉄橋の下辺りだったのではという想像がつきます。

このキライチ側の堤防をたどって線路の向こう側にでようと、当初は計画していたのですが、どうやら堤防は線路下をくぐっていません。これはしょうがないと一旦GPSのトラックを止め、迂回をしていきます。線路の反対側には星観緑地はないので、あとは地図を見ながら境界線をたどることとなります。

線路の反対側にでたあたりで地図をたよりにをみまわしてみると、

良い感じの土管

良い感じの土管

排水溝が良い感じの土管を通ってキライチ川に流れ込むポイントを発見しました。川の跡って言うのはなにやら法律で構造物の建造が規制されていると読んだ覚えがあります。きっとこの排水溝にそって歩けばとしっかりとしたログがとれるのではと、トラックログを再開いたしました。

ちょうどほしみ駅を見渡せるポイントまででたので、撮り鉄をしながら、

ほしみ駅

ほしみ駅

東側をみてみると、良い感じに屈曲した道を見つけることができました。

DSC_0017DSC_0018

しっかりと排水溝もあり、これはあきらかに境界線であり星置川の旧流路であることがわかります。

写真にもうつっていますが、どうやら私有地を示すロープが木にそってはっていました。その左の小さな土手の上にはアルミの柵もみることができます。でもその柵とロープの合間は共有地になるのでしょう。ということでこのルートは土手の傾斜を通っていきます。星観緑地内もそうでしたが、今回の星置川の探索ルートはなかなかアドベンチャーなルートだなと思いながらこの土手を通りすぎると。

DSC_0020

ほしみ駅への道路にでてきます。この道路の反対側をみてみるとまた良い感じでどうろが湾曲しています。これはあきらかに川の跡の道ではないでしょうか。うきうきしちゃいますね。

道の両側は民地なのでしょうから不法侵入にならないように道路の真ん中をしっかりと歩いてゆくと、星置川の堤防がみえてきます。

DSC_0021

川跡らしき平地を探しGPSトラックを作っていこうと歩き星置川の堤防に上りゴールとしました。

DSC_0023

堤防に上がってから国道5号線方面に目をむけ星置川の上流をみてみると、星置川が谷間を作ってながれてくるのが見る事ができます。

あの谷間あたりが星置扇状地の始まりになるのでしょう。きっと昔のアイヌはこの先を川に沿いながら手稲山へのぼっていったのかなと、おもいつつ帰路についたのでした。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星観緑地~星置南4丁目
アプローチ難度 ★★☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 NIKON D3000 / CANON EOS X2

星置川とキライチ川の合流点

星置川とキライチ川の合流点

手稲区の西端(札幌市の西端)の星観緑地名物の星流橋の下で合流するのは、です。

この両河川、奥に写っているキライチ川は一部星置川の旧流路をつかっているのです。それ以前はもう少し南下した、現在のの起点あたりで星置川と合流をしていたのことが1916年の地図に記載がされていました。

札幌市最西端の星観緑地周辺一帯は明治後期から大正、昭和初期までは一帯が稲作地だったようで、星置川の排水・治水効果もあり、かなり盛んだったようですが、元々が砂丘の上にあったこの土地を農地化してくのは並大抵の苦労ではなかったとの記録も残っています。そこまで苦労した星置の農耕なのですが、減反などの生産調整のあおりを受けて現在農耕地はそれほどのこっておらず、工場や倉庫郡にその土地の利用方法をかえており、そんな工場・倉庫郡の中にこの星観緑地が緑のオアシスのように、かまえているのです。

地図をみていただけるとわかるようにこの星観緑地、結構な面積を誇っています。札幌市の広めの緑地や公園は雪が積もっている冬季でも割としっかりと整備されているようで、冬の間でも散歩などで利用する人たちが多いようです。この写真を撮影した日もかなりな数の人たちが散歩をたのしんでいました。

そんな中で、カメラを構えて写真をとっていた私は一帯どのようにうつっていたのでしょうか、、、。まぁバウもつれていたので、犬バカが写真を撮っているのだろうってな感じで見られていたぐらいでしょうか。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星流橋
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 NIKON D3000

星置川と山口運河・ポンナイ川の分流点

星置川と山口運河・ポンナイ川の分流点

今回訪れたこの場所、札幌・小樽・石狩の地史上かなり重要なポイントの地点なのですが、それなのに、この閑散っぷりと景観の残念っぷり、、、、1周まわらないとその深みがわからないマニアックな秘境感たっぷりの場所なのです。

ここはどこかというと、札幌の西端手稲区星置と、小樽の東端銭函の境を流れるにかかる星函橋付近の、
へとその水をわける地点なのです。

まずは、いつもの通り今昔MAPさんで1916年の地図を、、

まずは、中央を流れる星置川。

現在はこのまま直線的に北上し、ドリームビーチと銭函サンセットビーチを分かちつつ河口を形成しているのですが、以前は、この地点でポンナイ川の川道ともう少しだけ上流の現在の谷地川の流路をたどって銭函の市街地で河口をつくっていました。それは、1916年の地図の「新川」と「運河」の表記をたどっていただければみることができるでしょう。新川・運河とくればさらにその直線的な流路をみれば、人工的に開削されたものとすぐに判断がつきます。では、それ以前はというと、1916年の地図では運河の先は点線になっており、小樽との境界線をつくりつつその点線をたどると50Mほどでというように表記され、現在の河口付近まで流れています。実はこれが開拓初期の星置川の流路なのです。このころの清川の河口付近の浜をオタネ浜といい小樽内とよばれた集落もあったのこと。それ以前は江戸期の松前藩によってここに小樽内場所を設け道央圏の拠点として存在していたとのこと。

次に、対岸に見える樋門から流れ出すと手前の樋門から流れ出す

この両河川とも、1916年の地図でもわかるとおり、銭函市街地から手稲を経由し前田を経由し石狩の花畔の(現・)まで貫通する一大運河の銭函・花畔間運河だったのです。この運河は鉄道が敷設された1916年の地図でもしっかりとそのしるしをつけています。1936年ころにはこの銭函・花畔間運河と新川を中心に、銭函に港を、現在の札幌新道と新川が交わる地点に札幌市街地への物資拠点を、花畔地区に石狩川の舟運を利用した拠点をといった、小樽・札幌・石狩を結ぶ一大運河計画もあったそうです、その後第2次世界大戦後しばらくしてもその舟運の要として重要性を保持していており、この銭函・花畔間運河を改造した運河計画ももちあがったほどです。その後陸運の発展とともにその計画はついえたようですが、現在のこの銭函・花畔運河の北部岸以降をみてみると、都市化にはいたらず様々な物流の拠点が点在しているのはそのころの計画の名残なのでしょうか。まぁ、砂丘地帯なので農作にあまり向かない地域であったのものその理由かもしれまんが、、、。ただこの一大運河計画、現在の国道337号線がその任を受け継いでしかも空路の千歳までその脈路をもって陸運の要となっていることを考えると、この一大運河計画まったく絵に描いたもちで終っているわけではなさそうですね。

ちなみ今昔MAPで確認をすると昭和51年の地図まではポンナイ川の表記はなく、平成9年の地図でやっとポンナイ川の表記となっていました。このポンナイという語感あきらかにアイヌ語由来なのですが、このような経緯からどうもこの川を地元のアイヌがポンナイとよんでいたようにはおもえません。第一に平成にはいってから星置地区にアイヌの集落があったとはおもえませんし、それにポン・ナイ(小さい・川/小さな沢)という言葉、アイヌと倭人が協業していたとしても明治30年には銭函・花畔運河が開通しており、多分それ以前から開削工事はおこなれていたので、それをポンナイと呼ぶにはいささか疑問が残る。唯一の可能性としては、ここに星置川が作った扇状地に湧く湧水がありそこからながれでる沢があり、それがポンナイとよばれており、その流れを利用したのが銭函からの運河であった。という推論なのだが、どうだろう。

いずれにせよ、このなにやらわびしいたたずまいのこの両河川に、こんな壮大な歴史妄想を語れるパワーが実はあったのでした。

撮影場所 北海道札幌市手稲区星置 星函橋
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★☆☆☆☆
撮影機材 Canon EOS KISS X2

星置川河口

星置川河口
お盆過ぎの河口にいってまいりました。ここはサンセットビーチ銭函とおたるドリームビーチの丁度境界になる位置付けではありますが、河口の右岸側もテリトリー的はサンセットビーチ銭函川に属しているのではないでしょうか。右岸側からちょっと東進すると、砂浜がほとんどない海岸線となっており、そこを10分ほど歩いて行かないとおたドリームビーチの賑わいにはたどり着かないからです。

また左岸側にはここサンセットビーチ銭函・銭函ヨットハーバー・銭函海水浴場とつづきます。左岸側の海水浴場は海の家的な施設の数はすくないですが、シーズン中の駐車場代は500円、おたるドリームビーチ側は海の家的な施設は多く、シーズン中の駐車場代は800円と、料金の差があります。知名度の違いとかなのでしょうか。

まぁこの時期の午前中の早めの時間(10時前)ですと、どちらの海水浴場も人出はすくなく浜にいるのはキャンプ明けのお客さんくらいです。ただまったりと海の時間をすごしたいのなら早めの時間に訪れるのが吉かと思います。9月にはいればどこの海水浴場も閉場するのでもう少しまてば泳ぎには向かないかもしれませんが、もっとまったり時間をすごせするかもしれませんね。

さて本題の川の話にうつりましょう。 この星置川、札幌を流れる水系を持つ3河川のうちの一つであることは以前も本ブログで書いています。では開削以前までさかのぼってみましょう。

現在の新川河口までこの星置川はながれていました。地図をみてみると星観緑地を少しだけすぎたところでの起点があることが見て取れます。この清川は以前は小樽内川と呼ばれていたことは、新川と清川の合流点のエントリーにて記載していますが、その小樽内川が星置川下流部であったということを今回調べて初めてしりました。また大正時代には銭函ヨットハーバーに河口を持つ現在のポンナイ川の流路を切り替えられ周辺の田園への水の供給源としてその役割をもっていたそうです。そして現在の河口へと切り替えが行われたのが、1983年のことだというので、短くも長い北海道の開拓史の中で比較的最近の出来事のようです。

札幌を流れる川は多かれ少なかれ切り替えをうけているのが常なのですが、こうやって川歩きをしながらその川の成り立ちをしらべてみたりすると、その変遷をしることができなかなか面白いですね。

サンセットビーチ銭函でまったりしたあとは、

大阪屋

大阪屋

銭函の市街地の石造りの倉庫を改造した大阪屋というコーヒーショップでお昼を食べてかえってきました。

 

 

撮影場所 小樽市銭函3丁目165
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★★☆☆
撮影機材 NIKON D3200

星置川と滝の沢川(星置川支流)の合流点

星置川と滝の沢川(星置川支流)の合流点
札幌市には3つの水系があります。石狩川水系新川水系、そして小樽市との境界を流れるこの星置川水系です。写真右から流れるのが星置川、左から流れ込んでいるのがです。滝の沢って名前の川は札幌市だけで複数あります。 たぶん、この滝の沢って名前は滝を擁する沢規模の小河川にはだいたいついているのではないでしょうか。

この星置川及び滝の沢川にもご多分にもれずが存在しています。この合流点から下流側金山地区の住宅街の中に

星置の滝

星置の滝

星置の滝。
そして滝の沢川沿いに上流にいく手稲山への登山道の途中に

乙女の滝

乙女の滝

乙女の滝が落ちています。

まだまだ滝は存在しているようですが、登山装備と心得をしていかなければいけなくらいの場所にあるので、今回はパスをしています。

夏の滝巡りは涼しげでいいですよね(^^

 

昨年8月に撮影

昨年8月に撮影

この合流点も昨年8月に訪れていますが、またもや小さい写真しかなかったので、今回撮りなおしをしました。

撮影場所 札幌市手稲区手稲金山134
アプローチ難度 ★☆☆☆☆
景観 ★★☆☆☆
撮影機材 sigma dp2